« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »

その名に偽りありの キーモーです

タラマケマイマイ

タラマケマイマイ

「キーモー」はウチナーグチで毛が無いこと。「毛無」ですね。

このカタツムリはタラマケマイマイ。こちらの和名は「多良間毛」マイマイ。この仲間はその名の通り,殻の周縁に殻皮が毛のようになって飛び出ているんですが,この種には無いんですね。それで「キーモー」。決して,キモいわけではありません,と。

実に,1998年8月以来の観察で,かなりボケてますけど記念碑的に上げときます。今度,しっかり撮り直さないといけませんね。

2011/05/06 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

忘れられない 緑の輝き

今年の大野山林フィールドワークでは,これまで足を踏み入れていなかった海岸側の林分にも入ってみました。適度に管理された二次林,というのは変わらないのですが,ビミョーに生き物がちがうように感じられました。人の手の入り方が大きく影響しているとは思うのですが。

キンバト

そうして,林の中をウロウロしているときに,ふと気付いた遠くの枝先。うまい具合にこちらの方が一段高くなっていて,目線的にはそれほど上にはなっていません。

何と,キンバトです。エサを採りに地表に降りてくるので,見かけたことは何度かありましたが,いかんせん薄暗くて,まともに撮影できていなかったのです。今回は,木漏れ日のすぐそば。風が吹くと,まるでスポットライトのように日が当たります。何枚も撮影して,一番写りのいいものをトリミングのみレタッチ無しで掲載しました。

キンバト

残念ながら,尾羽が写っていないので,何とか見える次点の一枚がこちら。こちらはややボケだったのをいろいろレタッチしてみました。

2011/05/06 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

やっと会えたね,再び

ミヤコゴマガイ

今回のフィールドワークで,大きな収穫がこの一枚。活動中のミヤコゴマガイを観察できたことです。観察自体が,2004年に死殻を観察して以来のこと。触角の根元の円らな瞳(実際は目)も写せて大満足,です。

ミヤコゴマガイ,樹幹で活動中

そのようすがこちらの一枚。この中に4個体,写っているのですが,見つかりますよね。気がついたときには,こんな風に木の幹に登るんだぁと感動してしまいました。

2011/05/06 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (1)

この時期は 大活躍!?

ツマグロキンバエ

大野山林の中を通る遊歩道は,それなりに人が通るためか,外部から持ち込まれた野草が繁茂しています。その中でも一大勢力はこの花,センダングサ。

今回の観察で目についたのは,その花に集まる小さな昆虫。あちこちの群落で,たくさん集まり飛び交っていました。で,撮影してからよく見ると,ハチではなくてハエ。盛んに口吻を延ばして,吸蜜していました。

このハエは,ツマグロキンバエ。昨年,2010年5月の観察でも,花を訪れていました。この時期には,重要な花粉媒介者なのかもしれません。

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

どれがホントの名前なの???

オオバルリミノキ

宮古島に残された,もっとも規模の大きな森林の大野山林。広いだけに,その植生は一様ではなくて,場所によって,ビミョーに環境や植生が違っています。

高木層に覆われて,昼なお暗い,といった場所でよく見かけたのがこの花。葉の付け根に固まって着いているのですが,ちょっと振動を与えると,ポロッと落ちてしまう。暗い場所ですから,引き寄せてフラッシュ焚いて,と思うのですが,なかなかうまく撮影できませんでした。この一枚は,ようやく撮影できたもの,です。

この花はオオバルリミノキ。その名の通り,冬頃には瑠璃色の果実に変わるようです。それにしても,学名がハッキリとしない。ネットで検索すると,三通りの学名があるようです。ここでは,手元の図鑑が採用していたものに従いますが,三者がどんな関係にあるのかも含めて不明です。


  • Lasianthus trichophlebus

  • L. verticillatus

  • L. obliquinervis

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

赤色灯がついている

ハブもヤマビルもいない宮古島の林は,小さな子どもも安心して連れて行けるフィールドです。だがしかし,毒虫・毒草には要注意。特に,毒虫の類は,気付かぬうちに触れてしまい,後から大慌てということになりかねません。

イラガ科の一種

それで,葉裏には,よく注意するようにしているのですが,今年は写真の毛虫が大発生していました。姿形が,いかにもキケン。背面中央の赤橙色の突起が気になるのですが,とても触る勇気はありません。ドクガの幼虫かなぁ~,それともイラガかなぁ~,と思いつつの撮影でした。

戻ってからネットで検索。いつもお世話になっている,【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】によると,未だ名前がつけられていないようです。成虫写真も掲載されていません。南方から最近侵入してきた種なのでしょうか?

