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ノミより もっと

オオジョロウグモ 野外で活動しているときに閉口することの一つにクモの巣があります。なんて話を以前にも紹介しました。気を付けてはいるのですが,頭から突っ込んでしまうこともあるのです。けれども,これだけの大物となると,さすがに気が付きますね。実害はないとわかっていても,なかなか近付く気持ちにはなれません。

このクモはオオジョロウグモ。リンク先で紹介されているように雌雄の体サイズの差が著しく異なるのも特徴です。その代表として慣用されているノミの場合は2倍ほどですから,こちらの方がずっとふさわしい気もします。が,これだけ大きさ・色・形が違うと,別種のように感じられてしまうのかもしれません。この一枚にも,右端の円内に辛うじてオスが一匹確認できます。


2006/11/04 久米島町宇江城

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ガルベストン帝国人って こんな感じ

リュウキュウアオヘビ
だったと思うのですが,ちょっとうろ覚えモードです。マイナーアニメなので,敵役の画像を探しきれず確かめられませんでした。

黄緑色の肌に赤い目,まん丸に見開いたような(って瞼がありませんから)表情が,とても可愛らしく見えるのですがどうでしょう?

宇江城の道路脇に積もった落ち葉を掻き分けていたら現れた,リュウキュウアオヘビの幼体です。体調は40cm程でした。ミミズ専食だそうですから,この個体もエサを探している最中だったのかもしれません。

2006/11/04 久米島町宇江城

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てだこMAPサービス

こんなサービスを見つけました。ずいぶん前から公開されているらしいのですが,気付いていませんでした。
これを活用すると,位置情報を細かく表現できそうです。手始めは,これまでの撮影地のデータベース化かな。


「てだこMAPサービス」

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遙かに望む 渡名喜の島影

久米島から望む渡名喜島
今月初めの久米島滞在は,正味26時間ほど。実際に活動できたのは,着いた日の3時間程と,翌早朝の1時間,そして船が出るまでの4時間程で,計8時間。それで,あれも見たい,これも見たいと,あちこち走り回ったのですから,本当に大忙しでした。

天気も悪くて,今にも降り出しそうな鉛色の空。写真撮影には苦労しました。この一枚は,下阿嘉の県道から望んだ渡名喜島。微かな島影を,画像処理で浮き上がらせてみました。

左側の三角に尖っているのは北部山塊の頂,西森です。その左側に低く見えているのは,入砂島。右側の南部山塊の更に右側には,グルクの崎が見えています。

那覇市内から見たもの(南部山塊)とは,東西反対側から見ていることになります。琉球王国時代の人々も,こうして島々を望み,海を渡っていったのでしょう。

2006/11/04 久米島町下阿嘉から洋上を望む

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決め手は足の色

ギンムクドリ
名護や伊是名で雹が降ったという大荒れの天気でしたが,夕方には雨も上がり,きれいな夕焼けも見られました。

そんな夕暮れ時のグラウンドに群れている小鳥たち,何だかいつも見慣れた種類ではなさそうです。慌ててカメラをとって,最大望遠で撮影しました。かなりの距離からなので,ハッキリとは写せなかったのですが,何とか特徴のわかるものを選んでみました。

この鳥はギンムクドリ。図鑑によると,ちょっと珍しい迷鳥のようです。が,ネット上では結構写真も見つかります。いずれにしろ,滅多にお目にかかれない種類であることは間違いなさそうです。

2006/11/22 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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S-A カーブ

トンバーラ岩
渡名喜島に来た人が一度は訪れるだろうという絶景の地,大本田展望台には観光用の双眼鏡が2台置いてあります。しかも無料。島の中だけでなく,渡名喜を取り囲む島々を望んでたのしむことができます。

夕暮れ時に久米島方面を見ていたときに気付いたのですが,島からちょっと離れたところに,何かある。三角形の,ちょうどオニギリのような離れ島。ずっと気になっていたのですが,久米島行きのフェリー航路がすぐ近くを通っていて,じっくり眺めることができました。ゴツゴツしているんだけれども,ツルッとした岩肌が印象的でした。

この島(?)はトンバーラ岩。国土地理院の地図閲覧サービスによると,地名は「トンバーラー岩」,標高は53mあるようです。右下に遊漁船が写っていますから,その大きさがわかります。驚いたのはこんな厳しい環境で植物が生えていること。種数面積曲線なんて話を思い出します。


2006/11/04 久米島町島尻崎南方(久米商船フェリー那覇から)

