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裏は白かった

ハマサルトリイバラ 集落外れに広がる大きな藪,元々は屋敷があったのでしょうか,周囲はフクギに囲まれています。そのフクギに絡まって,いろいろなツル植物が繁茂しているのですが,なかなか種の判別ができずにいました。そんな中で,日に日に花芽が膨らんでいる株があったので,これはいよいよ同定できるぞと,たのしみにしていたのでした。
円い葉の葉脈が特徴的で,シオデ属辺りだろうとまでは容易に辿り着きました。ところがそこから先が進めません。こちらのページを参考にいろいろ観察して,ようやく葉の裏側が白っぽいことを確かめました。

これはハマサルトリイバラ。「猿採り」といっても茎に棘はほとんどありません。常緑の葉は薄い革質。裏側の色は「粉白色」というそうです。

そうすると,こちらの記事で紹介した花は,一体何なのでしょう?

2007/02/11 渡名喜村西ノ底
2007/02/27 渡名喜村西ノ底(カットの葉裏)

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五⇒四

グンバイヒルガオ果実
5から4へと続くモチーフは,沖縄のというよりも八重山の代表的なデザインですが,この場合は,5の方がちょっと違っているようです。

花びらの方は五放射相称なのですが,果実になるとご覧の通り。四放射相称になってしまうのですね。この果実(というよりも種子かな)はグンバイヒルガオ。今が実りの季節らしく,砂浜上部の群落の至る所で,このような様子が見られました。

2007/02/16 渡名喜村ウンヌサー(東の浜)

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花は保守的

渡名喜島の南部山塊を東西に二分している島尻毛は,周辺よりも標高が低くなっているため,ちょうど鞍のような地形になっています。このためか,いつも強い風が吹き抜けていて,ここに生育している植物たちも,独特の樹形をしています。また,本来海岸近くで見られる種類が山の上まで見られます。


オオジシバリ

写真のオオジシバリもその一つ。図鑑には,同じIxeris 属のハマニガナとよく似た生活の仕方をするように載っています。けれども,この場所では,遊歩道脇の地面を覆っていました。ハマニガナに比べると,葉の形は随分細長くなっていますが,花はそっくりです。

2007/02/11 渡名喜村島尻遊歩道

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若さの象徴

アカメガシワ
渡名喜島で自然観察を始めて3年目になろうとしています。素人が歩いていけるような場所,つまり,農道や遊歩道はあらかた回ってしまって,もう目新しいものはないだろう,なんて思うようにもなってきていました。

ところが,それは全くの自惚れで,まだまだ自然は奥深いと気付かせてくれるもの,それがこの一枚です。

これは,アカメガシワ。各地で見られる普通種ですね。しかも,これだけ目立つ赤い若葉。舗装された農道の脇に生えていたのですから,どうして今まで気付かなかったのか不思議なくらいです。

今朝はアマミヒゲコメツキ(雄)も届いたし,まだまだ注意深く目を配らなければいけません。

2007/02/12 渡名喜村シラガー(南西の溜池)

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俯いて 控え目に

ハマヒサカキ雄花と雌花
久し振りのドライブに出掛けた渡名喜林道で,ちょっと一休み。車を止めて,遊歩道へ入ってみました。この場所は島の南部山塊が最も低くなった鞍のような地形で,常に強い風が吹き抜けています。それで,海岸風衝植物群落と言えるような特異な景観となっています。

その主要構成種がこのハマヒサカキ。枝一杯に小さな白い花を付けていました。始め気付いたのは左側の花。花びらが外側に反り返っています,もっといい角度で写せるものはないかと物色しているうちに,右の花を見つけたのです。こちらは花びらが開かずにいます。撮影して画像を拡大してみると,左が雌花で右は雄花なのですね。別な株に付いていたので,雌雄異株ということになります。全て下向きになっていたので,雄花の方は中がよく見えるように向きを変えてあります。


ハマヒサカキ株全体

植物全体はというと,地面に貼り付くように枝を伸ばしていて,風の影響が窺えます。島でも,他の場所ではもう少し高くなるのですが,この遊歩道周辺だけは特別です。

2007/02/11 渡名喜村島尻毛遊歩道

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効果は絶大

ジョウビタキの雄
各地で騒がれた暖かい冬も行き過ぎようとしています。姿を見ないのは,そのためかとも思っていた冬鳥を,ようやく観察するできました。おそらく,時間と場所がズレていたために出会う機会がなかったということなのでしょう。

この鳥はジョウビタキの雄。前回紹介したときは頭上の電線にとまっていたので,特徴的な頭上の灰白色部がよく見分けられませんでした。このカットでは,白くはないことが見て取れます。

集落外れの畑で,盛んに地面に降りては,このようにアオムシを捕まえていました。こんなペースで食べてくれるのなら,除虫効果は絶大です。ネットにとまって周囲を伺い,そのあとは…一気に丸呑み,でした。

