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スケール感に乏しい

オキナワマツモムシ
県民の森の駐車場から,林の中を通る斜面を降りると小さな池に行き着きます。谷筋の流れを堰き止めたような場所なのですが,木々に覆われて,昼間でも薄暗い環境です。トンボを求めてきた場所で,目についたのが水生昆虫。水面を走り回るミズスマシを狙ったのですが,こちらは満足のいく撮影ができませんでした。

そこで,次に狙ったのがマツモムシ。以前に渡名喜島で撮影して,オキナワマツモムシと同定したものより明らかに大型です。しかし,水面に浮かんでいるので,その大きさを実感できるように写すのは難しいです。まぁ見た感じでも1cm以上はありました。

更に,図鑑の分布域でもオキナワマツモムシは沖縄本島のみとなっていますし,前回は誤同定かもしれません。そこで,こちらをオキナワマツモムシとします。多分正しいハズ(余り自信無し)。

2006/08/12 恩納村県民の森,渓流コース

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細いのが前,太いのは後

この一枚を撮影したのはちょうど1ヶ月前。撮影地の関東地方は梅雨明け前でした。けれども,今日の気象情報では秋雨前線が本州にかかっているとか。沖縄の夏に比べると,本州の季節は駆け足で過ぎていきますね。


ホソヒラタアブ

舗装道路から見下ろした水田には,余り生き物がいるようには見えなかったのですが,ツユクサの生えている一角があって,そこでハナアブを見つけられました。なかなかジッとしてくれなかったのですが,ようやく撮影できたのがこの一枚です。

このアブはホソヒラタアブ。図鑑やサイトによって,分布域が九州までのものと沖縄を含むものと様々です。専門外には真相はわかりませんが,よく似た種類も多いので,意識して観察しないと種までは気付きそうにもありません。


2006/07/31 つくば市西大沼

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よく似てはいるのだけれど

リュウキュウアブラゼミ 渡名喜島に住んで3年目。その存在を忘れてしまいそうですが,この季節に強烈な存在感を持っているセミです。見た感じは,本州でもお馴染みのアブラゼミのようです。けれども,その鳴き声が全然違うのです。

このセミはリュウキュウアブラゼミ。図鑑では,その鳴き声を「ジュルルル…ジリジリジリギー」と書き表わしています。わたしには「ギー」のところで音程が急に下がるところが味わい深く感じられます。方言名は,この鳴き声を聴きなして「ナービカチカチー」と呼んでいます。


ところが,この夏は島の一部でこのセミの声が聞かれたようです。おそらく植栽工事に伴って幼虫が持ち込まれたのだろうと想像しています。元々この島には,クロイワニイニイだけしかいなかったという話も聞きます。2種類だけしかいない渡名喜のセミも,まだまだ謎がありそうです。

2006/07/26 南城市(旧大里村)島添えの丘

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天から舞い降りた 緑の珠

サツマノミダマシ ふと,カンダタはこんな光景を見たのか,何て考えてしまったのです。

センターの入り口で,守衛さんに受付場所を聞いてノコノコ。ようやく建物近くに来たとき,舞い降りてきたのです。この緑の珠が。ふわりと漂うようにして,止めてあった自転車にくっつきました。そこで,すかさずカメラを取り出し撮影した一枚です。

このクモは,サツマノミダマシ。「薩摩蚤騙」ではなくて「“薩摩の実”騙」。薩摩の実というのはハゼの実のことだそうです。ハゼの実というとこんなイメージでしたので,ちょっと意外な命名です。


2006/07/29 つくば市JAXA筑波宇宙センター

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時には陽の当たるところへ出て

ギンボシザトウムシ
恩納村の県民の森は,遊歩道が整備されていて,気軽に森の生き物を観察できます。中でも,渓流コースは文字通りの沢筋谷筋で,昼なお暗い,といった場所が続きます。オマケにしっとりジメジメ,乾いた都市環境とは全く違った状態です。

