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もう惑わされない

ゲッキツ
集落の生垣に一輪だけ咲いていた白い花。周りには膨らんだ蕾がいくつもありました。これから花の盛りを迎えるのでしょう。

この花はゲッキツ。以前,これとは全く別の花(トベラ)のことをゲッキツだと思いこんでいました。こうしてみてみると,共通点はそれほどありません。白い花弁と葉の色くらい。香りもトベラは集落中に漂うのに,ゲッキツの方は鼻を近付けて,ようやくそれと判るくらいでした。

左上のカットは熟した果実。ミカンの仲間らしくない赤ですが,表面の様子はまさしくミカンです。「ゲッキツ」の「キツ」は「柑橘」の「橘」なのでしょうね。

2006/04/27 渡名喜村集落内

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白くて大きい ナガサキのはね

ナガサキアゲハの雌
所用で集落内を歩いていると,突然目の前を横切る大きな蝶。この時期,島にはリュウキュウアサギマダラシロオビアゲハがたくさん飛んでいます。これらの蝶は見慣れているため,一目でこの一頭とは違うことが判ります。

何といっても大きいっ!! そして何よりも,翅が白いのです。特に後翅には大きな白斑があって,真っ白に感じられるほどでした。何とかいいカットを撮ろうとして,犬に吠えられながらも垣根越しにカメラを差し出して撮った一枚です。前翅がブレていますが,白っぽいことは判ると思います。

この蝶は,ナガサキアゲハの雌。この白斑には地理的クラインがあるそうで,南方に行くほど白くなるそうです。そして,県内産アゲハチョウ科では最も大きくなる種なんだそうです。本当に迫力ありました。

2006/04/27 渡名喜村集落内

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葉っぱの上で一休み

リュウキュウオカモノアラガイ 雨上がりの集落内は,至る所でカタツムリが見られます。大きさも様々で大発生状態。野菜や花卉の被害も相当あるのではないか,と想像してしまいます。集落内で目に付くのは,オキナワウスカワマイマイパンダナマイマイなのですが,よく探すと別な種類を見つけることができます。

それがこの貝。アフリカマイマイを小さくしたような形ですが,もちろん別種。リュウキュウオカモノアラガイといいます。分布域が八重山諸島とトカラ列島となっているところが,ちょっとアヤシイのですが,とりあえずこれに同定しておきます。この個体は白味が強い殻を持っているようです。ふつうはもっと黒灰色です。


これで,渡名喜島の陸産貝類は以下の9種類を確認できました。

  • オキナワヤマキサゴ
  • オキナワヤマタニシ
  • リュウキュウオカモノアラガイ
  • ノミガイ
  • ニセノミギセル
  • シュリマイマイ(?,死殻はたくさん見つかる)
  • パンダナマイマイ
  • オキナワウスカワマイマイ
  • アシヒダナメクジ

2006/04/24 渡名喜村西底原

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棘なし 脈あり 真っ黒け

コメツブウマゴヤシの果実 今日の沖縄県地方は雨模様。低気圧に伴う前線の影響ですが,梅雨の気配を感じてしまいます。うりずんも,もう終わりですね。

最近,島の空き地で目立つのが,写真の黒い実。大きく育った草の全体にいっぱい付いています。これはコメツブウマゴヤシの果実。一つひとつは種子になります。こうして花序の写真と比べてみると,どこが一つの花なのか,対応がよく判ります。

これらの種子は,ちょっとしたキッカケでパラパラと落ちていきます。この大きさ・形だと重力散布だと思われます。種子を大量に生産して,徐々に分布を広げていくのでしょう。


2006/04/25 渡名喜村西底原

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決定的な瞬間

アトムモンフシキイロオナガバチ? ようやく3年越しの疑問が解決に向かって動きました。正に,「棚を吊って 牡丹餅を待つ」という感じです。

というのも,一昨年2004年5月に見かけた正体不明の昆虫を三度観察し,しかも産卵行動を目撃できたのです。昨年は藪の中を飛び回る様子から,寄生蜂ではないかと予想したのですが,今年は違います。ご覧の通り,葉の中に産卵管を差し込んでいたのです。腹部先端の黒い棒状突起は産卵管を巻くように包んでいます。それで,産卵中は後方へ突き出したようになっています。宿主が何かは不明ですが,狩蜂説は否定できそうです。


図鑑やネットを駆使して調べてみると,キイロオナガバチ,Xanthopimpla の仲間のようです。兵庫県産のもの海外(タイ?)のものを見ると,属までは間違いなさそうです。

