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オレンジ頭に 黄色いライン

ミヤコリンゴカミキリ 梅雨入りを迎えた宮古島は,夕方から雨の予報。それでも,とフィールドに出たものの,ポツリポツリと落ちてくると気持ちが萎えてしまいます。足早に歩いては,小さな被写体に気が付かないし,かといってジッとしていては,カメラまで濡れてしまう。そんな時に見つけたのが,このカミキリムシ。
頭上の葉裏に一頭が止まっていました。カミキリは同定が難しいんだよなぁ~などと思いながら,レンズを向けると,ぶ~~んという羽音。何ともう1頭飛んできて,すぐ側に止まったのです。そして,あれよあれよという間に交尾。全く動かなくなってしまいました。

そこで,ここぞとばかりに左右正面から何枚も撮影させてもらいました。その中でも,このカットが一番特徴を表わしているように見えます。黒褐色の鞘翅は会合部がややうすく,黒い複眼と触角をのぞいて全身がオレンジ色。あとから図鑑で調べてみると,どうやら,ミヤコリンゴカミキリのようです。よく似た近縁種が県内各島に分布していますが,いずれも頭部が黒。宮古特産の美しいカミキリムシですね。

2008/05/22 宮古島市大野山林

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千本までは 無いけれど

イヌセンボンダケ
梅雨入りということもあって,薄暗くなった森の中をさまよっていると,足元に白く輝くものを見つけました。何だろうと近寄ってみてみると,これがキノコ。倒木に小さなキノコが群生していたのです。陶磁器のように真っ白な傘が,辺りの僅かな光を反射してキラキラと光っているようでした。思い切り近付いて,地面スレスレから煽るように撮影してみました。

このキノコは,イヌセンボンダケ。「イヌ」というのは,役に立たないものといった意味で使われる定番の接頭辞ですね。「センボン」の様子はこちらをご覧ください。この角度からは見えないのですが,傘の天辺が薄茶色に色付いていました。時間が経つとこのように全体が色付くそうですから,いい時に出会えたのかもしれません。

2008/05/22 宮古島市大野山林

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名前だけは 北上してきた

ミヤコゴマフカミキリ

カメラを持って,ウロウロしていると,まさに「棒に当たる」ようにして被写体に出会うことがよくあります。この時も,撮影を終えて引き返してきて,それでもと思い集落外れの畑へ。農道脇の茂みで見つけたカミキリムシです。

その大きさからくる重厚な感じとパステルっぽい色彩のギャップが印象的です。ゴマダラカミキリの仲間かな?とも思ったのですが,どうやら違っていたようです。よく見れば,触角の長さや斑紋など,全く違っていますね。

この虫は,ミヤコゴマフカミキリ。基亜種はヨナグニゴマフカミキリというそうです。別亜種にイシガキゴマフカミキリというのがいて,宮古諸島産が本亜種。ここら辺の事情はカミキリムシの和名変遷に詳しく載っています。

さて,印象的なこの色,なんて呼ぶのか調べたところ,sandybrown #f4a460;■■■が近いようです。いろいろ調節すると,わたしの環境では#f4a460;■■■がいいように見えるのですが,どうでしょう。

2008/05/22 宮古島市城辺福里

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緑の中に 星2つ

コンロンカ
梅雨の初めに訪れた,宮古島最大の二次林,大野山林。その林相は様々なのですが…如何せん華がない。わたしの身長で届くような所には,花も咲いていないので,なかなか被写体が見つかりませんでした。

そんな中でようやくであったのが,このコンロンカ。気が付けば,いくつもの株が花を付けているのですが,どれも頭上。しかも,花の時期をやや過ぎてしまっているようです。林の中をウロウロしながら探し回り,何とか撮影できたのがこの花(というか花序)なのです。

以前紹介したときとは異なり,花序の正面(やや上面)からの撮影なので,その様子がよく判ります。白い萼片には,葉脈もしっかりとあって,ほとんど葉ですね。

2008/05/22 宮古島市大野山林

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ハンターの目線

クロサギ

退勤後のちょっとした時間,日没までにはまだ少しあるぞと思い立ち,近くの海へ。といっても,そこは悲しき都市生活者。移動は車でとなってしまいます。ともあれやって来たのは空寿崎。地元では「カーミージー」と呼ばれています。まぁ,日もだいぶ傾いてしまったなぁ,などと思いながら,足元のカニなどを撮っていると,視野の端で何やら気配が。