そんな林床でよく見られるのが,ザトウムシの仲間。しかし,薄暗がりの中で,結構素早く歩いていたり,体を揺らしていたりして,なかなか撮影できずにいました。

この日は,偶然,3匹のザトウムシが日だまりの中でジッとしていました。そのうちの1匹を正面から捉えたのがこの一枚です。これは,ギンボシザトウムシと考えられます。腹部の1対の白斑と,中央の突起が特徴だそうです。撮影しているときは,背面に飛び出したようになっている単眼が気になりました。

こちらのサイトでは,ザトウムシのお食事風景が紹介されています。結構スゴイ食いっ振りです。

2006/08/12 恩納村県民の森,渓流コース

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今度こそ 間違いない

シオヤアブ♂,トンボを補食
筑波の生き物シリーズ,その5はシオヤアブ。と見せかけて,トンボが写っているところがポイント。つくばエクスプレスで終点「つくば」まで来て,さぁバス乗り場はどこだとウロウロし始めたところで,眼に飛び込んできたのです。すかさずカメラを取り出して,膝をつき,数打ちゃ当たる方式の撮影開始。と,いつもの行動パターンなのですが,道行く人々の視線は冷ややかでした。

さて,今回の撮影でもって,シオヤアブの正体がはっきりとわかりました。全身に生えている毛は黄褐色なのですね。これまでシオヤアブ(の一種)としてきた虫は白ですから,別種と言えるでしょう。この個体は腹端で純白の毛が房になっていますが,これは雄の特徴だそうです。

2006/08/02 つくば市つくば駅前広場

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暗がりで目立つ

オオハラビロトンボ
リュウキュウルリモントンボを見つけた池で,もっとも目立っていたのは,実はこちら。オオシオカラトンボやウスバキトンボに比べると随分小さいのですが,見事なまでに鮮やかな赤の腹部が印象的です。しかも背腹に扁平になっていて,より目立つようになっています。

このトンボは,オオハラビロトンボ。小さな池ですが3頭ほどの雄が常にパトロールしていて,侵入者を追い出していました。産卵していた黒っぽいトンボはこの種の雌だと思います(確かめられませんでしたが)。北海道から九州にかけて分布する同属のハラビロトンボは赤くならず,シオカラ型の色彩のようです。

2006/08/12 恩納村県民の森,渓流コース

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盛夏の前に 秋の装い

ホソミオツネントンボ
朝食前のお散歩で行き着いた杉林,足回りの準備などしていなかったのですが,思い切って入ってみました。余り経験がないので,管理されているのかどうかもよくわからないのですが,落枝落葉がマットのようになっていました。

そんな褐色の世界で見つけたのがこのトンボ。全身薄茶色のイトトンボは見たことがなかったので,張り切って撮影に取りかかったのですが,ここで蚊の大群が襲来。露出など,もっと工夫したかったのですが,あまりの痒みに逃げ出してしまいました。

このトンボは,ホソミオツネントンボ。何と成虫越冬するのだそうです。それで「越年(オツネン)」。8月くらいから羽化が始まり,その頃の体色はご覧の通りの地味な色合い。年を越して繁殖期になると鮮やかな青色に変わるようです。

2006/07/31 つくば市西大沼

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トンボの眼鏡は サングラス

オオシオカラトンボ
ウスバキトンボを求めて行った大里内原公園。けれども,なぜか今年は群れが見られません。台風も来ているのに,なぜでしょう。そこで,河岸を変えて…ということではありませんが,向かい側の斜面に行ってみることにしました。公園の駐車場から,よく整備されている様子が見えたので。

畑の間の小道を歩くと周囲には直径が10mを越えるような岩塊があります。正面の石灰岩の崖が崩落したもののようです。玉城から知念にかけての南斜面とよく似ています。その中腹に駐車場が整備されていて,その脇に湧泉がありました。

