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空間充填方式で

カラムシ 渡名喜島の生き物を紹介して3年近くになりました。図鑑的な意味合いでは,そろそろ“普通な”種類は網羅できたかなぁというところです。だがしかし,普通だからこそ後回しになってしまっているものも,まだまだあるというのも実態です。

この植物もその一つ。畑の周りなどに大きな茂みを作っているのですが,その特徴を表わすような写真を撮影できずにいたのです。この日は真上から見下ろすことで,何とか「絵になる」ものになりました。


この植物は,カラムシ。葉の裏側に白い綿毛が密生していて陽が当たると銀色に輝いて見えます。その特徴はうまく表せなかったのですが,日光を効率よく捉えられるように,規則正しく葉を広げているのがわかるかと思います。

2007/01/22 渡名喜村西の底

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定着するのは難しい

カッコウアザミ このPhotologを始めたのは,ちょうど渡名喜島に来た頃。それから毎日,被写体を探しながら生活しています。身近な野草は手軽に写せる素材なのですが,探してもなかなか見つからない種類もあります。

その代表が,このカッコウアザミ。以前,うるま市で観察した花序を紹介しました。それからも気を付けていたのですが,予想外の場所で見つけることができました。それはグラウンドのフィールドに張られた芝生の中。素人観察なので,こんなことの繰り返しです。


と,見つけて喜んでいたら,除草作業があって,アッという間に摘み取られてしまいました。近くで見つけたオオバコの姿も既に無く,なかなか生き残るには厳しいところのようです。

2007/01/26 渡名喜小中学校グラウンド

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春の兆し…かな?

ハイイロヒトリ 島の集落内に整備された歩行者用のフットライトは,本来の目的以外にも働いてくれて,これまでにもその近くで昆虫を観察してきました。けれども,夏を過ぎると,ほとんど集まる昆虫が見られなくなっていたのです。

そんなわけで,先日久し振りにこの蛾がいるのを見つけたときは,思わずがぶり寄りでシャッターを切りまくってしまいました。


この蛾は,ハイイロヒトリ。毎度お世話になっている【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】ハイイロヒトリのページには幼虫の写真も載っています。昨年5月に観察した個体は翅脈のようすが微妙に異なっていたので同定に自信が持てず,掲載できなかったのですが,こちらは間違いないようです。食草にヤマノイモとヤブカラシが上げられていますが,まだ観察したことがありません(というか気付いていません)。こちらも探してみないといけませんね。

2007/01/25 渡名喜村集落内

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のどぼとけがありません

クルマバッタ(褐色型)
しばらくの間,天気と時間の都合が合わなくて野外に出られずにいたので,久し振りの山歩きは様々なものが新鮮に感じられました。ウーチュガーへと登る道すがら,足元から次々とバッタが飛び出していきます。そのほとんどは後翅が赤っぽいタイワンツチイナゴなのですが,中にはハッキリとクリーム色に見えるものがあります。飛び出てくるまでわからないし,飛んでいるものにはピントを合わせきれないし,ということで撮影は諦めていました。

で,帰り道。急な坂を下りてきたところで,飛び出したバッタがすぐ足元に降りました。慌ててしゃがみ込み,カメラを起動してレンズを向けました。

このバッタは,クルマバッタ(褐色型)。「クルマ」というのは,後翅の中央部に半月形の黒帯があって,その内側が黄色くなっているのを車輪に見立てたのだそうです。このほか前胸背面の盛り上がりも特徴だそうです。が,複眼の下から前に向かって伸びる楔形の黒斑が一番目立つと思いますが,どうでしょうか。

タイトルは,イナゴとバッタの見分け方から。腹側前脚の間に「のど仏」のような突起があればイナゴ科,無ければバッタ科だそうです。

2007/01/22 渡名喜村ヘート-ンダ(風力発電施設)

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期間限定 天候次第

タチイヌノフグリ
仕事の都合で,昼日中にグラウンドへ。この日は朝から青空も見えて,北風は強いものの,久し振りの好天でした。

そんな中で,フィールド内の花探しをしたのです。事前にツメクサシバが咲いているのを確かめておいたので,そんな野草の小さな花を見てもらおう,というわけです。そこで見つかった見慣れぬものがこの一輪。小さな小さな青い花です。

