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秋の訪れ

ハチジョウススキ
サシバが島を通り過ぎ,日没も随分早まって,南国沖縄でも秋の気配が日増しに強まっています。この日は,ハチングィと島尻毛へ,花の写真を撮りに出掛けてきました。ところが,時刻が3時過ぎだったのに,思った以上に日が傾いていて,あまりいいカットが撮れませんでした。

早々に切り上げて,山を降りてきたときに出会ったのが,この風景。稜線の向こうへ隠れようとしている太陽からの光線が,ススキの穂に当たって輝いています。「金色の野」って程ではありませんが,この輝きに進み行く秋を感じました。

さて,この植物の正体。ススキだろうと軽く考えていたのですが,どうもハチジョウススキのようです。大柄で,葉も幅広なので。ところが,中間型もあって変種扱いにされることもあるという,何とも素人にはわかりにくい状況です。ここではハチジョウススキとしておきます。

2006/10/28 渡名喜村渡名喜林道東端

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そんなに赤くはないけれど

ヒメアカタテハ
「アカ-」という名前が気になって,図鑑をパラパラめくってみると,改めて気付かされたのですが,チョウの仲間に赤い翅の種類っていないんですね。もっとも赤いものは,ベニモンアゲハのようです(手元の図鑑では)。ガの仲間にはマエベニノメイガベニトガリアツバのように,見事に赤いのがいるのですけれども。やっぱり昼行性だと目立ちすぎてしまうのでしょうか?

このチョウは,ヒメアカタテハ。ご覧の通り,赤くありません。橙色ですね。それでも,同属のアカタテハよりは,“赤い”部分が多いのですが。「ヒメ-」というのは,一回り小さいことから付けられたのでしょう。先月紹介したときは交尾している様子でしたので,翅の表側が観察できませんでした。この日は沈む太陽を惜しむように翅を広げていました。

2006/10/28 渡名喜村島尻毛遊歩道

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茶色をメインに 渋めの色合い

アカタテハ
今年整備された島尻毛の遊歩道は,ヲモとハチングィに挟まれた鞍部に当たり,この季節は強い北風が吹き抜けていきます。ところが,今日は島の西方に弱い前線があったようで,ほとんど無風状態でした。空は厚い雲に覆われて,粟国の方は降り出していたようですが,幸いこちらに雨が落ちてくることはありませんでした。

そんな曇り空の下で活発に動いていたのが写真のチョウ。アカタテハです。同属のヒメアカタテハより一回り大きく,そして,色が「渋め」なのが特徴です。後翅表側の大部分は地味な茶色。翅の裏側は,複雑な模様もあって,オシャレにも見えるのですが。

偶然,1年前と同月同日の目撃となりました。

2006/10/27 渡名喜村島尻毛遊歩道

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腹黒くなる前の姿が ここにある

法事で訪れた宮古島。慌ただしく時が過ぎて,午後になると,ゆったりと時間が過ぎていきます。そこで,親戚の子どもたち縺れて,東平安名崎へとやって来ました。ここは,岬一帯が県指定天然記念物になっているのですが,島を代表する観光地で,遊具も整備されているのです。


ムナグロ

そこで見つけたのがこの鳥。子どもたちが大騒ぎをしている遊具のすぐ近くにいました。かなり近付いても,逃げることなく鮮明に撮影することができました。

この鳥は,ムナグロ。漢字で書けば「胸黒」です。まだ黒くないのは,この個体が幼いから。成熟する(夏羽)と,喉元から腹の下まで真っ黒になります。


8年前に比べると,ようやく見られるものになりました。

2006/10/22 宮古島市城辺保良,東平安名崎

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頻りに 擦りつけている

クロバネツリアブ
なかなか野外へ出掛ける機会のない日々が続いています。それでも,用事で外出するときはカメラを片手に被写体に出会うのを待ちかまえています。この日は,朝からの夏を思わせる日差しに昆虫たちが活発に活動していました。

その中で何匹も見られたのが写真のアブ。低く飛んでは,砂地に降りて,頻りに腹端を擦りつけています。特定の一匹の行動ではなくて,見かける個体が皆,このようなことをしているのです。

で,この正体はというと,大きさや体型,翅脈の様子から,クロバネツリアブだと思われます。それにしては,特徴的な白線が色褪せているのが気になります。成虫としての活動期間を終えて,産卵しているのでしょうか?