2011/05/05 宮古島市大野山林


| | コメント (0) | トラックバック (0)

いくら何でも あり過ぎ強過ぎ

キンギンナスビ

ぷすっ

まさに,そんな感じ。

大野山林へと続く未舗装の道。その脇に咲く白い花が目に留まったので,葉をめくってよく見ようとしたのです。何気なく葉をつまむと,指先に,先ほどの「ぷすっ」。何と,葉裏に立派なトゲ。それが,固くて長いの。どうやら,葉脈沿いに生えているみたい。よく見ると,茎だけでなく花柄にまで,ビッシリとトゲがついていました。

花と果実の様子から,ナス科だろう,ということは容易に想像がついたのですが,調べるのにちょっと手間取ってしまいました。手元の図鑑に出てないと一苦労です。

この植物はキンギンナスビ。熱帯アメリカ原産の帰化植物だそうです(でも,熱帯アメリカっていう言い方があるのか。中央アメリカではダメなのかな?)。未成熟な果実は写真のように白地に緑線。熟すとトマトのように赤くなるそうです。

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

11匹いる!

ミヤコキンカメムシ 今回の宮古島自然観察の主たる目的がミヤコキンカメムシの観察にあることは,既に述べた通りですが,成虫には出会えず終い。このような幼虫は観察できたんですけれど。やっぱり,発生時期が違っていたようです。
で,この一枚は林の中で見つけたもの。藪の中で,外からは見難かったのですが,覆い被さっている葉を除けると,孵化したばかりと思われる一齢幼虫が集まっていました。おそらく,ミヤコキンカメムシと思われるのですが,まったく別なものかもしれません。

ところが,卵殻の方が3個多い。捕食されてしまったのでしょうか,脱落してしまったのでしょうか。いずれにしろ,自然界の厳しさを感じました。

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (1)

木立の陰から そっと窺う

カラスバト

大野山林を歩いていると,いろいろな野鳥の声が聞こえてきます。その中で,ちょっと地味だが印象深いのが,このカラスバト。「ウッウー」と聞きなせばよいのでしょうか,低く太い鳴き声は,一度聞いたら忘れられません。今回も,何度も聞くことができました。

カラスバト

ところが,このカラスバト,大野山林ならどこでも見られる,ということではなさそうです。今回,初めて,より海側の林分へと足を伸したのですが,そちらでは,まったく聞かれなかったのです。林の見た感じは変わらないし,その他の野鳥は変わりなく飛び回っているし,何故でしょう?

前回,姿を撮影できたのは,2000年1月に宮古島野原岳霊石でのことでした。それから10年以上を隔てての再会となりました。

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (1) | トラックバック (0)

普段は見にくい この厚み

ハダカアツブタガイ

この日は早朝のどんよりから激しい雨に。いったん外出したものの,早々に引き上げて寝ていました。で,昼下がりには,雨も上がったので,いそいそと出掛けてきた,というわけです。

こんな時は,微小陸貝の狙い目。雨の後には木に登る種類があるのです。そんなことを気にしながら,林の中を歩いていると,いました,いました。リュウキュウマツの樹高1m程の所に,たくさん集まっています。ここぞとばかりに,撮影しまくりました。

そのうちの1種が,こちらの「ハダカアツブタガイ」。

2004年1月に撮影した時には,殻の中に引っ込んでいたので見えませんでしたが,この角度からなら,その和名の由来となったフタの厚みが見て取れます。殻(殻皮かな?)の上面が白いことは,適応的意義があるのかもしれません。

ハダカアツブタガイ

こちらの角度からは,触角の根元の円らな瞳(実際は目ですけど)がわかります。

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (1) | トラックバック (0)

丸くて深い ヘソの穴

アカマイマイ

その場所ではフツーでも,他の場所には全然いない,特産種の中にはそんなタイプの分布をするものもあります。こちらのアカマイマイもその一つ。宮古島で暮らしている時から特産だと知ってはいたものの,あまりにも普通に見られるため,さほど注意を払っていませんでした。