本当に小さな水場なのですが,グッピーやオタマジャクシ(種不明)がいて,植栽と自然植生が入り交じったいい環境です。そんなところでなわばり防衛していたのがこのトンボ。黒紫色の複眼と空色の体が印象的なオオシオカラトンボです。というか,シオカラ型のトンボに,こんなにいろいろ種類があるとは図鑑を見て初めて知りました。このオオシオカラトンボも全土に分布すると書かれているので,ひょっとすると,幼い頃に見ていたかもしれません。

2006/08/11 南城市(旧大里村)島添えの丘

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赤くなくても 赤とんぼ

ナツアカネ
筑波の生き物その3は,やっぱりトンボ。朝食前に撮影してきた一枚です。宿泊したホテルから水田の向こう側に見えていた林に出掛けてみたのです。水がたっぷりある環境ですから,いろいろな生き物が見られるんじゃないかと期待していたのですが,限られた時間と不充分な装備では,満足のいく成果は得られませんでした。

このトンボも,撮影したときには,何だか特徴のない種類だなぁくらいにしか感じなかったのです。それで1カットしか撮影しなかったのですが,結局その角度がよかったようです。

このトンボは,ナツアカネ。胸部の黒条が長方形のように断ち切られているのが特徴なんだそうです。ここが日本刀の先のようになっていると,アキアカネという同属別種。微妙です。赤くないのは,まだ成熟していないからなのですね。オキナワで観察したタイリクショウジョウトンボに比べると,全然赤くないのに…とも思うのですが,これが「真の」赤とんぼなのです。

それにしても,種小名のdarwinianumが気になります。進化論のダーウィンと何か関係があるのでしょうか?

2006/07/31 つくば市西大沼

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これが スケイリーフットだ!

スケイリーフット
ついに,千葉県立中央博物館のウェブページで,スケイリーフットの画像が公開されました。詳細(とは言えないかもしれないけど,これくらいしか判っていないのでしょう)な解説文も一緒です。無断転用などは禁止されていますので,ぜひ,ウェブページにアクセスして,驚異の軟体動物をご覧ください。

で,写真はわたしが携帯電話のカメラで撮影したもの(展示物の撮影が許可されているところも太っ腹)。縮小して圧縮してあるので,何だかなぁという一枚ですが,ウロコ模様はわかるかと思います。ぜひ,こちらの高解像度画像をご覧ください(ちょっとクドイか)。

2006/07/28 千葉県立中央博物館

こちらのブログでも紹介されています。

2006/08/22 追記

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暗がりで煌めく

リュウキュウルリモントンボ
この夏は,ワケあってトンボに注目。沖縄本島で野外活動をしていました。中南部には余り無い林内の水場環境を求めて恩納村安富祖の県民の森に行ってきました。夏休み中の週末ということもあって,人がたくさんいるかなと思ったのですが,駐車場はガラガラ。まぁ,暑いことは暑いのですが,穴場ポイントかもしれません。

この県民の森,駐車場から遊歩道が整備されていて,小さな子供でも野外観察がしやすくなっています。この日はお目当てのトンボがいそうな渓流コースへ。斜面を降りていくと,小川が堰き止められたような池があります。そこで撮影したのがこの一枚です。

このトンボは,リュウキュウルリモントンボ。薄暗い林の中では,胸と複眼の瑠璃色が本当にキレイです。余り飛び回らずに,低いところを漂うようにしていました。この角度からではハッキリとしませんが,腹部体節の腹側には白斑が等間隔に並んでいて,グループの名前がモノサシトンボ科となっていることが頷けます。

2006/08/12 恩納村県民の森,渓流コース

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なるほど見たことがないハズ

ノシメトンボ
団体行動の隙を突いて野外撮影へ。宿泊したホテルの周りは,わたしにとっては珍しい田園地帯。この時は梅雨明け前ということもあってか,稲には穂も見られず青々としていました。

そんな,田んぼの脇で見つけたのがこのトンボ。見慣れたウスバキトンボと違って,翅の端が黒くなっています。例によって撮影してから図鑑で絵合わせしてみると,どうやらノシメトンボのようです。この黒斑は,かなり特徴的なようです。で,生息環境の記述を見ると,「植生の多い池沼,水田,溝川など」となっています。このような場所に出掛ける機会は余りありませんでしたから,これまで見たことがないのも当然ですね。

2006/07/30 つくば市西大沼

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煌めく極彩色は やっぱり警告!?