2007/02/19 渡名喜村西ノ底

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目立つのは 眉と喉

ツグミ
久し振りの遠出(といっても島の中なので,たかが知れていますが)で,いくつかいいショットが得られて,ご機嫌で集落まで戻ってくると,これまた思いがけない出会い。昨年12月に観察したきりになっていたツグミです。今度は,傾き始めた陽射しでしたが,それだけに順光で条件よく写すことができました。

2007/02/11 渡名喜村ウードー(集落南方の畑)


ツグミ

図鑑によると,ツグミは色彩変異が大きく,背面の栗色や胸の黒斑にはいろいろなパターンがあるようです。上掲の個体は胸元を横切る黒帯が目立っています。一方,左の個体は頬髭のような黒線がハッキリとしています。これらは,全て個体変異の範囲内。

よく似た亜種もいるそうで,もっと数多くの個体を見て,修行を積まないと,野外での識別は難しそうです。


2007/02/16 渡名喜村ウーングワァヌクシ(集落北方の畑)

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三度目の「鷹の写真」

このblogでの一位二位を争う人気検索語「鷹の写真」。三度目の登場です。しかも,今回は二枚組!

サシバ背面

久し振りの麗らかな陽射しに誘われて林道へと出掛けたこの日,何気なくグルク崎を見下ろす断崖の上に車を止めたのでした。レンズを遙か下の崎に向けると,さっと飛び立つ姿。慌ててシャッターを切った一枚です。白い眉斑と尾羽の横縞からサシバだと考えられます。

2007/02/11 渡名喜村渡名喜林道南東の崖上(ウーハマの上)


サシバ腹面

翌日も好天が続き,またも撮影に。この日は島の南西海岸を歩いてみました。ユブク浜の駐車場から,溜池へと登る道を辿ります。そ~っと辺りを窺うと,リュウキュウマツの枝先にサシバが止まっていました。この一枚は,頭上を旋回しているところを置きピンで撮影したもの。胸元の模様が縦縞になっていることからまだ幼い個体だと考えられます。

わたしの腕とこの機材では,これで納得,という撮影ができたかな,と思います。

2007/02/12 渡名喜村シラガー(南西の溜池)

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渡名喜が一番

お正月(旧暦)記念に,島が一番だぞ,という話題を。

県道渡名喜港線

島にはいろいろな一番がありますが,これは意外というか,ショボイというか。県内最短の県道があるのです。その名も「県道渡名喜港線」。

総延長が25mという短さ!!。

あまりに短すぎて,地図上で位置が確認できず,これまで紹介できずにいたのです(役場で調べればすぐにわかることですが)。島の人に尋ねて,実際に歩測して確かめました。画面の左右端に写っている白い標柱の間が,25mの県道です。役場玄関とターミナル待合室を結んでいます。重要路線であることは確かなんですが…。

ちなみに,中央の建物は村役場の車庫(倉庫)となっています。

2007/02/03 渡名喜村渡名喜村役場前

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準備万端 明日は正月

年末を迎えて,集落内の家々は大掃除など正月準備に余念がない様子です。

って,昨年も紹介したように島では旧暦でお正月を祝うのです。その一つが「初砂」。今年はどこで集めているのか,確かめてみました。島の人たちから,南の浜でと聞いていたので,好天に誘われて足を伸ばしてみたのです。
初砂の準備
こちらのブログでは,実際に砂を集めている様子が紹介されています。

2007/02/12 渡名喜村ユブク浜

そして,準備が整うと,このように。

初砂

2007/02/16 渡名喜村集落内

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忍亀を思い出す

シマアカモズの雄
そろそろ春分が近付いてきて,随分と日が長くなったなぁと感じられるようになりました。この日の退勤も,ちょうど日没の頃。だんだん色彩を失っていく風景の中で,さっと動く白い影。よく見てみると見慣れない白っぽい小鳥です。慌ててレンズを向けては見たものの,如何せん光が足りません。羽毛の質感などは全く捉え切れていませんが,それでも模様はわかるようになりました。

10日前の撮影ではモズの雌かもしれないとしたのですが,過眼線が黒い上に,左右が額の所で繋がっていることなどから,どうもモズではなさそうです。頭から背にかけての褐色が強すぎるような気もしますが,シマアカモズの雄と考えられます。

まぁ~るい頭に鉢巻きのような覆面。変異体の忍者亀を思い出してしまいました。

2007/02/13 渡名喜村西底原

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両面作戦

オキナワイチモンジハムシ
暖かな春の陽射しを受けて,活発に動き回るのが観察されるようになったオキナワイチモンジハムシです。先日は,一心不乱に葉を囓る様子を紹介しました。

島の西岸を南下する村道の終点,ユブク浜の護岸に一株のガジュマルが根付いています。小さな株ですが,周囲には他にガジュマルが見あたらないので,何匹もハムシが集まってきていました。その中に,葉の両側からほぼ同じ所を囓っている2匹を見つけました。よく見ると,葉の表面だけを削り取るようにして食べているようです。それにしても,周りにいくらでも葉はあるのに…,と思ってしまう光景です。