岩一つ越えた潮だまりで,クロサギが,何かを狙っているのです。と,こちらはそのクロサギを狙って,ひたすらシャッターを押しまくりました。これは,その中で何とか見られる一枚です。冬に撮影した個体に比べると,嘴が黒いのですが,図鑑によると季節変化というよりも個体変異のようです。

2008/05/24 浦添市空寿崎(カーミージー)

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急いでなくても ごっつんこ

アカマイマイ
所用で訪れた宮古島。用事が済んだらそそくさとフィールドに足を運ぶのは毎度のことです。で,今回は島に残る最大の二次林,大野山林へとやって来ました。朝から鉛色だった空が,ついに耐えきれず降り始め,とうとう梅雨入りとなった一日でした。

お陰でやっと出会えたのが,このカタツムリ。宮古群島特産のアカマイマイです。螺塔が低くて上から見ると平巻状。でも,ひっくり返すと臍孔が大きく開いているのが特徴です。この個体は直径2cm程で,まだまだ未成熟。殻口の反転肥厚が見られませんでした。

クワズイモの上を移動中,アリが近付いてきたところを撮影しました。

2008/05/22 宮古島市大野山林

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入れる前には しっかりチェック

公園で花の写真を撮影していると…

トゲオオハリアリ

足元を大きなアリが歩き回っています。トゲオオハリアリのようです。すぐ足元に巣穴があったのです。穴の中では門番役でしょうか,一匹のアリが外の様子を窺っています。と,歩き回っていた一匹が,巣穴に近付いてきて,暫くの間,あちこち触られるようにチェックを受けてから,中へと入っていきました。

ヒトに限らず,社会性が発達すると,似たようなことが必要になるのかもしれません。などと,いろんな事を考えてしまいました。

2008/04/29 那覇市末吉公園

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何故に雷

カミナリハムシ
連休中の動物園は,家族連れでいっぱいです。もちろん「動物」がお目当てなのですが,それは哺乳類に限定されていたりするのが,ちょっと不満。で,植栽の中も物色してこんな写真を撮影するのです。

人々が足早に通り過ぎる,展示の無い通路といったところで見つけた甲虫です。青緑色の光沢が印象的でしたが,何しろ小さい。この時は常用のカメラも持ち合わせていなかったので,スナップ用の一台でのマクロ撮影となりました。

この虫は,カミナリハムシ。多分「雷葉虫」ということだと思うのですが,何故に雷なのかが判りません。台湾では藍金花蟲と呼ばれているようで,花蟲はハムシ類のことですから,これは素直な命名だと思えます。結局疑問は解決していないのですが,それだけに印象的な種類です。

2008/05/06 沖縄市こどもの国

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左右扁平 その訳は?

さて,今回の目玉はこちらでも大きく取り上げられている2頭のゾウ。幼い個体だからか,思ったより小さくて,かわいい子象という感じ。結構間近に見られるのも,いい感じです。


ゾウのしっぽ

でも,注目したのは,こんなところなんです。

それは,ふと気付いたシッポの形。左右から押しつぶされたように平たいんです。しかも長い毛がそのエッジの部分にだけ生えているので,まるで団扇状態。ゾウというと,足やお腹の丸っこいイメージがあるので,尾も瓶ブラシのようなものかと思い込んでいました。こういった大型草食動物の尾は,ハエ・アブを追い払うものに使われているようですが,この形の方が機能的なのでしょうか?それとも,何か,別の機能があるのか?それにしても謎の形です。


最初,気付いたときは三鈷杵に似ているなぁと思ったのですが,実際はかなり違っていますね。ウロオボエは危険だなぁ,とも思いました。

2008/05/06 沖縄市こどもの国

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五つの口が 控えてる

080506gallinula_chloropus02
大型連休後半の最終日,沖縄本島中南部は時折薄日が差すといった,まずまずの行楽日和。ということで,子どもたちをつれて動物園へとやって来ました。休みになると訪れる,我が家の定番ですが,今回はようやく沖縄にやってきたというゾウがお目当てです。

とはいえ,大型の飼育道物を撮影していても,ちょっとおもしろくないので,カメラを向けるのはこうしたもの。園内の池でコイとエサの争奪戦をしていたバンの親子です。周りのみなさんは,専らヒナの方に注目していたようです。けれども,投げ込まれたエサをコイが呑み込むよりも早く,ダッシュで食らいつき,ヒナに与えている親鳥の姿に,深く共感するものがありました。

まぁ,こちらは,こんなモノばかり撮影しているのですから,気楽なもんですが。

2008/05/06 沖縄市こどもの国

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