オキナワハンミョウ 以前紹介した渡名喜島のコハンミョウは,何というか,極フツーの色彩ですが,こちらは全く違って絢爛たる色彩です。といっても,ハンミョウというと,まず,こちらの方を思い出すのでしょうけれども。

この虫は,オキナワハンミョウ。ネット上の記述では基亜種ハンミョウは,Cicindela japonicaとされているものが多いのですが,手元の資料ではC. chinensisとなっています。独立種としているページもあって,このあたりの事情は,やや不明瞭です。とはいえ,この虫の美しさは変わりありませんが。


2006/07/23 恩納村県民の森,渓流コース

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そういえば,昔馴染みの顔でした

オオヒラタシデムシ 国土地理院について,さぁ記念撮影しようとカメラを取り出すと,それに合わせたかのように青灰色に輝く虫が飛んできました。すぐに甲虫だとはわかるのですが,いったい何の仲間かはハッキリとしません。慌てて追いかけてみました。

植え込みの中で見つけて撮影したのがこの一枚。オオヒラタシデムシです。昔々,東京で暮らしていた頃は幼虫をよく見かけました。死骸などを食べるのですが,そこでふと思いついたのは,沖縄でこのニッチは,どんな昆虫が占めているのだろうということ。ルリエンマムシがいますが,余りたくさん見ないので。

2006/08/02 つくば市

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渡名喜残照

那覇から望む渡名喜の島影
「慶良間は見えるけれども…」という有名なことわざがありますが,渡名喜だって見えるのです。よく晴れた,というよりも海面近くに靄がない日に高台に登ると,水平線の彼方にその島影を見ることができます。でも,そんな日はなかなか無くて,これまでうまく撮影できずにいたのです。

この日は,ちょうど日没の方位が島のあたりに来て,島影が文字通りのシルエットとなって浮かび上がっていました。右端の最高部がヲムとすると標高150m程です。渡名喜から望む沖縄本島は,煌めく町の灯りが眩いばかりですが,その逆は天候と時刻が整わないと難しくなります。

2006/08/10 那覇市

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つくば,ふたたび

32mVLBI
先日に続いて,筑波へ行ってきました。今日の目的は2つ。1つ目は地質標本館で行われている特別展「美しい砂の世界」。秋葉原の駅でパンフレットだけ貰っていたのですが,我慢しきれず出掛けてしまいました。
ついでということではないのですが,折角なので,国土地理院にある地図と測量の科学館にも足を伸ばしました。こちらで行われている企画展「地図記号わくわく大図鑑」が2つ目の目的です。

で,その内容はというと…。砂マニアにして地図ヲタクなわたしにとっては正に聖地でした。ザック一杯におみやげを購入してしまいました。

残念ながら撮影した写真の公開は控えて貰いたいとのことなので,この一枚を選んでみました。このアンテナ,ゆっくり自転しています。国土地理院探検によると(ただしこちらで仮名を漢字に適宜変更),

VLBI測量とは、宇宙の遙か遠くにある、電波星からの、微かな電波を二つの場所で捉えて、それぞれの位置を正確に求めるものです。
 これによって、地球表面の動きを調べています。アンテナの直径は32mもあります。

だそうです。

2006/08/02 つくば市

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青でも安心できません

ヒロヘリアオイラガ 民家の庭先,金属製の塀で見つけた毛虫です。「毛」といってもその実態は危険な棘。毒虫として有名なイラガの幼虫ですね。こちらのサイトを参考にして,ヒロヘリアオイラガに同定しました。それにしても,随分いろいろな植物を食べるようです。沖縄県内にも分布するようですが,まだイラガの類は見たことがありません。

撮影を終えて,辺りを見回すと,大小様々なサイズがたくさんいました。うっかり触れていたら,大変なことになっていました。


2006/07/28 東京都

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