2006/10/23 渡名喜村西底原

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ヘソ飛行機の姿勢

ガジュマルハマキモドキ これまでにも,何度も何度も様々な昆虫を観察してきた,小さな藪。今回はガジュマルの葉の茂みを飛び回っていた小さな蛾です。明るい茶の翅色が,濃い緑の葉の色と見事なコントラストを示していました。

近くを通りながらパッと見ただけで,10頭近くを数えられました。毎日通っているのに,これまで気付かなかったということは,最近ほぼ同時に発生(羽化)したということなのでしょうか。詳細は不明(これもお馴染み)なのですが。


この蛾は,ガジュマルハマキモドキ。切り込み写真で示したように,止まっているときは,翅の後ろを持ちあげたようになっています。こちらのヤナギイチゴハマキモドキに,よくわかる写真が掲載されています。これによると,単純に翅を持ちあげているのではなくて,後翅を丸めるようにして立体的にしているようです。この形・上げ具合にヘソ飛行機を思い出してしまうのです。

2006/10/18・19 渡名喜村集落内の藪

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煌めく緑の…

ミドリオオハマキモドキ
火成岩覚え歌では,この後「閃緑岩」と続くのですが,今日は違います。実は,久し振りの宮古ネタ。生き物の写真があるのは,実に2004年2月末以来です。法事で訪れた宮古島で,合間を見て撮影をしてきました。

この一枚は,おつかいで外出したときに見つけたもの。生憎カメラを持たずに出たので,携帯電話のカメラ機能を使いました。低コントラスト高圧縮のため,今ひとつですが,特徴は捉えられているだろうと思います。

この蛾は,ミドリオオハマキモドキ。分布の記載が西表島だけなのですが,宮古諸島では未発見なのでしょうか。頭部の青,前翅前方の緑,後方の臙脂と,三色のそれぞれが金属光沢を持っていて,大変美しい色合いです。脚と触角の白点もオシャレですね。

美麗高解像度画像はこちら(いつもお世話になっている「【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】」から)をご覧ください。

2006/10/22 宮古島市城辺福里

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渡るのは鳥だけじゃない

アサギマダラ
鷹の渡りを迎えて,賑やかさを取り戻した秋の渡名喜島です。けれども,シギやチドリの仲間を見かけないのです。渡りの本番はこれからなのでしょうか。

さて,今日の一枚は大型のチョウ。集落の中で見かける,ツマグロヒョウモンやシロオビアゲハに比べると一回り大きく見えました。図鑑の大きさ表示(前翅長)では,ツマグロ-の36mm,シロオビ-の49mmに対して58mmとありますから,その大きさが判ります。

このチョウはアサギマダラ。よく見ると,前翅の白斑が薄く青くなっています。世代交代を繰り返しながら,南北に移動することで有名ですね。渡名喜には,南下の途中で立ち寄ったのでしょうか。

2006/10/19 渡名喜村西底原

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裏側だって特徴的

ナガマルコガネグモ背面及び腹面
モチキビの収穫を終えて,冬野菜の植え付けまでは農閑期になるのか,集落から離れたところにあるタカタの畑地は荒れ放題といった様相です。畑の周りの農道も,センダングサが伸び放題。普通に歩くのも大変です。でも,そんな轍の間にできた茂みから,おもしろいカットが得られました。

このクモはナガマルコガネグモ。草むらの外側で背面をこちらに向けて網を張っています。けれども,この時は網の裏側を覗くことができました。黄色の縦縞をうまく活かしたデザインになっています。腹部末端に糸いぼがあるのもよくわかります。同属のコガネグモの腹面はこちら。腹側からの写真は余り見つかりませんでした。

ところで,沖縄県内に分布するコガネグモ類(Argiope 属)は次の4種類。


  1. A. aemula,ナガマルコガネグモ
  2. A. amoena,コガネグモ
  3. A. bruennichii,ナガコガネグモ
  4. A. minuta,コガタコガネグモ

このうち,コガネ-とナガ-は沖縄本島北部に分布が限られているそうです。一方,ナガマル-は県内の島々に広く,コガタ-は本島周辺と八重山の島々に分布しているそうです。そして,ナガマル-は林縁や草地などの開けた場所に,コガタ-は林内に網を張っているそうで,いわゆる棲み分けが見られるようです。夏休みの自由研究にいいかもしれません。

