出待ちで パチリ

ツチバチ科の一種

林道を歩きながら被写体を探していると,ブ~ンと羽音がして一頭のハチがやって来ました。しばらく辺りを飛び回っていたかと思うと,法面に開いた石灰岩の隙間に入っていってしまいました。穴に向かって一直線に飛び込んだ,とも言えるくらいあっという間の行動でした。

何も獲物は抱えていなかったので,すぐに出てくるだろうと,穴の辺りに置きピンして待つこと暫し。ゴソゴソ音がしてきたので,そろそろだと身構えて,何とか撮れた一枚です。

胸部から腹部を覆う黄褐色の細かな毛。複眼の前方には白い斑紋(これも毛かも)があって,脚は黒く,翅も黒褐色を帯びています。これだけ特徴的だから,絵合わせで種名もわかるだろうと思っていたら,甘かった。全くわからない。そもそも特徴的だと考えた点が全く識別点になってないという,一体あなたは誰なんだ?

太い腹部や短い触角のようすから,ハラナガツチバチなどツチバチ科の一種だろうと予想していたのですが,図鑑やネットの情報を見ると,どうもちがうようです。アナバチの方かなぁ。ハチも難しいです。

2018/07/14 渡名喜村渡名喜林道南西側

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クマ‐との遭遇

クマネズミ

島に着いて,ガイダンスを受けて,ほっとひと息。正午まではまだ時間があるし,といって食べなければ出かけられないしと思案に暮れていたところ,出会ってしまったのです。

数m先の側溝の上にネズミが出てきました。以前観察したハツカネズミに比べると,明らかに体が大きい。おぉ,ラットだぁと感動しつつ,急いでカメラを持ち出して撮影しました。

状態を持ち上げて周囲をうかがったり,地面に鼻先をくっつけてみたり,しばらく観察と撮影を続けましたが,もう少しいい角度からと欲を出して動いたら,さっと側溝の中に隠れてしまいました。

大きな耳と目,ちょっと長めの尾からクマネズミだと思われます。害獣扱いももっともな点もありますが,島のほ乳類としては,貴重な観察になりました。

2018/07/14 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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ピッタリサイズ

クサトベラを訪花するオキナワツヤハナバチ

盛夏の昼下がり,暑さと乾燥で観察できる動物も限られてしまうのですが,チョウやハチは元気に飛び回っています。護岸の陸側に生えている(植えられている?)この木のまわりにも,小さなハチがたくさん集まっていました。

この花はクサトベラ。5枚の花弁が手を広げたようになっていて,花弁が集まる元の部分が溝のようになり,そこにスッポリとハチが体を入れていました。

このツヤツヤのお腹はオキナワツヤハナバチ。これまでも何度も観察してきた種ですが,これほどピッタリとは共進化してきたのか,とも思えます。まぁ,他の植物でも普通に見られますから,そんなことはないのでしょうけれど。

オキナワツヤハナバチ

2018/07/14 渡名喜村ユブク

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花にぶーん,と キラピカ登場

午後の日程までまだ間があるというので,真夏の正午過ぎでしたが,島内散策。今回は,南へ向かってユブクまで行ってきました。陽射しは肌を刺すようですが,強い南風が吹いていて,それなりにいい感じ。あれこれ撮影しながら林道の登り口まで行ってきました。

アダンの雄花にやって来たリュウキュウツヤハナムグリ

ユブクの海岸には護岸の陸側に植栽されたかのようなアダンの群落があって,雄花が咲いていました。久しぶりの観察なので,記念&記録にと撮影していると,ぶ~~んと羽音を立てて虫がやって来ました。とまったところを探してみると,リュウキュウツヤハナムグリです。

雄花を撮影していた一枚に,とまる寸前の姿が写っていました。鞘翅を閉じて羽ばたいているのがわかりますね。

アダンの雄花にやって来たリュウキュウツヤハナムグリ

とまった後は,ゴソゴソ移動して,花序の中に頭を突っ込んでいる。こんな姿は,以前,ガジュマルに来たところでも見られました。このようにして,花粉媒介をしているのでしょうか。

2018/07/14 渡名喜村ユブク

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今度は何とか わかる…かな?

滑空するトビウオ

この日は日曜日でしたが,島の一大イベントがあったので,フェリーに臨時便がありました。このため,夕方には那覇へと戻ることができたのです。

その船上から狙ったのは,トビウオ。この時期はまだたくさんのトビウオが島の近くで観察できます。が,いかんせんコンデジでの撮影は難しい。カメラを向けても望遠側では写野に捉えきれない&合焦が間に合わない。飛沫を浴びながら何枚も撮影して,何とか魚影が写せた一枚です。

2005年にも同じようなことをしているのですが,そのときに比べれば,多少は魚の形に見えるかな,ということで。

2018/07/15 渡名喜島沖(久米商船フェリー・琉球船上から)

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こちらの渦巻き さて,どちら?

