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灰色の目 に,ご注目

正しくは,眼柄という部分ですが。

ヤエヤマシオマネキ

オカミミガイの仲間を求めてやってきた,漫湖のほとり。でも,そんなに簡単には見つからない。足回りの準備が不充分で,干潟に降りられなかったこともあります。

その,降りるのを断念した理由がこれ。ヤエヤマシオマネキです。こちらのページで解説されているように,この種は比較的軟らかい底質を好むのです。

通行量のとっても多い橋の下で,かなり大きな個体群が見られました。サイズもいろいろだったので,擬個体群ではなくて,この場所で新規加入も見られるのではないか,と考えられます。

これまで紹介したUca 属は,


  1. オキナワハクセンシオマネキ 沖縄島大嶺海岸

  2. ルリマダラシオマネキ 沖縄島大嶺海岸

  3. ベニシオマネキ 沖縄島慶佐次


があります。ヒメーを撮影しないといけませんねぇ。シモフリーを見られるチャンスがあるでしょうか?

棚を吊って,牡丹餅を待つことにします。

2009/08/22 那覇市漫湖

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だいぶ ピンぼけ

とはいえ,ようやく満足できる一枚になりました。

カワセミ

県都那覇の真ん中に広がる漫湖はラムサール条約にも登録された野鳥の楽園です。でも,わたしの関心はマンガルで暮らすベントスたち。特に,オカミミガイの仲間を探したいと思ってやってきたのです。当然のことながら,視線は足元に…。そんな時に,直ぐ近くから飛び立ったのがこの鳥,カワセミだったのです。

慌ててレンズを向けるのですが,既にこちらを警戒していて,中々近づくことができません。藪越しに,どうにか撮影した一枚です。手前の枝に合焦してしまっているのが悔しいところ。でも,まぁ,なかなか巡ってこないチャンスですから,記念の一枚ということで。

2009/08/22 那覇市漫湖

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こちらの方が 自然な 色合い

シュリケマイマイ

この夏から,度々訪れるようになった知念城跡。国道からもこんもりとした森が見えます。典型的な石灰岩残丘なのでしょう。駐車場からコンクリで階段や遊歩道が整備されているのですが,琉球石灰岩の急崖に無理矢理くっつけたような所があって,そんなワイルドなところも趣があります。

で,こんな場所で観察されるカタツムリといえば,このシュリケマイマイです。前回は糸満市での観察を紹介しました。こちらのオオカサマイマイと同様に,透けて見える外套膜の模様が放射状になっているのがオモシロイと思います。

2009/08/22 沖縄市知花城跡

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ミニマム限界

クロホシテントウゴミムシダマシ カタツムリを求めてやってきた,雨上がりの城跡。雨のためか,それとも時間帯のためなのか不明ですが,林の中はとても静かで,鳥の気配やセミの声も聞こえてきません。

で,例によってカメラを手にウロウロするのですが,そうして見付けたのがこの昆虫。以前,糸満市で観察したクロホシテントウゴミムシダマシです。上段はいつものデジカメ・マクロモードで,下段はデジタル顕微鏡Vitiny VT-101で撮影しました(同一個体です)。


デジカメの方は色のバランスや解像度が自然な感じです。それに対して,デジタル顕微鏡では触角の節や複眼もしっかり識別できます。けれども,色合いが,とてもヘン。jpeg圧縮の関係なのか画像もたいへん荒くなっています。そして,何より,強い照明から逃げ回るために視野で合焦するのがとても難しい。やはり,使い道を選ぶ道具のようです。

クロホシテントウゴミムシダマシ交尾

別な場所では,交尾している個体も観察できました。こちらは,デジカメで撮影後リサイズしていません。色合いはともかく,微細な部分はデジタル顕微鏡には敵いませんね。

2009/08/22 沖縄市知花城跡

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今度は 近くから

オオカサマイマイ

どんなカタツムリと出会えるかなぁとやって来た知念城跡。人の手が入りながらも,適度に放置された環境は,自然観察にぴったりです。

このカタツムリを見つけたのも,遊歩道の直ぐ側で倒木が朽ち果てていたところ。コンクリの支柱にも,何個体か付いていました。

橙褐色の殻が美しいこの貝は,オオカサマイマイ。この角度からは,長い触角が黒く見えます。以前,糸満市で観察したときは,遠くから望遠でとらえるのが精一杯でした。今回は,直ぐ近くでマクロ撮影できました。

