ピッタリサイズ

クサトベラを訪花するオキナワツヤハナバチ

盛夏の昼下がり,暑さと乾燥で観察できる動物も限られてしまうのですが,チョウやハチは元気に飛び回っています。護岸の陸側に生えている(植えられている?)この木のまわりにも,小さなハチがたくさん集まっていました。

この花はクサトベラ。5枚の花弁が手を広げたようになっていて,花弁が集まる元の部分が溝のようになり,そこにスッポリとハチが体を入れていました。

このツヤツヤのお腹はオキナワツヤハナバチ。これまでも何度も観察してきた種ですが,これほどピッタリとは共進化してきたのか,とも思えます。まぁ,他の植物でも普通に見られますから,そんなことはないのでしょうけれど。

オキナワツヤハナバチ

2018/07/14 渡名喜村ユブク

| | コメント (0) | トラックバック (0)

下まで,青い

シマツユクサ

所用でやって来た宮古島,空いた時間に以前から気になっていた地下ダム資料館へとやって来ました。すぐ隣には農村公園があって,湧水を利用した親水公園になっています。

が,明らかに,放置されている。草茫々で水辺に近付くのもひと苦労,こんな様子ではとても一般人,子どもたちの利用なんてありえない。ハブがいない宮古島だからこそ,安心して草むらに入れるというものです。

でも,まぁ,いったん,水場までたどり着くと,たくさんの生き物たちが見つかりました。ので,これはこれで,ありがたいかな,とも思えます。

まず目についたのは,水の中から茎を立ち上げ,可憐な花を咲かせていた,シマツユクサ。

2006年5月に渡名喜島で観察したものを紹介しましたが,どうも誤同定だったようです。シマツユクサはこの写真にあるように花弁が3枚ともほぼ同大同色。先のものは,下側になる一枚が半透明で小さくなっています。どうやら,マルバツユクサ,Commelina benghalensis のようです。

岡山理科大学 植物生態研究室内のツユクサ科を参考にさせていただきました。

2018/04/25 宮古島市城辺福里・宮古島市地下ダム資料館

| | コメント (0) | トラックバック (0)

いったい誰が 運ぶんだろう?

ハナイバナ

雑然とした草むらって,フツーな人には草刈りの対象なんでしょうが,よく見るといろんな昆虫や小動物が活動していたり,小さな野草が花を咲かせていたり,それなりにいいものだ,とも思うのですが,あまり賛同は得られません。この場所も定期的にばっさりと刈られてしまいます。でも,その分,背の高い草が生い茂ることもなく,こうして撮影できるという面もあります。

この時,見つけたのは,ハナイバナ。直径が2mm程の小さな花の中に,ぐるっとひと回り光沢のあるものが並んでいます。その内側には何もないので,これが柱頭なのでしょうか。そうすると雄しべが見あたらない。雄花が別にあるのか,雄性先熟なのか。

さらに,こんなに小さい花だと,花粉媒介は誰がしているのでしょう。アリかな,小さなハエかな。もっとよく観察しないとわからないことばかりです。

2018/02/15 那覇市

| | コメント (0) | トラックバック (0)

3+(3+5)+5

ツルソバ

被写体を求めて敷地内を散歩。フェンス沿いのあまり人の来ないところで,白い小さな花がたくさん咲いていました。

この花は,ツルソバです。今回はTG-4を使って,うんと近寄って撮影してみました。めしべの先が3つに分かれていて,「三稜形の痩果」になるというのも頷けます。藤色の葯が花弁の元の黄色と対照的で,白い花弁に囲まれてぐっと引き立ちます。その雄しべも,内側に3本,外側に5本と分かれて着いているのですね。

で,ふと湧いてくる疑問。何で6じゃないんだろう?