ウズグモの仲間,オキナワウズグモ,クメジマウズグモ

宮古島でのフィールドワークで覚えたウズグモの仲間。渡名喜島でも見つかりました。

だがしかし,この個体の作った渦巻き(かくれ帯),一部が壊れてしまったためか,渦の向きがよくわかりません。クモのいる辺りは分岐合流がいくつもあって,複雑。一筋縄ではいきません。もっと観察しないといけませんね。

さて,このクモの種名は何か?

こちらの掲示板の書き込みによると,渡名喜島周辺には


  • クメジマウズグモ,久米島
  • オキナワウズグモ,沖縄島
  • ミナミウズグモ,久米島・石垣島・西表島・与那国島

が分布するようです。沖縄クモ図鑑さんの情報によると,ミナミ‐は別属で網のようすもちがうみたい。では,クメジマ‐とオキナワ‐のどちらなのか。写真の絵合わせでは,属までが限界のようです。Yoshida,1981の記載論文を見ればわかるのかなぁ。内部形態を解剖して観察とかだと,無理っぽいなぁ。

ということで,軟弱にも,ウズグモの仲間,Octonoba sp.としておきます。

2018/07/14 渡名喜村渡名喜林道南西側

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赤点3つ

ヒラタミミズク そんなにあったら,落第じゃないか,というのは別の話。

写真の赤点は,外部寄生のダニのようです。これまでにも,何度か観察しているので,結構普通の現象なのかもしれません。

で,被写体のほうはヒラタミミズク。今度はナナメからの撮影で,より立体的に捉えられたかな,と思います。やっぱり,複眼に線が入っているので,何か生態的な意味があるのかもしれません。


それにしても,色彩,白点,翅脈のようすと,生息環境に対して見事な擬態になっています。

2010/07/24 渡名喜村ンジャ

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最近よく見る 黒点4つ

クロハグルマエダシャク

地味な色彩の小さな蛾。でも,最近,よく見かけるような気がするんです。

この個体は渡名喜島での撮影。翅を広げて3㎝程の大きさです。薄いベージュに黒い斑点が印象的です。これまで,那覇市内でも度々見かけたのですが,撮影したのは今回が初めて,のようです。

この蛾はクロハグルマエダシャク。図鑑には「やや少」なんて書かれてますが。
同定,大丈夫かな?

2010/07/24 渡名喜村ンジャ

ん~,やっぱり違う気がしてきました。

ウスキクロテンヒメシャク Scopula ignobilis のような。

しかも,過去に紹介済み(しかも誤同定)。2007年5月にウスウラナミヒメシャクとしていました。

シャクガは難しい!

2010/08/06 追記

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渡名喜残照 再び

渡名喜島へ沈む夕日を望む

今年は台風が少ない,ということもあって,ここ数日は夏らしい好天続き。日中は刺すような陽射しですが,日が傾けば涼風(シダカジ)が吹いて,とても心地よい時間です。空には綿雲が並び,夕日に映えて様々な色合いです。そんな風景をボーッと眺めている,ウチナー口(沖縄方言)でいうところの「チルダイ」の状態です。

で,ハッと気づくと日没。ちょうど島影に日が沈んで行きます。慌てて撮影したのがこの写真。渡名喜島へ沈む夕日を望む,です。

以前,渡名喜島の島影を紹介したのも8月でした。この時期,大気が安定して水平線までよく見通せるのかもしれません。

2010/08/02 那覇市

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やがて 崩れてゆく 姿

マイクロアトール

渡名喜島でのジオツアー。説明する方の立場なので,個人的な興味で撮影,という時間はなかなかとれません。特に,動き回る生き物で,いいカットを狙ってじっくり,は無理な状況。ということで,こんな一枚。

海岸近くの潮溜りで見つけたハマサンゴ類の群体。円柱を輪切りにしたような形になって,側面だけに生きたサンゴがいます。なぜ,こんな姿になるのかというと,群体が大きくなって,潮溜りの水位に達すると,それより上に成長できないため,直径方向の成長のみが続くから。

こんな姿を,マイクロアトール,と呼ぶようです。

よく見ると,右上,海草の近くに黒いS字型があります。これは,ナガウニによる侵食。左上では周縁にまで達しています。こんなことが続くとどうなるかというと…,

崩れゆくマイクロアトール

こうして,サンゴの骨格が細かくなり,堆積して,サンゴ礁が作られていくのでしょう。それにしても,いったいどれだけの時間がかかるのか。人の生活する時間スケールとは掛け離れているだろうことは想像できますけど。

2010/07/24 渡名喜村東海岸

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