2006/09/25 渡名喜村タカタ

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一番雀

エビガラスズメ もうすぐ日付も変わろうか,という時間帯。集落のコンクリ塀に大きな蛾が止まっていました。薄暗がりの中で見る茶褐色の翅は,周囲の闇に溶け込んでほとんど黒。ピント合わせに苦労しました。

この蛾は,エビガラスズメ。開いた翅から僅かに覗いている腹部の模様から名付けられたのでしょう。「エビの殻」なのか,「エビの柄」なのかは判りませんが。サツマイモを食害するそうですから,集落の裏庭にある畑などで発生しているのかもしれません。


ところで,図鑑やリストを見ると,このガはスズメガ亜科の中で一番最初に載っています。それだけ祖先的な形質を残しているってことでしょうか。

2006/10/09 渡名喜村集落内

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「鷹の写真」 再び

サシバの鷹柱
この日は所用で朝の便に乗って本島に。このため仕事はお休みを頂いて,船に載せるための荷物を準備していました。そんな時に頭の上から聞こえてきたのは,「ピックイィー」というよく通る鳴き声。サシバです。数日前のニュースで,宮古で飛来が見られたということを聞いていましたから,そろそろ島でも観察に行こうと考えていたのです。

だがしかし,こんな時間こんな場所で出会うとは。全くの予想外。慌てて荷物を放り出し(文字通り),カメラを真上に向けて何回もシャッターを切りました。そうして撮れたものから,トリミングしてみました。サシバの特徴がわかるものになったと思いますが,どうでしょうか。

2005年元日のコチョウゲンボウを紹介したときには,「高い所を飛んでいて,なかなか撮影できない」と書いたのですが,この日は集落の上空を超低空飛行。しかも午前10時に鷹柱です。こちらの,アカハラダカの鷹柱と比べると,低空の上に光も充分にあるので解像度がよくなっているのが判ります。

ノスリを紹介したときに書いたような理由で,「鷹の写真」を求めていたので,大変嬉しい一枚になりました。

2006/10/13 渡名喜村集落内(クビリガー)の上空

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縞々お目々

ミナミオオハナアブ
ちょっと字面がいいかと思って,こんなタイトルにしてみましたが,肝心の写真のほうはかなりピン呆けです。例によって,伸び放題の野草を掻き分け,被写体を探しているときに,足元の花に飛んできたところを慌てレンズを向けた一枚なのです。

この虫は,ミナミオオハナアブ。前回紹介したときは,頭部がよく写っていませんでした。今回の角度からは,その複眼の模様が何とかわかると思います。こちらのツマグロキンバエも,複眼に縞模様を持っています。トンボの中にも模様のあるものがありますが,縞にはならないようです。一体どんなbenefitがあるのでしょうか。

2006/10/06 渡名喜村ニシガニク(西兼久)

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アリの牧場

アリの牧場
渡名喜島で生活していると,もっともよく目にするアリが,このアシナガキアリです。屋外だけでなく,室内にもどんどん入り込んできて,気が付くと部屋の隅で行列を作っていたりします。

でも,この日見つけたのは,いかにも野生生物らしい姿。屋敷林のトベラの梢についている葉が,どれもクルクルと内巻きになっていたのです。そっと広げて覗いてみると,これがアブラムシの牧場。大小様々なステージのアブラムシが,ビッシリと群れていて,その間をアリが忙しそうに歩き回っていました。よく知られた種間関係ですが,簡単に共生とは言い難いようです。

こちらの アブラムシ ミニ図鑑によると,このアブラムシはワタアブラムシのようです。一方,こちらのサイト(英文)によると,有翅虫のダイズアブラムシのようでもあります。絵合わせでの同定は,このくらいが限界のようです。

2006/10/05 渡名喜村集落内

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今度は いい角度で

タテハモドキ
日没が迫った島の集落内は,まさに逢魔時の趣です。

といっても,出会ったのは一頭のチョウ。見つけたときは翅を閉じていたので,薄茶色の翅裏の模様が周囲の枯れ草に紛れ込んで,危うく見過ごすところでした。そのうち,翅を開いたり閉じたりし始めました。何の理由(目的・効果)があるのか判りませんが,思い出したように2~3度開閉しては,またしばらく閉じているといった行動を繰り返していました。

そこで,いい角度から写せるように回り込んで,待つこと暫く。露出やピントも調整して撮影した一枚です。このチョウは,タテハモドキ。ようやく翅の表側をハッキリと写せました。ちなみに,翅裏はこんな様子です。

