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ハートのマークは まだ見えない

フウセンカズラ
街中の住宅地に所々設けられた(取り残された)駐車場(というか空き地)。草茫々,といった感じに野草が茂っているのですが,その中には栽培種が逃げ出してしまったものもいろいろと見られます。この可憐な白い花もその一つ。

この植物は,フウセンカズラ。花が終わると,ホオズキのような果実が着きます。ホオズキと違うのは,“風船”の中が3部屋に分かれていて,それぞれに1つ種子が入っていること。図鑑で見ると,この種子には白いハートマークがあるのです。次の機会には,ぜひ撮影したいものです。

2007/08/20 那覇市

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当地では ありふれた

オジギソウ
沖縄の地に移り住んだ頃,見るモノ聞くコト,次々と驚かされて,文化と自然の多様性を感じていたものです。この植物もその一つ。生まれ育った東京では,発芽させるのが難しく,しかも一年草。さらには,いじくり回して枯らしてしまいがち,という貴重植物だったのです。

ところが,こちらでは道端でごく普通に咲いている。しかも,冬場になっても姿が消えない。何と本来は南米産の多年草だったのです。ちょうど,イチョウと反対の立場のような感じです。

この植物は,オジギソウ。葉や花がギンネムにソックリです。というか,ギンネムを初めて見たときは,お辞儀をするものと思い込んで,葉っぱを触っていました。

2007/08/26 那覇市

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400Ω!?

クロスジスズバチ この夏は,街中の公園や空き地で生き物観察をしてみたのですが,そうして初めて目にする動植物もたくさんありました。すると,そればかり気になって目に留まってしまう,というのも致し方ないところ。この一枚もアレチハナガサを撮影しようと,空き地の草むらに入ったときのものです。

このハチは,クロスジスズバチ。以前に巣作りの様子を紹介しました。こうして正面から見ると,額と胸の黄色,複眼と背中の黒,触角に脚,腰の茶色が見事です。


で,この順番に並べると400Ωを思い出すのは,子供の頃に,一生懸命覚えようとしたからでした。今はネットですぐに調べられますから,本当に時代は変わったものです。

カラー抵抗早見表!

2007/09/26 那覇市

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モデルはこちら

カバマダラ
街中の公園で,ふと見かけた一頭の蝶。これが,初見のカバマダラでした。

これまでに紹介したツマグロヒョウモンヒメアカタテハと同じく,赤褐色の翅に黒い縁取り,前翅の先端に黒白斑紋。何かを表わす基本的なデザインなのかもしれません。

図鑑によると,このカバマダラは,メスアカムラサキの雌が擬態しているモデルなのだそうです。つまり,こちらの蝶は有毒(あるいはとても不味い)であることから,鳥が好まないことを利用しているんだとか。警戒色とまで言えるかどうかは判りませんが,そんなことを考えてしまいます。

2007/08/26 那覇市

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ツノ出せ ヤリ出せ

アフリカマイマイ交尾
住宅地に隣接する公園の中を,どこまでもどこまでも進んでいくと,やがて公園の敷地は幅が狭くなり,ほとんど遊歩道だけという状態になっていました。それでも進んでいくと突き当たりは石灰岩の巨礫が山のように立ちはだかり,岩陰にはお墓もあって,辺りは暗くジメッとした感じ。遊歩道は階段となって続いていたのですが,その階段にたくさんのアフリカマイマイがいました。

その内の2個体がこの写真。フラッシュに驚いたのか,大小の触角を引っ込めてしまいました(この一枚は6枚目)。が,注目すべきは2匹を繋ぐ白い物体。これが,童謡に歌われた「ヤリ」,すなわち有肺類の持っている「恋矢」です。体の左前方から突き出して相手の体に差し込み,精子を送り込んでいるのですね。

