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満月の獅子を食べる影

食される獅子,部分食

さて,月食でもう一本。というか,こちらがメイン。

半年前の月食が悪天候で観望できず,3年ぶりの観望・撮影となりました。この間に,光学系も新しいのが加わったので,今回は2本立てで撮影してみました。

この一枚は,皆既前,本影がかかってきた頃(03:37,部分食の始まりが03:24頃)のもの。望遠鏡にコンデジ(TG-4)手持ちでコリメート。たくさん写した中の何とか見られる一枚です。食が浅く光量が充分なうちはそれなりに撮影できていたのですが,やがて露出もピントも合わなくなってしまいました。マニュアル撮影不可の悲しさです。

赤銅色になってきた,部分食

一方こちらはLumix FZ38を三脚に据えてマニュアルモードで撮影。ピントが今一なところはご愛敬。ターコイズフリンジが写せるかなぁ,せめて青っぽい色だけでも…と期待したのですが,うまく撮影できませんでした。望遠鏡で見ていると,明暗境界が緑っぽく感じられたのですが。

間もなく皆既

こちらは皆既直前の04:28頃のもの。皆既食の始まりが04:30頃ですから,本当にもう間もなくといったところ。本影の中心側がかなり暗く,黒くなっていて,適正露出を得るために試行錯誤した一枚です(得られた,ということではありません,念のため)。

半影食開始直後,ほぼ満月

最後は月食が始まった直後,02:26頃の月。半影食の開始が02:13ですから,ほぼ満月。南中を過ぎて,西に傾いてきて,蟹は逆さま,女性は仰向け,そして獅子は勢いよく跳びかからんばかりです。

2018/07/28 那覇市

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別に対抗しているわけじゃない

月火接近,皆既中の月と大接近中の火星

この日は半年ぶり皆既月食。1月の月食は厚い雲に阻まれて観望できず。明け方の,しかも月没帯食と,条件は悪かったのですが,リベンジでもありますから,準備を整えて待ち構えることにしたのです。

折しも,火星が大接近中。夜半,南の空で赤い光を放っています。会合というほどではありませんが,月の近くに位置していたので,皆既中の赤銅色になった月と一緒に撮影してみました。

今回の月食の印象は,ずいぶん暗いなぁ,というもの。光度が低いということもあるのでしょうか,皆既近くになってからは,赤っぽいというよりは黒。とても見にくくなっていました。

2018/07/28 04:42頃 那覇市

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ずいぶん 腹太い

キンバネチビトリバ

夏の午後,住宅地を歩いていると,ス~っと足元を横切る影。そのまま草むらに入ってしまいましたが,そっと覗いてみると,こちらに後ろを向けて止まっていました。すかさずTG-4で近接拡大撮影。ようやくトリバガの仲間だろうと見当が付きました。

室内に戻ってから図鑑とネットで絵合わせ同定。体色と斑紋からキンバネチビトリバだと考えられるのですが,腹部が太すぎる。倍以上の太さがあるようです。想像できるの,産卵直前の雌なのか,ということくらい。さて,どうでしょう。

2018/07/26 那覇市

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こんなところで 大丈夫なの?

キジバト,抱卵

と,思わず目を疑ってしまったところに巣を発見。

駐車場を歩いていたキジバトが小枝と咥えて飛び立ったので,これは巣作りしているなと見ていると,何と,すぐそばの植栽,高さ2m程のところに入っていったのです。

で,そ~っと近付いてみると,いました。もう一羽。まさに巣作り真っ最中だったようです。

この一枚は,翌日撮影したもの。落ち着いて座っているのは,もう抱卵しているのかもしれません。今年は台風の接近が続いたし,人通りも多いところだし,何より,すぐにも手が届くような高さ。無事に巣立ってくれるといいのですが。

まずは孵化するのを待ちたいと思います。

2018/07/20 那覇市

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出待ちで パチリ

ツチバチ科の一種

林道を歩きながら被写体を探していると,ブ~ンと羽音がして一頭のハチがやって来ました。しばらく辺りを飛び回っていたかと思うと,法面に開いた石灰岩の隙間に入っていってしまいました。穴に向かって一直線に飛び込んだ,とも言えるくらいあっという間の行動でした。

何も獲物は抱えていなかったので,すぐに出てくるだろうと,穴の辺りに置きピンして待つこと暫し。ゴソゴソ音がしてきたので,そろそろだと身構えて,何とか撮れた一枚です。

胸部から腹部を覆う黄褐色の細かな毛。複眼の前方には白い斑紋(これも毛かも)があって,脚は黒く,翅も黒褐色を帯びています。これだけ特徴的だから,絵合わせで種名もわかるだろうと思っていたら,甘かった。全くわからない。そもそも特徴的だと考えた点が全く識別点になってないという,一体あなたは誰なんだ?

