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今でも 継続中

フクギミバエ 名前だけでなく,それに纏わるエピソードもよく知っているのに,実物を目の前にして,それを思い出せない。全く,トホホなケースです。けれども,根絶された,と聞いていますから,こんな街中の建物の中で見かけるとは,思いもよらなかったのです。
網戸にとまって羽を休めているこの虫は,ウリミバエ(誤同定です。正しくはフクギミバエ。コメントを参照してください。)。そう,あの悪名高き,そして国家的事業として放射線による不妊化成虫の放飼によって根絶されたというウリミバエです。見つけてすぐに,翅が2枚であることから,ハナアブの仲間だろうと見当をつけたのです。でも,レンズを通してよく見ると,どうもお腹(腹部)が丸すぎる。一体何という虫だろうと図鑑を開いてみると,やっぱりハナアブには当て嵌まりそうなものがない。そのうち胸部の斑紋から,ウリミバエだと気付いたのです。

未だに,この事業が継続していることに,改めて気付かされたというわけです。けれども,考えてみれば,県外(国外)には自然分布地域が残っているでしょうから,そこから移入してくる個体もあるのでしょう。

2007/09/24 豊見城市漫湖水鳥センター

2007/12/08 誤同定を訂正

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コメント

はじめまして、SeaStar さん。 いつも綺麗な写真に感心しています。
ところで、ウリミバエというこのハエですが、おそらくフクギミバエ(旧称:ヤエヤマミバエ)だとおもいます。 ウリミバエの胸部にある黄色い線は3本ですし、翅には特徴的な斑紋があります。
フクギミバエは名前通りフクギだけに寄生するので害虫ではありません。夏場、落下したフクギの果実にはかなりの割合でこのハエの幼虫(蛆)がみられます。
仰る通り、ウリミバエとミカンコミバエは根絶しましたが、以前として再侵入、定着の可能性があるため、前者では不妊虫放飼法の継続、後者に対しては雄誘引剤(よく樹木につり下げられている四角い板がそうです)による予防防除を継続しています。
では。

投稿: 久場洋之 | 2007.12.05 19:47

久場さん,こんにちは。
ご指摘ありがとうございます。確かに,胸部正中黄色条がありませんね。実を言うと,翅の斑紋は気になっていたのです。が,たぶん薄い個体なのだろうと思い込んでいました。
フクギにもミバエがいるということも驚きです。フクギの屋敷林が特色の渡名喜島では,このハエに気付くことがありませんでした。問題意識がないと,見れども見えずということかもしれません。

これからもよろしくお願いします。

投稿: SeaStar | 2007.12.08 09:56

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