2006/10/10 渡名喜村集落内の草地

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シミもいろいろ

ヤマトシミ
いろいろなシミというと,こんな話題あんな話題が一般的かも。

でも,このphotologでシミといえば,こちらのシミ。シミ目シミ科の昆虫です。漢字で書くと「紙魚」となって,名付けた人々の観察眼に感心させられます。昆虫の中でもかなり原始的な形質を残しているグループで,その最大の特徴は翅を持たないこと。また,チョウやカブトムシのような完全変態,バッタやセミのような不完全変態とも違う,「無変態」という発生形式です。

何てことは,生き物ヲタクにとっては,まぁ常識レベルの内容です。必死に複写した文献や大切な図鑑を囓る憎き存在でもありますし。だがしかし,このシミにも複数種あることには思いが至らなかったのです。手元の「沖縄産昆虫目録」にも4種がリストアップされています。図鑑では写真も記述も乏しいのですが,今はネットの時代。以下のリンクを参考に同定しました。


  1. セイヨウシミLepisma saccharina
  2. キボシアリシミ,L. albomaculata (上記リンクに記述あり)
  3. ヤマトシミCtenolepisma villosa
  4. マダラシミThermobia domestica

このシミは,ヤマトシミ。「腹部末端節(第10節)が短い」ことを決め手にしました。それにしても,心にゆとりのないわたしには,

逃るなり紙魚の中にも親よ子よ

と詠んだ一茶のようにはなれません。
それよりも,一茶の見た紙魚がヤマトなのかセイヨウなのかが気になってしまいます。

2006/10/02 渡名喜村立渡名喜小中学校

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黄色いスニーカーソックス

コサギ
正しくは「フットカバー」丈というようですが。

こちらのブーツを履いたようなクロサギと比べると,その特徴がよくわかると思います。足先だけが黄色くて,嘴も黒いのが見分けるポイントになるようです。

この鳥は,コサギ。渡名喜島での最初の投稿がこの鳥でした。今回は,大きな潮溜り状になった場所で,ギリギリ胴体が濡れない深さまで水に入っているところを見つけました。撮影のためにカメラを向けると,さすがに野生の勘は鋭いのか,さっと飛び立って,こちらを警戒していました。

2006/10/06 渡名喜村シュンザ

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黒いハイソックス 否,長手袋か!?

クロヒバリモドキ 夕暮れ時に訪れた海岸近くの畑。そろそろ引き上げようかというときに,足元の野草の葉に小さなコオロギがいることに気付きました。慌ててレンズを向けて,何とか撮影できた唯一のショットがこの一枚です。黄色い後脚と空の雲まで写り込むような光沢ある体が印象的でした。
で,帰ってきてから図鑑で絵合わせとなるのですが,掲載されているキアシヒバリモドキとよく似ているのですが,脚の色が違うようです。そこで,属名のTrigonidiumで検索し,手掛かりを得ました。

この虫は,クロヒバリモドキ。台湾のサイト「六足王國─台灣的昆蟲」で 黑脛草蟋蟀として雄個体が紹介されています。このページには,前脚・中脚の脛節が黒いこと,体色は光沢のある黒だが,頭部及び前胸背板に白く細かい毛があること,昼行性であることが書かれています。というか,書かれているようです。こんなとき,漢字文化を共有していると内容を想像できて便利ですね。

2006/09/05 渡名喜村ウーンナトゥ(南東海岸アンジェーラ浜後方草原)

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伝えられる言葉

ウグイス この場合は,「言葉」というよりも「声」とか「歌」だとは思うのですが。

去る9月18日は,初めての「しまくとぅばの日」(下記参照)でした。これは,今年新たに制定された県条例によって設けられたものです。でも,いくら読んでも「しまくとぅば」とは何なのか定義が見つからない。生活の場面で使われる島言葉は,今の子どもたちの間でも,次から次へと受け継がれ,また新しく生み出されていると思うのですが。

で,写真はウグイスです。渡名喜では,今の季節でもさえずりを聞くことができます。そして,これが一般的な「ホーホケキョ」ではないのです。


これは,ウグイスなどのさえずりは,若鳥が近くでさえずっている成鳥を真似することで,身に付けられるためだといいます。つまり,先輩から後輩へ口伝えで受け継がれていくんですね。それで,結構地域差があるのだとか。この渡名喜のさえずりが,どのくらいの広がりを持っているのか気になるところです。