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なかなか手に入れられない

キチョウ(ミナミキチョウ型) いつも手の届きそうなところにあるのに,手を伸ばすとスルリと逃げていってしまう,そんな被写体です。渡名喜島でも,小型の黄色いチョウをよく見かけるのですが,如何せんジッとしてくれない。花から花へと落ち着き無く飛び回って,これまで撮影できずにいたのです。
この蝶は,キチョウ。外見からは判別しにくい2つの型,キタキチョウとミナミキチョウがあるそうですが,この個体は翅裏の斑紋から,ミナミ-の秋型オスだと考えられます。2頭の雄が雌を巡って激しく求愛行動をした後,交尾拒否されて,吸蜜しているところを撮影しました。

こうしてみると,ウスキシロチョウとは斑紋が全く違いますね。

2006/11/04 久米島町宇江城

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立神というより屏風岩

以前,渡名喜島の立神岩を紹介しました。実は,その後,別な場所で“由緒正しい”「タチガミ」と呼ばれる地名を見つけてしまったのです。それはまたの機会にして…。
タチジャミ
こちらは,県内でも著名な「立神」。「タチジャミ」と呼ぶようです。久米島の観光案内にも,よく取り上げられているし,その正体は流紋岩の岩脈!,ときては,見に行かないと悔いが残るというものです。幸い,案内板が整備されていて,簡単に駐車場までたどり着きました。ところが,この駐車場,標高が63m程。急な階段を下り,更に海岸沿いの遊歩道を数百m進んでようやく見ることができました。


タチジャミ

アダンの藪を通り抜けての最初の印象は「屏風」。とても幅広なのです。近付いて,海へ向かって撮影すると,左のようになります。これなら,「立神」らしいですね。陸からは見えないようなところにあることを考えると,この名前は船から見て付けられたものだろうと想像できます。

周囲の浜は茶褐色の砂礫でいっぱいでした。腰を据えて(というより這いつくばって)探すと,1mmほどの自形石英が数粒拾えました。

2006/11/04 久米島町宇江城

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幻の… という程でもないけれど

リュウキュウミスジ
世の中には「幻のミスジ」というものもあるそうですが。肉が苦手なわたしには,余り縁が無さそうです。

こちらのミスジは,それよりもずっと身近に見られるもの。リュウキュウミスジというタテハチョウの仲間です。タイワンクズを始めとする豆科草本・木本を食草として,多化性ということですから,本当にいつでもどこでも見られる蝶の一つなのです。

けれども,それがわたしにとっての幻になってしまうのは,この蝶がなかなかジッと止まってくれないことにあります。渡名喜島でも何度となくチャレンジしたのですが,まともに撮影できたことがありませんでした。ようやく撮れたのが,この久米島産の個体,というわけです。

2006/11/03 久米島町銭田

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南の果ての 赤い土地

テラロッサ様土
石と貝を求めて訪れた久米島ですが,何分情報不足で期待していたものが見つけられず終いになってしまった,ということも多々ありました。その内の一つは「銅坑あと」。島尻集落から南海岸に出たところにあるというのですが見つけられませんでした。

結局辿り着いたのはトクジム自然公園。観光名所の「トクジム(鳥の口)」までは距離があるようなので行かなかったのですが,その西側の岬の上で,この一枚を撮影しました。

その岬は,標高30m程の絶壁に囲まれているのですが,平坦面は見事に赤。正しくは赤褐色になるのかもしれませんが,地面がこんなに赤いのは,何か異様な感じがします。しかも,表面にある転石をハンマーで割っても中は赤。

こんな土壌をテラロッサ様土と呼んでいるようです。確かに,周りはキビ畑でした。

2006/11/03 久米島町島尻崎

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ただいま北上中

ツマムラサキマダラ
久米島は,県内で「離島」と呼ばれている島々の中では大きな島。その面積効果もあってか,小さな離島の渡名喜島では見られない昆虫たちが見られました。その内の一つがこのチョウ,ツマムラサキマダラです。

林縁の草むらをフワフワと飛び回っているのですが,なかなか翅の表側(内側)を撮影できません。ようやく撮れた個体は,羽化から時間が経っていたのか,もう翅がボロボロになっていました。それでも,宮古島で撮影したものに比べると,とても写りがよくなっています。

1990年代に八重山から北上を開始し琉球列島を通過,現在は薩摩半島まで達しているようです。やがて黒潮沿いの地域では普通に見られる種類になるかもしれません。

2006/11/03 久米島町銭田

その後,渡名喜島でも姿を見ることができました。

2006/11/19 追記

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見所は足元に

ミーフガーの不整合
今日の一枚は,久米島でも有名な観光地,ミーフガーです。

独特の形状に目がいきますが,それだけではなく構成している岩石がおもしろいのです。大きな割れ目の右側,やや黒っぽい部分は宇江城層の凝灰角礫岩で,左側のやや小麦色の巨石は琉球石灰岩なのです。琉球石灰岩の方が新しいのですから,上に載っていたものが滑り落ちてきたのでしょうか?