オオカサマイマイ横から見ると

この貝,横から見ると,ご覧の通り。とても平たく巻いています。しかもエッジが効いていて,なかなかカッコイイと思うのですが,どうでしょう。生きている間は,外套膜の黒帯が透けて見えて,それが放射模様になるところもお気に入りです。

2009/08/22 沖縄市知花城跡

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腹から 飲みます

ヒトツモンイシノミ この日は所用で沖縄市へ。用事が終わると,もうお昼。食事を済ませてから,ちょっと足を伸ばして,知花城跡へとやって来ました。午前中,通り雨があったようなので,もしかすると,いろんなカタツムリが観察できるかな?と考えたのです。
で,出会ったのが,この昆虫,ヒトツモンイシノミです。階段の手摺を支えるコンクリート柱にたくさん付いていました。前回まったく見られなかったのは,やはり降雨と関係ありそうです。見た目はシミと姿が似ていますが,系統的にはまったく別のイシノミ目というのがあるそうです。

昆虫の中でもとても原始的なこの仲間,寿命がやたらと長いとか,吸水は口からでなく腹部裏面からであるとか,いろいろ不可思議な点があるようです。同定には,こちらのサイトを参考にさせていただきました。

2009/08/22 沖縄市知花城跡

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狭い ギザギザ

アヤムネスジタマムシ

以前とはすっかり様変わりしてしまった観察場所ですが,そのお陰で出会えた,と思えるものありました。

工事の残土がそのままになっているのか,道端のあちらこちらに盛り土があります。このため,道沿いはすっかり明るくなってしまいました。そこへ飛んできたのがこの虫。以前だったら,木の葉の影に入ってしまい撮影も難しかっただろうと思います。

金緑色に輝くこの虫はアヤムネスジタマムシ。以前紹介したアオムネスジタマムシとは,姿も名前もソックリです。識別点の1つが前翅先端部の縁取り。こちらのアヤムネスジタマムシの方はギザギザの間隔が狭いのです。アオムネスジタマムシの方は,その名の通り,緑色が強いって事もあるんですが,アヤムネスジタマムシの黄緑(金緑)色は,翅そのものの色ではなく,表面に粉のようなものが付いているだけなので,擦れば取れてしまいます。変わらぬ点を見つけるのが大事ってことですね。

2009/08/18 南城市大里・真境名

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角度を変えると 見えてくることもある

イワカワシジミ

この日やって来たのは,人里離れた(?)山の中。養鶏場に沿って未舗装の道が続きます。道沿いは林が迫っていて,生き物観察に中々適した場所なのです。

そんな場所で見つけたのが,この蝶。イワカワシジミです。留まっているときにチラリと見えた表(内)側に輝くような青い紋があったので,この個体はオスだろうと考えられます。

で,やっぱり 交わってるなぁと思いながら撮影していると,ふと気付いたのです。後翅の黒点が角度を持っていることに。

これまで,撮影の時は翅の紋様がよく見えるようにできるだけ真横からレンズを向けていました。ところが,この写真の角度から見ると,この黒点部分が外側に向けて折れ曲がっているのがわかったのです。尾状突起が触角で,黒点は複眼の擬態になっていて,捕食者を惑わす効果があるという話は聞いていました。こうしてみると,黒点が横に張り出すことで,より一層頭部らしく感じられます。

これで後翅を摺り合わせ,尾状突起を動かすと,本当にこちらが前のようです。ここまで来るのに働いた自然選択に感心させられました。

2009/08/18 南城市大里・真境名

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今が 盛りか

クロツバメ

この日は,久し振りに本島南部で生き物観察。お目当ての場所は開発されてしまって,今一つだったので,ちょっと足を伸ばして志喜屋までやって来ました。この場所は湧水とそれに続く水田がコンパクトにまとまっていて,ステキな観察場所でした。ところが,こちらの場所も様変わり。クレソンが栽培されていた水田は耕作放棄されたようで,すっかり乾燥が進んでいました。う~ん,ちょと寂しいフィールドワークになりました。

さて,そんな中で何頭も観察できたのが,写真の蛾。クロツバメです。こうして留まっているとわかりませんが,飛んでいるときは,後翅が後方にたなびいて,それが,ツバメのように“も”見えました。