この花は,タチイヌノフグリ。いままで見たことないなぁと思っていたら,晴天のお昼前後しか咲いていないのだとか。ちょっと安心しました。

なお,よく似た近似種がいろいろあるようなのですが,同定には,こちらのページを参考にさせていただきました。

2007/01/23 渡名喜小中学校グラウンド

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ミニミニ 黒 トマト

テリミノイヌホウズキ 渡名喜島の北部山塊も西森園地として整備が進み,以前は獣道のようだったところにきれいなカラー舗装された道が付けられています。切り開かれて明るくなったり,水の流れが断ち切られていたりと,自然度が減っているのは確かですが,何よりハブの心配をせずとも散策できるようになったのは,わたしのような素人にとって,大変ありがたいことです。
で,そんな工事に伴って作られた裸地に生えていたのが,この野草。テリミノイヌホウズキです。その名の通り,艶々の果実です。色と大きさを別にすれば,トマトにそっくり。「ホオズキ」よりも「○○ナスビ」とか名付ければよかったのに,と思ってしまいました。

2007/01/22 渡名喜村ソージ(西森園地遊歩道)

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有用で有毒

ヒマ(トウゴマ)
久し振りの好天に誘われて,ウーチュガーまで行ってきました。ところが,目新しい被写体が見つからない。まぁ,曇天続きで気温も低いし,大寒を迎えたばかりで,花は咲き乱れ虫が飛び交うといった季節ではないこともあるのでしょうが。

素人がフラフラと歩き回って出会えるものには,もう出会ってしまったのかなぁ,などと考えながら風力発電施設からの坂道を下っていると,見たこともない大きな葉。ヤツデのような掌状盾状の葉の下に花序が付いていて花と実が見られました。まったく,不遜な態度は改めないといけませんね。

この植物は,ヒマ(トウゴマ)。果実には3つの大きな種子が入っていたのですが,これを搾って生成するとヒマシ油になるんだそうです。けれども,有毒成分を含んでいて,生食すると危険だそうです。

カットで入れたのは,左上が若い果実,左下は熟した果実。右下は雄花です。花序の上部に雌花があるとのことですが気付きませんでした。残念。

2007/01/22 渡名喜村西の底

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小さな小さな 肉食獣

コフキヒメイトトンボ
獣ってことはないんですけれども,こうしてガブリとやっているところを見ると,なかなか凶暴な面構えです。

このトンボは,コフキヒメイトトンボ。体色から,おそらく未成熟な雄だと考えられます。囓られている方は,カメムシの仲間に見えます。トンボの体長が2㎝ほどで,撮影しているときはお食事中だとは気付きませんでした。

この時期は,南国沖縄でも最も寒さの厳しい時期ですが,成虫で過ごしているんですね。


2007/01/22 渡名喜村ウーチュガー

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盾状 といっても火山ではない

ハスノハカズラ
曇天続きな上に,身辺慌ただしく,全く野外へ出る時間がとれずにいます。ということで,手近なところで見られる植物を。

毎日通る集落内の道はフクギの屋敷林に縁取られています。そのフクギの根元には,様々な植物が暮らしているのですが,そのうちの一つです。この植物は,ハスノハカズラ。「蓮葉葛」ということですね。その名の通り,葉柄と葉身のつながり方がハスのようになっているのが著しい特徴なんだそうです。「盾状(楯状)」と呼ばれているのだそうですが,この言葉で検索すると,ほとんどが火山の話題です。図鑑では,真っ赤な果実が房状についています。だがしかし,これまでに観察したことがない。葉には気付いているんですけれども。

2007/01/17 渡名喜村西の底

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三度目の正直 これぞ鶯,と思ったら

メボソムシクイ 島に来て3年目。常にカメラを持ち歩くようにしています。すると,正に「棚を吊って 牡丹餅を待つ」という状況に出くわします。

この時は,目の前の藪に小鳥が飛び込んできたのです。慌ててカメラを起動して,そっと覗いてみると,期待通りのウグイスです。夢中でシャッターを切り続けたのですが,あちこち動いて,藪の中に出たり入ったり。小枝の向こうに行ってしまうとAFでは合焦しないし。やや逆光気味の一枚をレタッチしてみました。手持ちの機材では,これ以上は望めないかな,というカットです。


2007/01/17 渡名喜村西底原

と思ったら…。過眼線の下側が妙に明るい色なので,アヤシイとは思っていたのです。でも,期待が先走ってしまいました。どうやらムシクイ類,メボソムシクイPhylloscopus borealis のようです。素人には難しいところです。

