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みんなで 家捜し?

膜翅目の一種
梅雨明け翌日のこの日は,朝から強い日差し。たまたま用事で出掛けたときに,不思議な光景を見ることができました。島の集落は二つの山塊をつなぐトンボロの上に立地しているのですが,そのためもあって集落内は白砂が敷き詰められたようになっています。

この一枚を撮影した家の庭先も一面の砂地。畑にしているようでもありました。広さは5m四方ほど。その地表スレスレを小さな黒い虫が大集団で飛び回っているのです。あたりを埋め尽くすようにいるのに,地表10cmよりも上には飛び上がることなく,また何かにとまることもなく,ただウロウロ飛び回っている様子はちょっと異様な感じでした。

ちょっと失礼して近付いて見てみると,さすがに時々は地表に降りています。そして,砂に掘られた穴に出入りしているのです。何度か出入りすると,また飛び立って,しばらくすると,また出入りしています。同じ個体なのか,別個体なのかは確かめられませんでしたが,エサを運び込むといった様子は見られませんでした。

さて,このハチ,種名が判りません。オキナワツヤハナバチに似ていますが,こちらは地面に穴は掘らないようです。集団で飛んでいる様子はヒメハラナガツチバチのようでもあります。以前掲載した膜翅目の一種のように,小型のハチは難しいです。

2006/06/21 渡名喜村集落内庭先の砂地



ワラビー(沖縄タイムス 日曜子ども版)紙上に連載されている「ゲッチョセンセの沖縄おもしろ博物学」No.283 『砂浜のハチ』(2006/09/24付)に,このハチが掲載されていました。それによると,「ヤマトスナハキバチ」となっています。ところが,そのハチの分布南限は屋久島まで。こちらのサイトによると,沖縄には別亜種が分布することになっています。手元の『沖縄産昆虫目録』とこちらのサイトから,和名「リュウキュウスナハキバチ」,学名Benbicinus bimaculatusがふさわしいようです。このハチは,狩りに先立って産卵するそうですから,この時観察したのも,そんな場面だったのかもしれません。また,この仲間は,良好な砂浜海岸の減少によって生息域が狭められてきているそうです。渡名喜島の個体群も大切にしていきたいものです。

2006/09/26 追記

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