生きている個体だけでなく,もう死んでいるもの,クモの巣に懸かったものも見られました。ちょうど今が羽化の時期なのかもしれません。

2009/08/18 南城市知念・志喜屋

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入り口だけで 出口なし

訳あって,VT-101を入手しました。ということで,これから,いろいろ撮影してみようと思います。まずは手始めに,こんなものを試してみました。

ガジュマルの花序

これは,ガジュマルの花序。カッターで半分にした断面を撮影しました。属名のFicus は,イチジク属ということですから,花序がそっくりなのも頷けます。

写真上部の開口部からイチジクコバチの仲間が入ってくることにより受粉が成立するんだそうで,もしかすると内部に蜂がいるかも,と期待して撮影したのですが,観察できませんでした。次の機会を待ちたいと思います。

2009/08/17 浦添市

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馬にならずに虎になる

琉球犬

それは,やっぱり,肉食だからかな?

沖縄こどもの国は「こどもの国」としては唯一の動物園併置施設なんだそうです。そして先進的な取り組みとして在来家畜の飼育展示に力を入れているんだとか。その一環として,犬,ですね。

でも,この犬,琉球犬は,沖縄県指定天然記念物なんですから,ただの犬(そんなモンがあるのか?)とは違います。詳しくは,こちらの解説を参考にしていただくとして,ここでは縞模様に注目。

シマーに続く動物は,断然ーウマだと思うのですが,この毛色の犬は「トゥラー」って呼ばれていたんですね。タスマニアでも縞模様の肉食有袋類を「タイガー」って呼んだんですから,同じ発想です。

何にせよ,ちょっと内気なこのウメちゃん,ふれあい広場で会えるそうですから,ぜひ,こどもの国に行ってみましょう!

209/08/05 沖縄市こどもの国

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三つ目が目立つ この角度

オキナワツヤハナバチ

といっても,昆虫ですから,単眼ですね。たまたま,光線の加減で単眼の突出部に影ができて,その並びがよく判るように写せました。

このハチは,オキナワツヤハナバチ。これまでにも,渡名喜島産沖縄本島南城市産久高島産の個体を紹介しました。夏の昼間には観察しやすい種類なんですね。

2009/08/08 読谷村渡具知

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ハッキリとした ○印

コハンミョウ 石灰岩の露頭を探して,普段余り訪れる機会のない地域をウロウロ。道端にステキなコーラル舗装があったので,車を止めて撮影していました。

すると,足元を動き回る黒い影。何とハンミョウです。当然,コーラルは二の次。生き物撮影です。この場所,抜け道になっているらしく,かなり通行量があります。何もない開けた場所で中腰になり,路面にレンズを向けている。か・な・り アヤシイ姿です。


このハンミョウは,コハンミョウ。これだけしっかりと鞘翅腹端側の円紋が見られれば,迷うことはありません。以前紹介した宮古島産渡名喜島産のカットと違い,背面から撮影できたので,その特徴がわかりやすくなったと思います。

2009/08/08 読谷村字座喜味

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バットの親指

オオコウモリの後ろ肢 親指というよりは,6番目の指なんですが。

飼育員にオリイオオコウモリを見せて頂いたときに気付いたもの。オオコウモリは尾が未発達で尾膜が貧弱なんだそうです(小型コウモリ類に比べると)が,それでも膜はあります。その膜を支えるように,何か突起が出ていたのですね。触ってみると,コリコリしていて,いかにも軟骨っぽい。ということで,このタイトル。


もっとも,後ろ肢ですから,親指ではなくて拇指ですね。

2009/08/05 沖縄市こどもの国

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玉虫色は ハッキリしない

タマムシ;自然光で

集合時間に間に合うだろうかと,ちょっと慌てて道を急ぎます。とはいっても,目線は常に被写体を探して,あちこち宙を彷徨います。端から見れば,きっと怪しいヤツに見えるのでしょうね。

そうして見付けたのがこの虫,タマムシです。道ばたの枯れ木の上を歩き回っていました。しかし,その落ち着かないこと。止まっているところは太い幹なのですが,飛び立つこともなく,ぐるぐる回ったり,上へ下へと忙しく動き回っています。昼過ぎの時間帯ですから,見上げるようにカメラを構えると逆光気味になって,余り上手く写せませんでした。この一枚は「玉虫色」がよく出ているかな,というもの。フラッシュを焚いたら,こんな写りになってしまいました。

