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雲間に浮かぶ 食された月

20100626部分月食

昨日は部分月食。今年3回起きる月食の2回目でした。食分はさほど深くないのですが,月の出直後から観望可能とあって,かなり話題になっていたようです。とはいえ,梅雨真っ直中の県外各地では,大雨で,それどころではないというところも多かったことでしょう。

さて,低い高度で観測できた今回の月食,星景写真風にしてみました。南から流れてくる積雲の列と高層の薄雲越しに見る欠けた月です。

拡大画像はこちら。普通の半月に比べると,明暗境界線付近がまったく違っているのがわかります。入射角が90°違うのですから,当然といえばそれまでですが。

20100626部分月食

2010/06/26 那覇市

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ここには住んでいないハズ…

とはいえ,これが一番「それらしく思える」もので。

ナミスジエダシャク?

5月の大型連休に訪れた宮古島。サトウキビ畑の中のショッピングセンターは,夜になると巨大な誘蛾灯。たくさんの虫が集まってきていました。この一枚も,自販機のそばで見付けた蛾です。直ぐにシャクガだろうと見当は付けたのですが,それからが難しかった。

同定,といっても図鑑で絵合わせ,という作業なんですが,ピタリ!と思える種がいない。1ヶ月以上迷った末の,暫定的な結論です。

この蛾は,ナミスジエダシャク。いつもお世話になっている【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】にある【成虫写真5】の個体が,とてもよく似ているのです。だがしかし,分布域に沖縄県は含まれていない。まして,宮古島ですから…。

ショッピングセンターということもあるので,移入されてきた,という可能性もあることはあるのですが。

2010/05/01 宮古島市平良久貝

コメント欄にあるように,服部さまからのご指摘により,正体が判明しました。

オオトビスジエダシャク, Ectropis excellens のようです。

ご指摘ありがとうございました。

それにしても,エダシャク類もムズカシイ。

2010/09/13 追記

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夜に飛ぶもの

夜に歩くは,私たち,と。

イエシロアリ

で,飛んでくるのが,こちらの虫。梅雨の最中のこの時期,雨上がりの蒸し暑い晩に起きるのが,シロアリの群飛。

と思っていたのですが,種類によっては,もっと早い時期の昼間に起こるものもあるようです。

さて,こちらの種類は,イエシロアリ。南日本の海岸沿いでは,ごく普通の種類のようです。恐ろしいのは,「被害は激烈」なんて書かれていること。これまでも,いろんな施設で群飛に出会い,たくさん室内に入ってきていたのですが,大丈夫なんでしょうかねぇ。

翅を落としたあとの姿はこちら。

イエシロアリ

2010/05/20 那覇市末吉公園・森の家みんみん

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三竦み,ということではないが

ベニシオマネキの三竦み

高密度で多種共存が成り立つと,いろんなことが起こります,という例。

木道が整備されて,自然観察に好適な川満マンガル。木道の下にはベニシオマネキが集団で生活しています。種内の関係も興味深いのですが,こちらは,種間の関係です。

巣穴を守るベニシオマネキに別種のカニが近づいたところ。お互い牽制しあって,微妙な動きでした。直ぐ側に小さなカニ(おそらく未成熟なベニシオマネキ)もいて,この距離感が三竦みを思い出させてくれました。

2010/05/04 宮古島市下地川満

「別種のカニ」としてしまいましたが,その後の調べで,フタバカクガニ,Perisesarma bidens ではないかと。眼窩外歯が2つに見えますので。

2010/06/20 追記

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疑惑の同定

キイロカミキリモドキ? いろいろ迷ったのですが,もう一月経ったことですし,暫定的にこれで,ということで。

宿のオレンジ色の外灯にたくさん集まっていた甲虫です。自分自身も複眼以外は全てオレンジ。体型から,カミキリモドキかゲンセイか,と悩んでいたのです。

で,暫定的にキイロカミキリモドキ。

この種は,県内には分布せず,リストにも載っていないのです。また,腿節や触角の基部が黒褐色を帯びる点も違っています。こちらのサイトの写真がソックリなんですけど。東京・赤坂産だそうです。

2010/05/02 宮古島市下地皆愛

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いろいろ迷った末のこと

オキナワカミキリモドキ 大型連休から,既に一月半。この間,折にふれ図鑑を眺めたり,リストを見たり。ネットで検索も繰り返していたのが,この昆虫。姿形から,カミキリモドキかなぁと見当は付けたのですが,そこから先が…。決め手に乏しいのですが,エイッと決めてしまいます。

オキナワカミキリモドキ,じゃないかと。こちらのサイトによく似た写真があるのです。

宿の外灯はナトリウムランプのオレンジなのですが,この色がお気に入りなのか,灯りの下に,ビッシリと集まっていました。外見の特徴は,ビロードのような鞘翅。黒・灰・緑の何れとも言い難い微妙な色合いです。

オキナワカミキリモドキ 側面からフラッシュを焚いたこの構図では,鞘翅の表面に細かい毛が生えているかのように見えます。

カミキリモドキ類の体液が皮膚に付くと炎症を起こすそうですから,迂闊に触らなくてよかった,と思います。

2010/05/01 宮古島市下地皆愛

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茶色がどうも

ツツサルハムシ? この体色が,決断をためらわせるのです。

林の中の遊歩道,ほとんど人が通らないのか,道の真ん中まで草が茂っています。その葉に食痕があったので,めくってみると…,案の定いました。

で,すかさず撮影したのが,この一枚。


姿形からすると,ツツサルハムシのようです。こちらは,渡名喜島で観察した青緑色の個体。でも,体色が…。

ツツサルハムシ?