太い腹部や短い触角のようすから,ハラナガツチバチなどツチバチ科の一種だろうと予想していたのですが,図鑑やネットの情報を見ると,どうもちがうようです。アナバチの方かなぁ。ハチも難しいです。

2018/07/14 渡名喜村渡名喜林道南西側

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クマ‐との遭遇

クマネズミ

島に着いて,ガイダンスを受けて,ほっとひと息。正午まではまだ時間があるし,といって食べなければ出かけられないしと思案に暮れていたところ,出会ってしまったのです。

数m先の側溝の上にネズミが出てきました。以前観察したハツカネズミに比べると,明らかに体が大きい。おぉ,ラットだぁと感動しつつ,急いでカメラを持ち出して撮影しました。

状態を持ち上げて周囲をうかがったり,地面に鼻先をくっつけてみたり,しばらく観察と撮影を続けましたが,もう少しいい角度からと欲を出して動いたら,さっと側溝の中に隠れてしまいました。

大きな耳と目,ちょっと長めの尾からクマネズミだと思われます。害獣扱いももっともな点もありますが,島のほ乳類としては,貴重な観察になりました。

2018/07/14 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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ピッタリサイズ

クサトベラを訪花するオキナワツヤハナバチ

盛夏の昼下がり,暑さと乾燥で観察できる動物も限られてしまうのですが,チョウやハチは元気に飛び回っています。護岸の陸側に生えている(植えられている?)この木のまわりにも,小さなハチがたくさん集まっていました。

この花はクサトベラ。5枚の花弁が手を広げたようになっていて,花弁が集まる元の部分が溝のようになり,そこにスッポリとハチが体を入れていました。

このツヤツヤのお腹はオキナワツヤハナバチ。これまでも何度も観察してきた種ですが,これほどピッタリとは共進化してきたのか,とも思えます。まぁ,他の植物でも普通に見られますから,そんなことはないのでしょうけれど。

オキナワツヤハナバチ

2018/07/14 渡名喜村ユブク

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花にぶーん,と キラピカ登場

午後の日程までまだ間があるというので,真夏の正午過ぎでしたが,島内散策。今回は,南へ向かってユブクまで行ってきました。陽射しは肌を刺すようですが,強い南風が吹いていて,それなりにいい感じ。あれこれ撮影しながら林道の登り口まで行ってきました。

アダンの雄花にやって来たリュウキュウツヤハナムグリ

ユブクの海岸には護岸の陸側に植栽されたかのようなアダンの群落があって,雄花が咲いていました。久しぶりの観察なので,記念&記録にと撮影していると,ぶ~~んと羽音を立てて虫がやって来ました。とまったところを探してみると,リュウキュウツヤハナムグリです。

雄花を撮影していた一枚に,とまる寸前の姿が写っていました。鞘翅を閉じて羽ばたいているのがわかりますね。

アダンの雄花にやって来たリュウキュウツヤハナムグリ

とまった後は,ゴソゴソ移動して,花序の中に頭を突っ込んでいる。こんな姿は,以前,ガジュマルに来たところでも見られました。このようにして,花粉媒介をしているのでしょうか。

2018/07/14 渡名喜村ユブク

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今度は何とか わかる…かな?

滑空するトビウオ

この日は日曜日でしたが,島の一大イベントがあったので,フェリーに臨時便がありました。このため,夕方には那覇へと戻ることができたのです。

その船上から狙ったのは,トビウオ。この時期はまだたくさんのトビウオが島の近くで観察できます。が,いかんせんコンデジでの撮影は難しい。カメラを向けても望遠側では写野に捉えきれない&合焦が間に合わない。飛沫を浴びながら何枚も撮影して,何とか魚影が写せた一枚です。

2005年にも同じようなことをしているのですが,そのときに比べれば,多少は魚の形に見えるかな,ということで。

2018/07/15 渡名喜島沖(久米商船フェリー・琉球船上から)

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こちらの渦巻き さて,どちら?

ウズグモの仲間,オキナワウズグモ,クメジマウズグモ

宮古島でのフィールドワークで覚えたウズグモの仲間。渡名喜島でも見つかりました。

だがしかし,この個体の作った渦巻き(かくれ帯),一部が壊れてしまったためか,渦の向きがよくわかりません。クモのいる辺りは分岐合流がいくつもあって,複雑。一筋縄ではいきません。もっと観察しないといけませんね。

さて,このクモの種名は何か?

こちらの掲示板の書き込みによると,渡名喜島周辺には


  • クメジマウズグモ,久米島
  • オキナワウズグモ,沖縄島
  • ミナミウズグモ,久米島・石垣島・西表島・与那国島

が分布するようです。沖縄クモ図鑑さんの情報によると,ミナミ‐は別属で網のようすもちがうみたい。では,クメジマ‐とオキナワ‐のどちらなのか。写真の絵合わせでは,属までが限界のようです。Yoshida,1981の記載論文を見ればわかるのかなぁ。内部形態を解剖して観察とかだと,無理っぽいなぁ。

ということで,軟弱にも,ウズグモの仲間,Octonoba sp.としておきます。

2018/07/14 渡名喜村渡名喜林道南西側

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襞の間隔一定の法則,なのか?

小さな白いキノコ

沖縄では珍しく,この日は徒歩で目的地へ。途中の法面で見つけたシダの群落で胞子嚢を撮影していたら,すぐそばに小さな小さなキノコが傘を開いていました。真っ白で,石突きの表面がザラザラ粒々とした感じ。すぐに撮影対象を切り替えて,いろんな角度から撮影しました。

この一枚は,下側から傘の裏面が見えるように撮ったもの。シイタケなんかと同じように襞があるのですが,おもしろいなぁと感じたのは,小さなこの種は襞の数が少なくて,間隔は大きなキノコとあまり変わらないこと。

他のキノコではどうなっているのか。気にして見たことがないのでなんともわからないのですが,胞子のサイズが種によって変わらないとすると,これを効率よく散布するために間隔が規定されるのかもしれません。

自然には,気づけば不思議なことが一杯です。

2018/07/05 那覇市

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