2匹が並んでいるように位置しているので,左側の個体は体を捻るようにしていて,何だか苦しそうです。

2007/08/26 那覇市

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雌も赤いが 裏も赤

メスアカムラサキの雄
この日は散歩がてらに自宅近くの住宅地をウロウロ。野草が伸び放題の駐車場や程よく管理の行き届かない児童公園などを巡りました。

そんな公園で見つけたのがこの蝶。見慣れぬ色彩に,思わずたくさん撮影してしまいました。図鑑で調べてみれば,普通の種類のメスアカムラサキ。これまで見られずにいたのが不思議な種類の1つでした。もしかすると渡名喜島には分布していないのかもしれません。

名前の通り,雌はカバマダラのように赤っぽい色彩なのですが,雄だって,翅の裏面は地色が赤褐色になっています。とは言うものの,見事な性的二型の例として挙げられるでしょう。

2007/08/20 那覇市

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1つだけ内側に

ヒメシルビアシジミ 人の暮らしのすぐ近くで見られる小さな青いチョウ,というとヤマトシジミの仲間なのですが,これがなかなか難しい。図鑑で見てもソックリの種類がたくさんあるのです。ですが,ちょっと安心できるようになったことは,野外で見て,これはちょっと違うかもと思ったら,大抵は別な種類であるということが多くなってきたのです。慢心しないように気を付けないといけませんが。
このチョウを撮影したときは,一回り小さいなぁと思っていたのでした。で,図鑑で確かめてみると,ヤマトシジミより一回り小さい種があったのです。それは,シルビアシジミ。後翅の斑紋列が1つだけ内側に寄るのが識別点の1つです。

ただし,ネットで検索してみると,最近南西諸島産と本土産が亜種として分けられたようで,こちらは,基亜種Zizina otis otis,和名はヒメシルビアシジミとなるようです。ここでも和名と学名のねじれが生じていますね。

2007/08/20 那覇市

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先まで黒い

チュウサギ
これまでも,度々取り上げてきた白いサギ。野外で見ただけで名前が出てくるようには,なかなかなれません。それでも,室内で図鑑を見れば,何とか同定できるようにはなりました。この一枚も,識別点に注意して観察したもの。目先が黄色っぽくて,嘴は黄色。その先端だけが僅かに黒。そして,このカットには入らなかったのですが,足先も黒いのです。

このサギは,チュウサギこちらの投稿から,アマサギ,コサギとの違いを見ていただけるといいかな,と思います。

2007/08/16 金武町

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カラフル タイル舗装

オキナワイシダタミ 沖縄本島の東側に並ぶ与勝の島々は,埋め立てもあって,とても静かな海岸線です。この一枚を撮影した場所は,すぐ向いに平安座島の石油基地があって,遮蔽された水路状になっています。泥岩の露頭があることもあって,大変泥っぽく,まぁ,余りキレイには見えない海です。そんな海岸の波打ち際で,転石に付いていたのがこの貝です。 表面の凸凹模様に泥が被っていますが,赤や緑の部分もあって,実はとても彩り豊かなのです。この貝は,オキナワイシダタミ。殻表のようすを石畳に例えたのでしょう。
でも,学名ではこのグループ(属)をMonodontaと呼んでいます。単一(mono-)の歯(odonta)ということですね。これは,殻口に牙状(棘状)に突き出たところがあるためですが,洋の東西で注目点がこうも違っている,というのが面白いと思います。

2007/08/19 うるま市与那城・宮城島

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解決し難い ねじれ現象

ウコンイソマツ
ウコンを変換すると,まず最初は右近なのですが,この場合は鬱金のことです。県内ではウッチンと呼ばれ親しまれています。まぁ,ターメリックのことですね。

この花は,ウコンイソマツ。もちろん,花の色から名付けられたのでしょう。ややこしいのは,この名が変種名だということ。種としてはイソマツなんですが,変種イソマツは,薄紅色の花を付けて,分布は宮古・八重山など。で,基本変種がこちらウコンイソマツ。う~ん,ねじれてる。

この株を見つけたときは,ちょっと距離があったので,ハママンネングサかな,とも思ったのですが,近付いてみると全く別でした。県版RDBでは絶滅危惧ⅠB類(EN)で,薬用目的の採集で数を減らしているそうです。この群落も保存されるといいのですが。

2007/09/09 うるま市与那城・浜比嘉島

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