2007/02/12 渡名喜村ユブク浜

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こんなモノを(も)食べていた

アカホシカメムシ ひとたび目に留まるようになると,次から次へと見つかるもので,全くヒトの視覚とは不思議なものです。

センダングサの頭状花序に口吻を差し込んでいるのは,アカホシカメムシ。この角度からだと,腹面にも派手な模様があることがよくわかります。先の投稿にも書きましたが,主な宿主はフヨウ類(Hibiscus 属)やワタといったアオイ科の植物だとあります。普段からこんな花にも来るのか,偶然捉えた一枚なのか,そこのところは不明です。


2007/02/11 渡名喜村アンジェーラ(山際の畑)

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海の中は 春爛漫

アンジェーラ浜のアーサ養殖場
陸の上は,ようやく春がやってきたといった感じですが,海の中はもう春は過ぎゆくといったところです。

写真は渡名喜島南東海岸,アンジェーラ浜に広がるアーサの養殖場。既に何回か摘み取りが行なわれているようで,緑の“のりひび”もあと僅かになっていました。

2007/02/11 渡名喜村シュンジャギシから南東を望む

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桜前線南下中

カンヒザクラ 立春から数日続いた穏やかな陽気も週末で一段落。この日は北風が吹いて,少し冬らしくなりました。けれども,これまでの暖かさに誘われたのか,集落内の家々に植えられているカンヒザクラが咲き始めていました。広く知られているように,沖縄本島周辺では北の方ほど早く桜が咲きます。先月から各地で桜祭りが始まっていますが,ようやく海を渡って渡名喜島にも桜前線がやってきたのでしょう。
それにしても,この写真の背景も濃い緑。屋敷林のフクギの茂みです。那覇市で撮影したものも,同じような背景。なかなか慣れませんね。

2007/02/10 渡名喜村集落内

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出会いは一瞬

おそらくシマアカモズ またいつか,見られるときもあるハズ。と考えて,暫く観察を続けていたのですが…。結局,この時以来,見ることは叶いませんでした。それで,逆光ピンボケですが載せてみました。美麗な画像は,こちらから検索しなおしてみてください。

この鳥は,モズ(おそらく雌)。太い過眼線が特徴的です。電線と屋敷林の間を往復していました。


同じように酷い写りだったウグイスは,何とか撮影し直せたので,こちらも,またの機会を待ちたいと思います。

2007/02/03 渡名喜村集落内

どうも,モズではなさそうです。シマアカモズ,Lanius cristatus lucionensis ではないか,と考えられます。
2007/02/15 追記

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このネバネバが 大好物

オキナワイチモンジハムシ
暖冬の影響がいろいろ話題に上っていますが,渡名喜島も晴天が続き,初夏を先取りしているようです。その陽気に誘われた,ということではないのでしょうが,この日はオキナワイチモンジハムシを初見しました。

ぶ~ん と飛んで回っているのもいれば,写真のようにしきりにガジュマルの葉を囓っているのもいました。ガジュマルの枝葉を折ると,白色の樹液を多量に出すのですが,これが乾くとネバネバ・ベトベトになるのです。こんなに顔いっぱいに付けてしまって,どうやって拭き取るのでしょうか?

2007/02/03 渡名喜村集落内

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星は黒いが

アカホシカメムシ
宿主(食草)のフヨウ類は,島内のあちらこちらに生えているし,明るい赤と黒のコントラストは警戒色として,とても目立つ色彩です。そんなことを考え合わせると,これまで見つけていなかったのが不思議なくらいのカメムシです。

この虫はアカホシカメムシ。「ホシ」に当たる丸紋様は黒ですから,「赤いホシカメムシ」ということなんでしょう。同属のシロジュウジホシカメムシと姿形がとても良く似ています。この時は,オオハマボウの木の下,ナピアグラスの茂みで見つけました。

2007/02/03 渡名喜村フカンタキ(電業所近くの農道)

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本家よりは やや多め

ハマニガナの花
暦の上の冬が終わろうというこの日,渡名喜島は穏やかな天気。北風も収まり,穏やかな日差しは,春を一日先取りしたようです。

この陽気に誘われて,あちらこちら歩いてみました。久し振りに訪れたシュガー浜で,タンポポのような花が咲いているのを見つけました。この花は,ハマニガナ。大きな黄色の舌状花と中心部の控えめな管状花のバランスが絶妙です。本家ニガナに比べると,花序を構成する花の数が幾分多くなっていることもわかります。

念願叶って,ようやく撮影できました。

2007/02/03 渡名喜村シュガー浜

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多分,これが決定版

ウグイス 三度目の正直!と思って投稿したのが,どうやら間違いだったようす。それに気付いたのは,この一枚を撮影したからでした。

手前に木の葉が被っていて,決して写りはよくないのですが,過眼線の下側が暗色なことはわかります。今度こそ,決定版。これがウグイスです。多分。


2007/02/03 渡名喜村西底原

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