飛び立つ こうのとり
実際には,飛んでいるのはH-ⅡB4号機。こうのとりは,この時点では,まだ積荷です。
日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)を搭載したH-ⅡBロケット4号機は4日午前4時48分46秒,種子島宇宙センターから打ち上げられました。こちらのサイトの予報によって,沖縄県内からもロケットが見えそうだ,というので,北方が開けているのはどこかなぁと目星をつけて,白羽の矢を立てたのが,ここ多野岳,というわけです。多野岳は,沖縄にやって来た頃からお世話になっている星見場所。山頂まで車で行けて,施設も整っている,はずでしたが,なんと営業終了で,今は廃墟のようになっていました。ともあれ,きちんと整地されていて,星を見るのに差し支えない状況ではありました。
さて,問題のH-ⅡBロケット。どのように見えるのか,全く予想が立たなくて,3~4等級の光点がゆっくり動いていくのだろう,低い雲に阻まれて,よく見えないかもしれない,と思い込んでいたのです。
ところが,ところが。
打ち上げから1分ほどしてから,真っ赤な輝線がスゥっと立ち昇ってきました。マニュアルモードで絞り開放,シャッター速度最長,感度最高にしてあったので,完全に露出オーバーでした。それが,こちら。トリミングして色調補正してあります。
この後,SRBの分離もしっかり視認できて,そこから,ロケットの輝きが急速に拡大していったのです。まるで,彗星のコマのよう。大慌てで,シャッター速度を変えてとったのがこの一枚。続くショットが冒頭の一枚です。
やがて,ロケットが月の下に差し掛かる頃,SRB分離付近の噴煙が青白く輝き出しました。夜光雲になったようです。それは見事な光景でした。
こちらは噴煙の拡大。まだ地平線の下にある太陽からの光を受けているので,噴煙の高度によって,グラデーションがキレイでした。
この噴煙,かなり長時間残っていて,夜明け直前には,こんな姿に。まるで龍が天に昇っていくように感じられました。
予想以上の大きさ・明るさで,ロケット打ち上げ観望初体験は大満足でした。
2013/08/04 名護市多野岳
| 固定リンク
「12_岩石・地形,気象そのほか地学」カテゴリの記事
- 7度目の旅立ち(2018.09.23)
- 空のΩ(2018.01.16)
- 69のキセキ(2018.04.19)
- 日傘に触れる 虹色の弧(2014.08.16)
- 今年も みどり……そして,渡名喜残照,三度(2014.07.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント