三度目は,思いがけず

宮古島から戻って,バタバタと日常を過ごしているうちに,ずいぶん時間が経ってしまいました。ようやく拾ってきた陸貝の殻を洗浄・乾燥することに。もう,肉抜きするような根性はない(有肺類はタイヘン!)ので,もっぱら死んで空っぽになったものばかり,です。

採集容器から出して,アカマイマイやミヤコヤマタニシの殻の中に注射器で水流を送り土粒やそのほかゴミを洗い流す,,,と,なにやら気になるものが出てきました。

ミヤコゴマガイ

そ~っと取り出してみると,これが貝。何と,ミヤコゴマガイでした。

乾燥した後,TG-4の深度合成機能を使って撮影したのが,この一枚です。汚れがいっぱいついていますが,特徴的な縦肋がよくわかります。胎殻まで見えていて,よく写せたなぁと思います。上下の目盛りは手近にあった定規で1mm間隔です。

2016/09/05 宮古島市で2016/08に採集

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味わい深い この模様

ミヤコヤマタニシ

陸貝を求めて林の中へ。日が昇ったばかりということもあって,たくさんのカタツムリが活動していました。島では普通種と言えるものがほとんどですが,それは言い換えると,ほとんどが島固有ということでもあります。

この貝はミヤコヤマタニシ。オキナワヤマタニシの亜種という位置づけです。竜骨状の突起がほとんどなくて,殻の各層がつるんと丸くなってます。また,模様がハッキリしていることが多い印象があります。この個体も殻に沿って濃色帯が伸び,その中にジグザグ模様が入っていたりして,かなり美しいと思います。そして,軟体部,円らな瞳も,またカワイイ。

以前撮影した糸満市産のオキナワヤマタニシと比べると,よくわかると思いますが,どうでしょう。

2016/08/09 宮古島市

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蚤というより 草の実みたいな

ミヤコパタラシノミギセル

おそらく,小さな,という意味で使われているんでしょうけれども。形が細長いので,その大きさと相まって草の実みたいに感じられます。よく見ればらせんを巻いているし,全くちがいますけどね。

このカタツムリは,ミヤコパタラシノミギセル。基亜種はパタラシノミギセルなんですが,和名がタラマノミギセルに変更されたようです。そして,この「パタラス」。語感からいって宮古方言だろうと勝手に思い込んでいたのですが,話者に尋ねても,そんな言葉は聞いたことないというので(もちろん,みゃーくふつで),間違いのようです。学名にありがちな人名のようです。

このときは,湿ったコンクリ壁に数個体が見られましたが,おそらく,普段は落ち葉の中などにいると思われます。これまで見たことなかったのですが,日の出直後という時間を選んだことで,また一つ新しい観察ができました。

2016/08/09 宮古島市

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今度は完熟

アカマイマイ

陸貝を求めて公園をウロウロ。日の出直後にやって来たのは,うまくすると活動中の姿が見られるかもしれないと考えたからです。とはいえ,開けて乾いている場所では期待できません。公園から離れ,林の中へと続く道に入ってみました。もともと城跡(県外のものとはちょっと違うけど)で,御嶽もたくさんあるような場所ですから,鬱蒼としたジメジメ環境もたくさんです。そんな山道で見かけたカタツムリ,アカマイマイです。

最初に撮影した2008年5月は活動中の未成熟個体,次に撮影したのは2011年5月で,殻の中に引っ込んで休息中の個体でした(そのため,特徴的な殻底部,大きな臍孔も見られました)。今回の個体は殻口の反り返りも充分で,成熟していると考えられます。大触角の間の頭瘤もしっかりしてますしね。撮影してから気付きましたが,生殖口が開いていて,その位置がよくわかります。朝日とフラッシュで殻の色彩は変わってしまっていますが,いろいろ写せて良いショットになりました。

2016/08/09 宮古島市

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やがて消えゆく 白き頂

ミヤコオキナワギセル

並んで写っているこの細長いカタツムリ,よく見て数えると,その巻き数が違います。明らかに右側のほうが多い。だがしかし,更によく見ると,左側は先端が欠けているのがわかります。実はこの仲間,成熟すると殻の先端,殻頂部分か欠け落ちてしまうのです。

この貝はミヤコオキナワギセル。前回の撮影は2000年1月ですから,16年ぶりです。移動力の乏しい生き物ですから,生息場所に行けばそれなりに観察できていたのですが,今回再訪してビックリ。多産していた並木が伐採され整地されていました。なんてこったい,ですが,子どもたちもたのしめるような公園ですので致し方ない面も。すぐ側の植え込みでしっかり生きながらえている姿を確認しました。

近縁のオキナワギセルに比べると,殻の色が特徴的なことがわかります。島の固有種が生きながらえていけるように,そんなに広くはない生息地ではありますが環境が保全されることを望みます。

2016/08/09 宮古島市

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また,会えたね!