図鑑によると,「赤銅色のものもいる」とのことですので,暫定的に,これで。

2010/05/02 宮古島市大野山林

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白いアイライン

膜翅目(ハチ目)の一種

撮影したときは,これだけ特徴的な色彩だから,直ぐに同定できるだろうと考えていたのですが…,甘かった。

勤務先の花壇で何か被写体はないかと視線を落とすと,案の定,小さなハチが飛んでいます。留まったところは,草陰だったのですが,そーっと近づいてパチリ。盛んに触角を動かしていたので,そこはブレてしまったのですが,特徴は捉えられたかな,と思います。

で,種名ですが,これがわからない。膜翅目(ハチ目)の一種としておきます。

手元にある昆虫図鑑には膜翅目の掲載が少ないのです。触角の白色部,複眼を囲む白線,胸部の白斑,赤褐色の脚と手がかりはたくさん,と思ったのですが。

フラッシュを焚くとこんな感じ。
後ろ脚を上げているのは翅のお手入れのようです。

膜翅目(ハチ目)の一種

2010/06/04 浦添市屋富祖

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男たちが 車座になって 飲んでいる

スジグロカバマダラ

宮古島では,かつて,そんな場面を見ることもあったかな,と。

この時見かけたのは,ご覧のチョウたち。農道から海岸へ降りる小道沿いの草むらで,数頭のスジグロカバマダラが集まっていたのです。影になっていて,わかりにくかったのですが,刈られたモンパノキの切り口に口吻を伸しています。

これはオモシロイ,と撮影したのですが,あと少し,と近づいたところで一斉に飛び立ってしまいました。

帰ってから調べてみると,どの個体にも後翅に特徴的な紋があります。これは,オスだけに見られる性斑といわれる模様だそうです。ということは,ここでこうしていたのは,オス個体だけ,のようなのです。

一杯ずつ回していた,ということはないでしょうけれど。

2010/05/04 宮古島市下地与那覇

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後方警戒中

ベニシオマネキ 今回の宮古島滞在では,これまで余り使うことのなかった“下地線”(国道390号下地-平良間)をよく通りました。それで,川満マンガルの存在に気付いたわけですが,観察用の木道に降りて直ぐ,これはいるな,と目星が付いたのがこのカニ。

ベニシオマネキです。

マンガルの一番陸側に分布しますから,それだけ観察しやすいんですよね。この場所でも,木道沿いにたくさん見ることができました。


たくさんいれば,それだけいろんな場面に出会います。この一枚は,背後から忍び寄る個体をしきりに警戒しているところ。微妙なステップで,互いに牽制していました。

前回の沖縄本島産の観察では,背面からの撮影でした。今回の角度からは,鋏脚の色彩がよくわかります。後ろ側の個体は甲羅の一部に青い斑紋がありますが,ベニシオマネキという名前とは裏腹に,珍しいものではないようです。

2010/05/04 宮古島市下地川満

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微小でマイナー=手が出ない

双翅目の一種♂?

被写体を求めてウロウロしていると,どうしても出会ってしまう微小昆虫。

多くはハチやハエの仲間,と思われるのですが,何しろ小さくて,しかも動き回るので見極めにくい。地味で,特徴もよく知らないので,なかなか撮影しようという気持ちも起きにくいのです。

そんな,小さな虫ですが,胸部の赤がとても印象的だったので,ついつい撮影してしまったのが,この一枚。頭部のようすから,ハエの仲間かと思われますが,詳細は不明ですので「双翅目の一種」としておきます。

双翅目の一種♀? この後,林の中を歩き回っていると,別な場所で,このような個体を見つけました。先ほどの個体に比べると,腹部が大きく,しかも,腹端に何か付いている。翅は千切れているし,頭部も小さめのような。メス,なのかもしれません。
暗がりでの撮影なので,ブレ気味なのはご容赦,ということで。

2010/05/02 宮古島市大野山林

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腰は青くて,目では離れて

アオモンイトトンボ

雨も降り止まないし,帰りの飛行機の時間もあるしなぁ,と引き上げてきた,まさにその時見つけたトンボ。マンガル観察用の木道のずっと下で,雨宿りでもしているようでした。

このトンボはアオモンイトトンボ。いわゆる普通種です。

この角度からは,腹部各節前縁に青色斑がないこと,眼後紋が離れていること,といった本種の特徴がよくわかります。腹部第1~2節が青いことも辛うじてわかりますね。6年前の撮影に比べると,ずいぶん鮮明に捉えられました。メス個体はこちらをご覧ください

2010/05/04 宮古島市下地川満

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