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夕日が背に染みる

オキナワアオガエル この一枚を撮影したのは秋分を1ヵ月ほど過ぎた頃。とはいえ,午後4時半過ぎになると,日は傾き,陽射しは横からといってもよい角度です。色味もすっかり茜色。さすがに今日はここまでかと思っていたところで,この場面に出会いました。
オオバギの葉にピッタリと貼り付いているのは,オキナワアオガエル。関東で見るアマガエルによく似た姿形ですが,体長は2倍くらいある印象です。そんな大きなカエルが,背中に夕日を浴びて,風に吹かれていました。

夜の内に場所を変えないと,ちょっとこの場所では乾燥しすぎるんじゃないかと心配になってしまいます。

2007/10/22 糸満市真栄里

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空間分割決定様式

アオスジコシブトハナバチ
野外での写真撮影には,日光が充分にある正午近くが適しています。だがしかし,真上からの光線では得られないカットがあるのも,また確かなことです。この一枚は,夕暮れ近く,昼行性の虫たちが今日一日の活動を終えようとしているところを写したものです。

この虫は,アオスジコシブトハナバチ。夜になると,小枝や蔓を顎で咥えて休息します。その時,一列に並んでいるのですが,この日はその整列の場面に出くわした,というわけです。

何匹かがとまっているところへ,新しい個体が近付いてくるのですが,とまっている方は一斉に脚を振り上げ,懸命に追い払うのです。そのうち,何とか隙間にとまるのですが,その頃には,また新しい個体が近付いてくる,という案配で,この一本の蔓に,ほぼ等間隔にハチが並ぶことになりました。

2007/10/22 糸満市真栄里

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今でも 継続中

フクギミバエ 名前だけでなく,それに纏わるエピソードもよく知っているのに,実物を目の前にして,それを思い出せない。全く,トホホなケースです。けれども,根絶された,と聞いていますから,こんな街中の建物の中で見かけるとは,思いもよらなかったのです。
網戸にとまって羽を休めているこの虫は,ウリミバエ(誤同定です。正しくはフクギミバエ。コメントを参照してください。)。そう,あの悪名高き,そして国家的事業として放射線による不妊化成虫の放飼によって根絶されたというウリミバエです。見つけてすぐに,翅が2枚であることから,ハナアブの仲間だろうと見当をつけたのです。でも,レンズを通してよく見ると,どうもお腹(腹部)が丸すぎる。一体何という虫だろうと図鑑を開いてみると,やっぱりハナアブには当て嵌まりそうなものがない。そのうち胸部の斑紋から,ウリミバエだと気付いたのです。

未だに,この事業が継続していることに,改めて気付かされたというわけです。けれども,考えてみれば,県外(国外)には自然分布地域が残っているでしょうから,そこから移入してくる個体もあるのでしょう。

2007/09/24 豊見城市漫湖水鳥センター

2007/12/08 誤同定を訂正

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目立つ 黒星

クロボシシジミ
セセリチョウの仲間は,すばしこく飛び回る上に,どれも似たような色・斑紋で,余り被写体としては面白くない対象です。というか,そう考えていました。チャバネセセリにしても,イチモンジセセリにしても,野外で識別する自信が持てないのです。

この時見つけた蝶も,初めはそんなもんだろうと,余り撮影意欲が湧かずにいたのです。でも,気が付くと,後翅に黒い点。翅の地色も茶色味が無くて,銀灰色です。慌ててレンズを向けて何枚か撮影しておきました。

室内に戻ってから図鑑で調べると,これはクロボシシジミ。ヤシ類に付いてやって来た移入種のようです。既に普通種になっているそうですが,これまで気付かずにいました。もっと良く自然を見ないといけませんね。

2007/10/22 糸満市真栄里

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裏は オレンジ

リュウキュウミスジ カメラを持ってウロウロしていると,思いがけないチャンスに恵まれることもあるもので,この一枚はそうしたものかもしれないな,というものです。

写真の蝶は,リュウキュウミスジ。前回の紹介は久米島産の個体でした。県内ならば,公園や庭先でも見られる,ごく普通の種類です。

で,何が幸運だったかというと,なぜだか理由は判らないのですが,翅を立ててとまってくれたこと。タテハチョウの仲間は,翅を開いていることが多いように思うのですが,この時は,だんだん翅を立てていって,この姿勢で静止していました。