ウラキヤマタカマイマイ,葉裏で休息

あわよくば活動中の姿を見てみたいと,夜明け前に起き出して,日の出に間に合わせてやって来ました。が,現地についてちょっとびっくり。元々公園だったところですが,さらに「キレイに」整備されて,生き物たちをたくさん見られた場所がすっかり無くなっていました。う~ん,残念。

それでも,と鵜の目鷹の目で探して,ようやく見つけたのがこの一枚になりました。前回の観察から16年ぶりとなります。中琉球を代表する(と勝手に思っている)オキナワヤマタカマイマイ属のうち,最も南に分布するウラキヤマタカマイマイです。前回,2000年1月の観察では,軟体部を見せてくれたり,無帯型が見られたりと,まだまだ健在と思われたのですが,その後,大型台風による生息地の撹乱等々もあり,何度かこの地を訪れてもその姿を見られずじまいでした。

樹上棲のこの仲間,休息中の姿を撮影すると,どうしても同じようなカットになってしまいます。これまで,久米島のオモロヤマタカマイマイや沖縄本島のオキナワヤマタカマイマイを紹介してきました。あまり,ウラキ(裏黄)という感じがしませんが,地面に落ちていた死殻を見ると,殻底部が色付いているとわかります。

ウラキヤマタカマイマイ,落ちていた死殻

死殻のすぐ傍らには,ニューギニアヤリガタリクウズムシがいたりして,心配の種はつきませんが,イシガキニイニイのようになること無く,島の各地で生息環境が守られてもらいたいと願います。

2016/08/09 宮古島市

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目の付きどころがちがう

リュウキュウヒメオカモノアラガイ

午前中,強い降りが続いたので,昆虫はいないだろうな,でもひょっとしたら,とカメラ片手にウロウロしてみました。案の定,コンクリの壁を登っているカタツムリを見つけることができました。

このカタツムリはリュウキュウヒメオカモノアラガイ。渡名喜島での観察を紹介したときは「リュウキュウオカモノアラガイ」としましたが,「-ヒメ-」を入れた方が良いようです。和名も難しいです。

さて,オカモノアラガイ類は柄眼類,モノアラガイ類は基眼類。大まかに言うと目の付いているところがちがう,ということで。

この一枚,逆光になっているので軟体部,特に後端のつくりが透けて見えているようです。そんなところもおもしろい一枚になりました。

2015/08/10 那覇市

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こうして見ると やっぱり高いな

オキナワヤマタカマイマイ

程よく放置された(いや,手入れされた,でしょうね)山林に,遊歩道が整備された県民の森は,生き物観察にもうってつけ。樹上棲のこの種類を間近で観察できるのも,きっと生息密度が高いから,それだけ出会える確率が高い,ということなのでしょう。

このカタツムリは,オキナワヤマタカマイマイ。以前の観察では,遠くから望むだけでしたが,今度はすぐ近くから,じっくり撮影できました。ただし軟体部はおあずけです。

こちらのサイトによると,学名が変更されたようです。それも4年前に。う~ん,最先端についていくのは,なかなか大変です。

2012/10/12 恩納村安富祖県民の森

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ゴマ粒くらいの…,再び

ゴマオカタニシ

所用でやって来た糸満市賀数の丘。手入れの行き届いた林の中をウロウロ。セミやチョウはたくさんいるのですが,移動能力の小さい地表性の小動物やお目当ての陸産貝類はほとんどみられません。まぁ,林と言うよりは庭園だからなぁと諦めかけていたときに,パッと目に飛び込んできたのがこの一枚。

う~ん,この程度,2~3mmくらいなら,野外で充分見つけられるんだな。と,改めて感じさせてくれる出会いでした。

この貝は,ゴマオカタニシ。9年前の観察でも,似たような状態でした。落ち葉の中,というよりも,木に登っていることの方が多いのかな?

2011/07/27 糸満市賀数

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その名に偽りありの キーモーです

タラマケマイマイ

タラマケマイマイ

「キーモー」はウチナーグチで毛が無いこと。「毛無」ですね。

このカタツムリはタラマケマイマイ。こちらの和名は「多良間毛」マイマイ。この仲間はその名の通り,殻の周縁に殻皮が毛のようになって飛び出ているんですが,この種には無いんですね。それで「キーモー」。決して,キモいわけではありません,と。

実に,1998年8月以来の観察で,かなりボケてますけど記念碑的に上げときます。今度,しっかり撮り直さないといけませんね。

2011/05/06 宮古島市大野山林

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