内側は3が基本で,外側はその2倍の6だと「わかりやすい」と思うのですが,花の発生というか,構造の進化というか,どうなっているんでしょう。

2018/02/15 那覇市

| | コメント (0) | トラックバック (0)

白黄緑に 紅一点

白梅にアザミウマ

先月も紹介した白梅,まだまだその姿をたのしませてくれています。いい具合にこちらを向いていた一輪をパチリと撮影。後からその画像を見てみると…花の中に何かいます。白い花弁,黄色い葯,緑の雄しべ,その中にいる小さな赤い虫。彩りとしては鮮やかな組み合わせですが,いかんせん小さすぎて,目で見たときには気づきませんでした。

この虫は,アザミウマの仲間と考えられます。葯に止まっていることから,花粉を食べているのかなと思います。野外から花を取ってくると,よく見つかるんですが,種類までは気にしたことがありませんでした。肉眼で識別できるサイズじゃないんですよねぇ。

2018/02/15 那覇市

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新春の香り

満開の白梅

毎日通る道すがら,白梅が枝いっぱいに花をつけています。

辺り一帯,いい香り。

どんより曇天が続きますが,気持ちだけは爽やかになれます。香りに誘われてきたのか,ミツバチがせわしく飛び回っていました。あと一月もすると桜の便り,そして春本番です。

ウメにミツバチ

2018/01/15 那覇市

| | コメント (0) | トラックバック (1)

膝折 というらしい

キキョウランの花と果実

農道沿いで蜂の撮影,一通り終えてふと気付くとキキョウランが咲いていました。しかも果実もついています。この花は長い花茎の先で下向きに着くことが多いので,撮影しにくい部類です。けれども,このときはうまい具合に別な種類の葉の上にちょこんと乗っていました。しかも上の葉の陰になって光の具合もいい感じ。

これまでの観察では,花は4月上旬果実は5月下旬の撮影でした。今回の観察は,ちょうどその中間あたり,ということになります。

撮影してから気付いたのですが,おしべがグニャリと曲がっています。奇形かなぁとも思っていたのですが,調べてみると,この種の特徴。これまた不思議な形態で,いったいどんな適応的意義が,と考えてしまいます。

さて,この記事のタイトル。「花も実もある」というのを思いついたのですが,既に使っていました。もっと柔軟に発想しないといけませんね。

2017/05/05 宮古島市下地島

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ようやく梅に たどり着く

テンノウメ

撮影地を求めて下地島の西岸をウロウロ。一週道路から海岸に降りられそうなところを見当つけて,入ってみるんですがなかなかいいところに出られない。結局,いつもの観光スポットに。でも,この場所は隆起珊瑚礁の植物群落を観察するのにも好適なのです。

この日に見つけた花は,テンノウメ。以前はミズガンピを勘違いしていたんですから,なぜそう思い込んだのか,当人にも不思議です。

これまで,果実が着いているのは何度か見てきたんですが,花は初めての観察になりました。バラ科に属するそうで,シャリンバイテリハノイバラによく似た花だと思います。

2017/05/05 宮古島市下地島

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こちらは奥だけ 毛むくじゃら

コンロンカ

沖縄での大型連休はもうすぐ梅雨入りという時期。それだから,なのか,林の中には咲いている花がほとんどありません。宮古島にやってくるのも毎度5月が多いので,観察できる生き物たちも似通った姿になってしまいます。

この花はコンロンカ。以前紹介したのは花序全体でした。今回はTG-4を使って,思いっきり近寄って撮影してみました。こんな撮影ができるのも,FD-1のおかげです。

そうして見えてきたのが,花の中心にあるモジャモジャ。オオバルリミノキにそっくりです。どちらもアカネ科なんですが,関係あるんでしょうか。そして,このモジャモジャの適応的意義は?特定の昆虫だけが蜜を吸えるようになっている,ということでしょうか。奥が深くて謎だらけ,です。

2017/05/05 宮古島市

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホントの姿は 毛むくじゃら

オオバルリミノキ

暗闇に浮かび上がるような白が印象的なこの花,以前にも紹介したオオバルリミノキです。今回撮影した花は新鮮だったようで,純白の花弁と,それに密生する細かな毛がハッキリとわかります。真ん中,花筒の奥がほのかに紫色に色づいているところがオシャレですね。

ルリミノキといいつつ黒っぽい果実がつくのは年が明けてからになるそうです。それもまた,撮影してみたいです。

2017/05/05 宮古島市

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