斑紋は表側と大差ありませんが,地の色が随分違っているのですね。

2007/10/22 糸満市真栄里

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これでは 迂闊に 触れない

キベリヒゲナガサシガメ
蝶の姿を求めて,公園内をウロウロ。すると,植栽の一角が背の高いイネ科草本(ススキ?)に覆われている場所に行き当たりました。何か被写体はないかと近付いたときに,目に飛び込んできたのがこの虫,キベリヒゲナガサシガメです。

いい角度から撮影しようと,いろいろ向きを変えていると,上体を持ちあげて,何だか威嚇しているようです。ちょっと怖いのは,この口吻。頻りに動かしていて,迂闊に捕まえようものなら,すぐさまグサリと刺されそうです。前胸部の棘も鋭そうですが,やはり,注意しなくてはならないのはこちらの方かな,と思います。

2007/10/22 糸満市真栄里

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半ば開いた その間から

ツマムラサキマダラ
先週の観察で,その大きさと煌めく紫にすっかり魅了されてしまった,ツマムラサキマダラ。その姿を求めて,再び同じ場所へと出掛けてみました。今回は時間もたっぷり,身軽な装備で,しっかり撮影モードです。

ところが…。こんなときに限って肝心の撮影対象に出会わない。リュウキュウミスジは,前回と変わらずたくさん飛んでいるのに。

歩き回ること小一時間。ようやく林の中のちょっと開けた場所で数頭が飛んでいるのを見つけました。今回は翅の表側を撮影しようと,じっくりと腰を据えて挑戦してみたのが,この組写真です。もっとも右側の雌は先週14日の撮影ですが。

こうしてみると,性差がハッキリと判ります。飛んでいるのを見ているときは,雄の方が紫の斑紋が大きい分キレイに見えていましたが,雌の翅には白い斑点がたくさんあって,これはこれでキレイに思えてきます。

いずれにしても,タテハチョウの仲間のように翅を広げてくれないのが惜しまれる美しさです。

2007/10/22 左側雄個体
2007/10/14 右側雌個体 いずれも糸満市真栄里

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相変わらず ボケていますが

ツマムラサキマダラ♀
7年経っても進歩が無いというか…。

野外へ出掛けられない日が続いていて,これではイカンと一念発起してやって来た本島南部の公園。余り人がやって来るとは思えない遊歩道には蝶がたくさん飛んでいました。

その中でも目立っていたのがこの蝶,ツマムラサキマダラです。大きい上に,やたらと動き回って落ち着きがない。翅の表側に紫の斑紋があって,それがチラチラ見えるので余計に目を引くのです。

だがしかし,撮影ができるような瞬間は,ご覧のように翅を閉じてしまう。それでも,こちらの宮古島産雄個体に比べると斑紋の違いがわかります。つまり,こちらは雌個体,ということです。

2007/10/14 糸満市真栄里

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そろそろ 時期が近付いて

キアシシギ
夕方近くに,ほんの思いつきで立ち寄った漫湖公園。満潮まであと少しということもあって,ほとんど生き物の姿も見られませんでした。まぁ,仕方がないかと,植物の撮影をしていると,すぐ近くに一羽の鳥が。

慌ててレンズを向けて何枚かシャッターを切りました。もう少し近付いて,と欲を出して足を動かすと,一声鳴いて飛んでいってしまいました。

この鳥は,キアシシギ。それも冬羽です。国内では旅鳥となっていますから,南へ渡る途中なのでしょう。そろそろ冬鳥観察シーズンです。

2007/10/08 那覇市漫湖

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見かけによらず

ミルスベリヒユ
新しい環境に移って,既に半年が過ぎました。でも,相変わらずの多忙感は続いています。8月下旬から2ヶ月余り,野外に出掛けることもできずにいました。この一枚は,久し振りのフィールド,といっても街中の公園での撮影です。

ただし,その公園がポイント。ラムサール条約に登録された漫湖なのです。護岸といっても石を積んだ古い(逆に新しいのかも)スタイルの半自然海岸。そのすぐ内側で漂着ゴミに埋まるようにして群落がありました。この花は,ミルスベリヒユ。初めに葉だけの株を見つけたのですが,その時は巨大なマツバボタンに見えました。分類上はツルナと同じ科に属するそうで,やはり花弁が無く,この花びらのように見えているのは萼なんだとか。

そんな花ですが,たくさんの小さなアリが集まっていました。

2007/10/08 那覇市漫湖

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