タマムシ;フラッシュで

次の機会には,ぜひ,見下ろす視線で撮りたいものです。

2009/08/05 沖縄市こどもの国

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この姿勢では 辛すぎる

オリイオオコウモリ

というのは,もちろん撮影者のこと。被写体の方は,そんな事情などどこ吹く風。これが一番自然な姿なのでしょうから。

沖縄の夜空を飛び交うオオコウモリ。これまでも,幾たびも撮影を試みていたのですが,如何せん夜に動き回っているものは撮影しにくい。今回は,たまたまひくい所で休息中の個体を見かけたので,カメラに納めることができました。できるだけ近づいて,ということは,ほぼ真下から見上げる形。昼過ぎの高い日差しが逆光になって,構図も露出もいいカットが撮れません。数打ちゃ方式の中から選んだ一枚です。手足の指がハッキリ判る,と思って選んだのですが,リサイズしたらイマイチになってしまいました。

このコウモリはオリイオオコウモリ。クビワオオコウモリの亜種という位置づけです。県内では町中でもよく見かけるのですが,県版RDBでは準絶滅危惧に位置づけられています。いつも見ていたものが,気付いたらいなくなっていた,なんてことにならないように,きちんと見守っていきたいですね。

2009/08/05 沖縄市こどもの国

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一年ぶりの評価

久しぶり評価してもらったら,年齢が一気に6歳もアップしていました。

これは,喜んでいいのやら,嘆くべき出来事なのか,う~ん。

マメ度が下がるのは仕方ないとしても,主張度が2つも落ちたのは,ちょっと納得いかないかな。それほど内容を変えたつもりはないのですが。

で,結局目指すべきは,漁業だそうです。にしても,SSの知識って,何だ?

ブログ通信簿

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ちょいと地味目の トリコロール

平安座島の露頭 とある講習会で,やってきました与勝三島。昨年見付けきれなかった露頭を巡ります。最初の観察ポイント,写真の露頭からして,こんな所を通るなんて予想外です。自分一人では見付けられないはずです。

この場所からは,最上部に黒褐色,その直ぐ下に黄白色,最下部に灰白色の地層が観察できました。


上部二層には近づくことができないのですが,見た目では上が石灰岩,中は砂岩のようです。最下部の地層は崩れているところがあって,しっかり観察できました。この層は,非常に細かい粒子からできている泥岩です。二枚貝や巻き貝の化石がたくさん含まれていました。写真は,ホタルガイかな?と見えたもの。摘もうとしたら,ポロリと落ちてしまいました。どんな時にも採集用具を持ち歩かないといけませんね。

泥岩中の貝化石

2009/08/03 うるま市平安座島

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このサイズまでは 大丈夫?

ナハキビ

思いつきで立ち寄った知花城跡。陸貝の産地として,記載論文に度々登場するので,一度訪れてみたいと考えていたのです。とはいえ,全くの思いつきなので,どうにも準備不足。虫除けがないのは痛かった。

それでも,こんなものが見つかります。遊歩道(階段)に設けられた手摺の支柱についていた,小さな小さなカタツムリです。下に写っているのがわたしの人差し指ですから。でも,このサイズでも,目に留まるんです。

で,問題は同定。キビガイ類だろうということは,現場ですぐに判ったのですが,そこからが難しい。まぁ,一般的な種だろうということで,ナハキビとしておきます。かなり根拠薄弱ということで。

2009/08/01 沖縄市知花城跡

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線が消えても 帯目立つ

オオトモエ

博物館のハシゴと決め込んだこの日,移動の途中でフラフラと緑濃い城跡に立ち寄ってみました。準備不足で防虫対策が不充分。蚊の群れを気にしながらの撮影でした。

国道沿いの場所ですが,拝所になっていたり文化財になっていたりと,いろんな意味で保護されているためか,自然観察にはバッチリの場所です。さすが,陸貝の産地としていくつもの論文に出ているだけのことはあります。

で,撮影できたのはこの蛾。足元から飛び立ったところを追いかけて,藪の中にそ~っとカメラを差し込んで撮りました。ハブの心配もありますからね。

この蛾は,オオトモエ。「大巴」なんでしょうね。前翅の巴紋が目立ちます。でも,野外では横一文字になった白帯が周囲にとけ込んで,かなり効果的な保護色になっていました。県外の産地では,この白帯の前部に明瞭な白線があるようです。それを踏まえると,白帯というより明帯という方がよいのかもしれません。

2009/08/01 沖縄市知花城跡

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