ところが,島を離れてから会いたくなる。

結局撮影できたのは2008年5月になってから,でした。その時は活動中だったので,殻の裏側が見えませんでしたが,今回はちょっと演出して両側を撮影してみました。右下の個体はバナナの苞葉にいた個体,そのままですが,左上側で殻の裏が見えているのは近くにいた個体を並べたものです。殻口で殻がたいへん薄いこともわかりますね。

2011/05/05 宮古島市熱帯植物園

| | コメント (1) | トラックバック (1)

裏側世界を 次々と

ハグルマノメイガ 今回の宮古島大野山林でたくさん見られたのがこの蛾。

現地では,ヒトリモドキの仲間かと考えていました。

この蛾が足元からパタパタと飛び立って,ちょっと離れた草陰に隠れる,ということの繰り返しでした。で,撮影しようとするのですが,かなり敏感で,近づくと跳んで行ってしまう。止まるのは,低い草丈の葉裏が多くて,カメラを構えられない。何度も観察できたのですが,撮影できたのはこの一度のみでした。


この時は,たまたま,大きなクワズイモの葉裏に止まったので,ちょっと離れたところから狙うことができました。この蛾はハグルマノメイガ。九州以南,中国・アジア・アフリカまで。かなり広く分布するようです。まぁ,フツーの種なんでしょう。

和名の「ハグルマ」は,やっぱり「歯車」のことですよねぇ。翅の放射状の模様を見立てたのでしょうか?

2011/05/05 宮古島市大野山林

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一つ手前の

ミヤコキンカメムシ幼虫 今回の宮古島,自然観察の目的の一つが,最近知った「ミヤコキンカメムシ」の撮影。宮古島産の固有種,固有亜種,あるいはミヤコの名を冠した生き物が続々記載されてる感じがします。ずっとアンテナ張ってるわけではないので,ふとしたキッカケで知ることになるんですが,なかなか撮影に行く機会が作れずにいたのです。
で,観光の後立ち寄った食堂の駐車場で発見。でも,周りをいくら探しても,この一個体だけでした。まだ成虫になっていないんですよねぇ。一応記録,のつもりで撮影しておいたのですが,結局,成虫には出会えず終いでした。後から調べると,成虫の発生は秋口になるようです。う~ん,秋に宮古に渡る機会は当分作れそうにありません。また,憧れが一つ増えました。

なお,美麗な成虫写真はこちらでどうぞ

2011/05/04 宮古島市平良狩俣

| | コメント (0) | トラックバック (1)

五つというより 九つみたい

イツホシシロカミキリ背面観

昨年に引き続き利用した宿泊施設は,周囲をぐるりとキビ畑に囲まれています。そこに常夜灯があるのですから,それはそれはたくさんの虫たちが集まってきます。ナトリウムランプのオレンジ色なんですけれど。

その中で,1頭しか見つからなかったカミキリムシ。1頭のみということもあるので,光に誘われてきたのか,たまたまなのか,そこは不明なのですが,翌日,翌々日になっても直ぐ近くにいたので,おそらく,偶然なのかも知れません。

さて,その姿。鞘翅根元の大きな斑紋が特徴的です。白とオレンジに塗り分けられているみたい。そこに4対の小白斑があって,合計九星に見えるのです。

だがしかし,和名は「イツホシシロカミキリ」。頭部の小白斑は複眼なので別扱いは仕方ないとしても,胸部にも明確な斑点があるのになぁ。鞘翅のみに注目しているのかなぁ。などなど命名由来について思いを巡らせました。

イツホシシロカミキリ側面観

イヌビワやガジュマルに来るそうですから,探せば見つかる種類なのかも知れません。

イツホシシロカミキリ含触角

201/05/04・06 宮古島市下地皆愛

| | コメント (0) | トラックバック (0)

こんな色も あるんだね

ハマボッス 昨年に続き,今年の大型連休も宮古島へと行ってきました。家族サービスが主たる目的ですので,自然観察には充分な時間がとれないのですが,それでも趣味に走っていろいろ撮影してきました。しばらく宮古ネタを続けます。
で,一枚目は,こちらのハマボッス。

全国の海岸に分布するフツーの海浜植物です。たまたま,この場所でピンク色の花を着ける株が目についたので撮影してきました。渡名喜島では白色の花序を紹介してあります。

2011/05/04 宮古島市平良狩俣

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年4月 | トップページ | 2011年6月 »