それはともかく,「載っていた」時のようすが,そのすぐ下で見られるのです。ミーフガー周辺は標高が3.5mほどの隆起珊瑚礁(琉球石灰岩)になっています。画面下部にそのようすが写っているのですが,その下に赤い岩石があります。これも宇江城層の凝灰角礫岩で風化のためか赤褐色になっています。その境界面も見事な不整合で,地学的な興味の尽きない場所です。

2006/11/03 久米島町仲村渠ミーフガー

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こんなモノに例えなくても

ゴンズイ
地上性の微小な陸産貝類を探すには,藪の中に入り込んで地べたに這いつくばって落ち葉を掻き分けないといけません。久米島のあちこちを車で移動しながら,そんなところを探しました。

この場所も,そんな通りすがりに入った農道脇の藪の中。初めは下ばかり見ていて気付かなかったのですが,ふと顔を上げると,キレイに色付いた果実がたくさん付いていました。

この実は,ゴンズイ。本州以南の低山地に生えるということですから,よく知られた種類なのかもしれません。それにしても,この名前の由来。こちらのページによると諸説あるようですが,どうせ例えるなら,同じ植物のウドにでもすればよかったのに…,と思ってしまいます。

このところ地味な色合いが続いたので,華やかな一枚にしてみました。

2006/11/04 久米島町宇江城

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キセキが いっぱい

輝石の黒い砂浜
今回の久米島行きの,もう一つの目的は火山活動に伴う岩石と地形の観察(撮影)。沖縄県では,人口が集中している地域と琉球石灰岩の分布域がほぼ一致しているため,普段見かける露頭や海岸は,どこも似たような風景です。けれども,こうして離島に来ると,全く違うものに出会えるのです。

この写真も,そうした沖縄らしくない風景の見られるところで撮影しました。ここは有名な観光地なので,何組も記念撮影していたのですが,その被写体には目もくれず,波打ち際に一直線。ここは県内では滅多にお目にかかれない「黒い砂浜」だというのです。まぁ,実際には予想より規模が小さかったのですが,ご覧の通りの黒い砂がいっぱいでした。これは,周囲の安山岩質凝灰角礫岩に含まれる輝石なのだそうです。よ~く探すと,5mm程の結晶が拾えました。

2006/11/03 久米島町仲村渠ミーフガー

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水星の日面通過

水星の日面通過
2年前の夏,残念なことに観察できなかった金星の時とは全く違って,今日は秋の空。高気圧の圏内で,見事に晴れ上がりました。今日は,ひょっとすると今生で最後となるかもしれない,水星の日面通過です。

写真は第三接触のようす。ピントが甘過ぎなのですが,まぁ観察記念ということで。実際の観察は,こんな感じで行ないました。

ちなみに,前回は2003年5月7日の午後。今回と同じような写真を撮っているところが,何とも…。

2006/11/09 渡名喜村立渡名喜小中学校

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あと 四分の一周

渡名喜島とは違って久米島にはコンビニもビデオ店も,スーパーも弁当屋もあって,本島に大都会だなぁと感じます。何といっても,島に高校があるので,若者の姿が見られるのです。那覇からの定期航空路線もあるので,観光客も大勢いました。

で,行く先々でそうした観光客と出会うのですが,こちらは観光に来たわけではないので,藪に頭を突っ込んで,落ち葉を掻き分けたりしているのです。そのねらいは…,久米島固有のクメジマゴマガイです。


クメジマゴマガイ

この殻は,ようやく見つけた1個体。2mmほどの大きさですが,見つけることはできるのです。けれども見つからないのは,探している場所がよくないのでしょうか。宮古島産ゴマガイ(おそらくミヤコゴマガイ)も,見つけるまでに,随分と時間が掛かりました。

残念ながら,この個体はまだ未成熟。あと少し成長すると,殻口付近が肥厚拡大して,朝顔状に広がるようです。


2006/11/04 久米島町宇江城

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ガラサー山

ガラサー山
久米島の港は,白瀬川の河口に位置する兼城港です。ここに入港する時に見えるのが,この「ガラサー山」。「ガラサー」とは方言でカラスのことですね。カラスなど鳥が集まることから名付けられた,とされています。そのことから,こんな「お話」もあったりと,興味は尽きないのですが…。


ガラサー山の石柱

何といっても目を引くのは,島の西側の頂から天空へ突き出した石柱。島全体が御獄になっているということで,中に立ち入るようなことはできない(しない)のですが,気になります。拡大撮影してみても,なぜこんな地形になっているのか,素人には見当もつきません。浸食されずに残った岩脈なのでしょうか?