2007/02/03 追記

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ちょっと 色黒

ユウマダラエダシャク ふと気が付くと,廊下の窓ガラスに白っぽい蛾が止まっています。黒い斑点があるなので,モンシロモドキの類だろうと,余り気にも留めずにいました。

だがしかし,夕方近くになってもそのままの場所に止まっています。たまたまこの日は夕日が差して(西向きの窓でしたので)いたので,レンズを向けてみました。

この蛾は,ユウマダラエダシャク。一昨年も12月に観察しています。渡名喜では(というか,沖縄では)成虫越冬なのかもしれません。前回観察した個体より,橙色斑の部分が広く,黒斑も大きくなっています。これが単純な個体差なのか,性差なのかは不明です。


2007/01/11 渡名喜村立渡名喜中学校

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不覚にも 飛び出してしまった

ウグイス
久し振りに時間の余裕と体調と,さらには天候がマッチして,野外へ出てみました。といっても仕事の準備で土壌動物を採りに出掛けたついでなのですが。

落ち葉や土を採集する場所は林道が南西斜面の沢筋に入って,島では唯一「鬱蒼とした」感のあるところ。クチナシホソバムクイヌビワの木が茂っています。しゃがみ込んで作業をしていると,頭の上から「ウッウー」と太い声。何とカラスバトです。全く姿は見られませんでしたが,渡名喜にもいるんですね。留鳥かどうかは不明なんですが。

で,写真はウグイス。林道を一回りして展望台まで来たところで撮影しました。いつも藪の中にいて,なかなか姿を見せないので,こんなカットでも貴重な一枚になっています。前回紹介したのよりは,鶯色に写せたと思います。けれども,図鑑を見るとセンニュウ類などとよく似ていて,果たして本当にウグイスかどうかは,さほど自信がありません。分布や行動からの推定です。

2007/01/14 渡名喜村大本田展望台駐車場

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最初に覚えた

オナガガモ
今から数十年前,親に連れられて通った上野公園の冬の風物詩は,人々の足元まで迫ってくる鴨の群れでした。その頃は,どれも同じような姿形で見分けがつかなかったのですが,今になってみれば,それも当然かな,と思えます。日本で見られるという淡水ガモ類12種は全て同属なのですから。その後,本格的に生物に関心を持つようになるのですが,その頃の興味は潮間帯の軟体動物。ということで,今に至るまで,海ガモと淡水ガモの区別もアヤシイ有様です。

このカモは,オナガガモ。子供の頃に唯一見分けられるようになった種類です。ピンと伸びた尾羽がとても印象的でした。図鑑では腰に淡黄色の部分があるのですが,このカットでは角度の問題か判別できません。もっとじっくり観察・撮影してくれば良かったと後悔しています。

2006/12/30 東京都台東区

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体に似合わぬ その大きさ

ハシビロガモ
不忍池で餌に群れていたカモたちの中で,一際目立っていたのがこの一羽。同じ羽色のものが見られなかったことも,より注意を引いたのかもしれません。

けれども,何よりも不格好に見えるほど嘴が大きいのです。この写真では良く写っていませんが,後頭部は光の具合で紫色に輝いて,とても美しいのですが。

このカモは,ハシビロガモ。嘴が幅広いという命名ですね。すでにこのphotologでは,同属のマガモヒドリガモを紹介しています。淡水ガモ類として一括りにされていて食性や餌の取り方に共通性があるそうです。

2006/12/30 東京都台東区

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久方振りに 戻ってみれば

不忍池のカモ
東京を離れて十年以上が経ち,記憶の中の風景と,実際の姿とが随分変わってきています。ここは上野の不忍池。池とその周りは,余り変わっていないようなのですが,お目当てだった鳥たちは全く予想外のものでした。

写真は撒かれた餌に群れているカモたち。たくさんいるようにも見えますが,実はこれだけしかいないのです。地面を歩いているものがいない。昔は,地を埋め尽くすようにいたものですが。記憶が改竄されているのでしょうか。

変わって増えていたのがカモメ。おそらくユリカモメだと思われるのですが,大きな群れで飛び回っていました。対岸にも群れていましたから,カモと同じくらいいるのかもしれません。

2006/12/30 東京都台東区

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