こちらが渡名喜島のウグイスのさえずりです(mp3形式)。

こちらのWikimedia Commonsにウグイスの鳴き声ファイルが置いてあります。渡名喜島でのさえずりと聞き比べてみてください。(ただし,ogg形式なので,こちらからコーデックを入手してインストールしないといけないかもしれません。)

しまくとぅばの日に関する条例
(趣旨)
第1条 県内各地域において世代を越えて受け継がれてきたしまくとぅばは、本県文化の基層であり、しまくとぅばを次世代へ継承していくことが重要であることにかんがみ、県民のしまくとぅばに対する関心と理解を深め、もってしまくとぅばの普及の促進を図るため、しまくとぅばの日を設ける。

2006/09/11 渡名喜村大本田展望台駐車場

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天国は 足元にも

ミシシッピーアカミミガメ
職場の近くで,新たに造成が始まりました。古い溜池が危険なため,埋め戻すのだそうです。ギンネムなどの茂みになっていたこの場所は,ハブがたびたび目撃されていて,なかなか近付くことができなかったのです。重機が入って,スッキリと切り開かれ明るくなったところに行ってみました。

傾いたブロック塀から覗いてみて見つけたのが,このカメ。お馴染みミシシッピーアカミミガメです。誰かが島に持ち込んで,誰かがこの場所に放したのです。

島で暮らすわたしたちに自戒を促す一枚です。

2006/10/03 渡名喜村西底原

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21×2=42<100

オオムカデ アンジェーラ浜は島の東側にあるため,夕方になると早くに影になってしまいます。この日は早々に撮影を切り上げて,林道へ向かいました。既に日没まで30分ほどですから,何かを撮影しようというよりも,むしろ,次の機会に備えて被写体探しといったつもりでした。例によって,サンコウチョウハツカネズミを観察したポイントで車を止めて,藪に近付いていきました。
すると,何かが落ち葉を動かすカサコソという音が聞こえます。耳を欹てて音の主を捜すと,これが何とオオムカデ。目線より高い位置で,石灰岩の崖を這い回っていました。さすがに全身を見てしまうと,恐怖感のようなものが湧いてきて,腰が引けてしまいます。運良く(?)木漏れ日の中に進み出てきたので,フラッシュ併用で撮影することができました。それにしても,顎脚の角度が何とも言えず凶暴です。

2006/09/25 渡名喜村渡名喜林道南西側(タシル?)

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海を越え行く

オキナワハネナシサビカミキリ この日は所用で沖縄本島へ出掛けました。フェリーに揺られること2時間余りの旅です。途中でトイレに立ったとき,見つけたのがこの虫。船体の白く塗られた壁にしっかりとしがみついていました。場所は慶伊瀬(チービシ)を那覇向けに過ぎた辺り。こんな虫が住める場所ではありません,もちろんのこと。きっと渡名喜か久米から渡ってきたのでしょう。
この虫は,オキナワハネナシサビカミキリ(と考えられます)。体長は1cmほどでした。それにしても,鞘翅の白斑と触角の長さくらいしか特徴を捉え切れていないので,同定には苦労します。 標本写真の充実している「カミキリ情報館」さんに感謝,です。

2006/09/28 久米商船フェリーなは船上(渡名喜→那覇泊港)

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引っ掛かるのは 赤い腹

キンモウアナバチ
毎日のように通った夕暮れ前の畑。でも,終業後ということもあって,撮影できる時間は,ほんの僅かです。気が付くと日没を過ぎて,辺りはどんどん暗くなっていきます。

それでも,この日は収穫が少なかったので,随分遅くまでウロウロしたのです。そうして,いよいよ引き上げようかというときに気付いたのがこのハチ。胸部が黄色い毛に覆われていて,黄昏時の色彩の消えかけた風景の中で輝いているようでした。

で,何という種類かというと…,キンモウアナバチ,と同定しておきます。細い前伸腹節からアナバチの仲間だろうということ,そして体毛の色から判断しました。同属のクロアナバチと比べると,違いがよく判ると思います。しかしながら…こちらのサイトなどを見ると,どうも腹部の色が違うような気もします。詳細は不明ということで。

2006/09/27 渡名喜村アンジェーラ(山際の畑)

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