2006/11/04 久米島町兼城

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残りは7つ

オモロヤマタカマイマイ
今回の久米島訪問の主目的の1つは固有の陸産貝類です。ところが,期待していたもののうち,観察できなかった方が多かったのです。時間的な制約が大きかった上に,現地の情報が不充分でした。

さて,その中でも生態写真が撮れたのは,この種類。久米島固有のオモロヤマタカマイマイです。オキナワヤマタカマイマイの仲間は,その美しい殻から愛好家も多いようです。わたしは,宮古諸島固有のウラキヤマタカマイマイが好きなのですが,そのほかの種類も,ぜひ野外で見てみたいものです。

    「原色日本陸産貝類図鑑」によるオキナワヤマタカマイマイ属のリスト(ほぼ分布域が北のものから順)
  1. ウラジロヤマタカマイマイ,Luchuhadra sororcula,奄美諸島(喜界島),トカラ列島
  2. トクノシマヤマタカマイマイ,L.tokunoshimana,奄美諸島(徳之島)
  3. ヒメユリヤマタカマイマイ,L.sooi,沖永良部島
  4. オキノエラブヤマタカマイマイ,L.erabuensis,沖永良部島
  5. ヨロンヤマタカマイマイ,L.yoronjimana,与論島(化石種)
  6. イヘヤヤマタカマイマイ,L.iheyaensis,伊平屋島
  7. クマドリヤマタカマイマイ,L.adelinae,奄美大島,沖縄島北部
  8. オキナワヤマタカマイマイ,L.largillierti,沖縄島
  9. アマノヤマタカマイマイ,L.amanoi,沖縄島南部
  10. オモロヤマタカマイマイ,L.omoro,久米島
  11. ウラキヤマタカマイマイ,L.hemihelvus,宮古島,伊良部島

2006/11/03 久米島町銭田

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ここにもあるぞ 亀甲模様

安山岩の柱状節理
久米島にやってきました。

主な目的は,火山活動に伴う様々な岩石・地形と固有の陸産貝類。

で,この一枚は安山岩の柱状節理。天然記念物に指定されている奥武島が有名ですが,これは,最南の集落,島尻の海岸で見られるもの。直径20cm程の六角柱が積み重なったようになっていました。

2006/11/03 久米島町島尻

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渡名喜島でも 増えている

ドバト
先日,島内でIT講習会が開かれたようです。その内容はブログの開設。このため,島内から発信されるブログがぐっと増えました。その一覧は,こちらのブログ,「仕事力向上委員会」で紹介されています。

さて,写真は,時を同じくして島内で増加中の生き物。お馴染みドバトです。種としては,ユーラシア大陸原産のカワラバトになるそうです。姿や大きさからは,キジバトの仲間のように思えますが,さにあらず。カラスバトと同属なのだそうです。

この一枚を撮影したときは,1羽だったものが,今日は3羽になっています。いずれも,足輪からレース鳩だと確認できます。このまま島に定着してしまうのでしょうか。どのように扱うのが環境保全的,且つ教育的か。難しい問題ですが,決断は早いほうがいいと思います。

2006/10/19 渡名喜村立渡名喜小中学校

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出身地で決めつける

ツヅラケムリグモ
地元沖縄の新聞で,とあるブログのこんな記事が話題となっていたので。記事の方は,厳しくも温かい視線で沖縄のことを見つめて書かれているように思います。けれどもこちらのクモは,出身地(というよりもこの場合は分布地,あるいは産地)で決めつけてしまいました。

このクモは,ツヅラケムリグモ。このクモが属するワシグモ科は県内に4種分布しているのですが,そのうち3種は八重山諸島産なのです。唯一この種だけが沖縄島に産するそうです。外見や斑紋がよく似ていて外見での区別は困難だということですが,全体の印象と産地から同定してしまいました。

2006/10/28 渡名喜村渡名喜林道島尻毛入り口

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