ここからは全くの推測ですが,胸部後端の黒紋が無いことから,「アトムモンフシキイロオナガバチ,Xanthopimpla stemator」いうのが怪しく感じられます

2006/04/25 渡名喜村集落内の藪

わたなべ さま,よりご指摘いただいたように,誤同定でした。
正しくはXanthopimpla punctata です。
ご指摘ありがとうございました。
2009/08/17 追記

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春を過ぎても

ハハコグサ
4月も半ばを過ぎると,梅雨入りも間近になって,うりずんの終わりを感じます。2月・3月とたくさん見られた春の野草の花々も,もう実を結び,枯れ始めているものもあります。

そんな中で見つけたのがこの株。グラウンドの除草をしているとき,たまたま目の前に現れた,といった感じでした。周りの方々は作業中だったのですが,ちょっと失礼して撮影開始。協力していただいたみなさん,ありがとうございました。

この花は,ハハコグサ。春の七草の一つ「ゴギョウ(オギョウ)」ですね。白い綿毛に包まれた姿や,黄色い花はいかにも春らしく感じられます。こんな時期まで咲いているのですね。同属にチチコグサというのがあるので,「母子草」かと思いきや,綿毛のようすを「ほうけ立つ」と言い表すことからきた「ははけ」草なんだそうです。名は体を表わすという,いい命名ですが,あまり趣は感じられませんね。

2006/04/23 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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全身トゲトゲで 防御は完璧

コシロモンドクガの幼虫
島の集落を歩くときは,何か被写体はないかとあちこち見回しながらなのですが,その時気を付けて見るのが,葉の食痕。囓られているということは,その葉を食べた何者かが近くにいるだろう,というわけです。

この日は,あまり通らない場所だったので,じっくりと探してみたのですが,そこでビックリ。ご覧のように赤・黒・黄色とこれ以上はないというくらいの警戒色。それが大小取り混ぜて,たくさんいるのです。

この毛虫は,コシロモンドクガ。同属のヒメシロモンドクガとは,


  • 頭部が赤いこと
  • 体側の毛の束が2対とも白いこと
  • 尾部の毛の束が黄色いこと

で,区別しました。このうち尾部にも毛の束があるのは終齢幼虫の特徴だそうです。姿形に恐れをなして,手を出さずに済ませたのですが,ヒメシロモンドクガの方はそれほど毒性は強くないようです。だからといって,安心はできませんが。

2006/04/06 渡名喜村集落内の藪

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年長さんは逃げ足が速い

ヒメナガメの幼虫が集合 以前,成虫を撮影した集落内の畑。シマナは花が終わった頃,全部引き抜かれて積んでありました。普段は,朝晩しか通らないので気付かなかったのですが,この枯れ草に,そのままたくさんくっついていました。

写真は,ヒメナガメの幼虫が集合しているところ。もう少し大きくなったものもいたのですが,レンズを向けたら,わらわらと逃げてしまいました。写真に写っているだけで,大きさが3階級あります。このほかにも成虫がいましたから,現在発生時期の異なる集団が4つ共存しているのでしょうね。


2006/04/19 渡名喜村集落内

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両雄揃い踏み

ホソワラジムシ
いつも生き物を探させてもらっている畑に,誰が置いたものか板切れがありました。A4判ほどの小さなものなのですが,その裏側にはいろいろな動物が集まってきています。毎朝ひっくり返すのが日課になってしまいました。

そうして撮影できたのがこの一枚。わたしがこよなく愛する等脚目と有肺亜綱の揃い踏み。奥に見えているのは,以前にも紹介したニセノミギセル。久米島,伊平屋島,粟国島に加えて慶良間諸島に分布しています。

手前が今日の主役のホソワラジムシ。これでも外来種なのだそうです。どこにでもいる感じですが,それだけ人の暮らしに密着しているのでしょうね。この角度からは,脚が7対あることや胸部が8節,腹部が5節あることもわかりますね。

2006/04/17 渡名喜村西底原

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階段模様が決め手です

ウスチャバネヒメカゲロウ 一晩中煌々と照らされるようになった渡名喜島の集落では,灯りに惑わされた虫たちを観察することができるようになりました。この時期は,ガの仲間やコメツキムシの仲間が多いのですが,この日はちょっと変わったものを見つけました。

照明が届かなくなるようなギリギリの所に止まっていたのは,茶褐色の小さな虫。形からクサカゲロウの仲間かなと思い撮影しました。何しろ1cmほどなので,ピントと露出を合わせるのにずいぶんと苦労しました。試行錯誤の十数枚の内,何とか見られるものがこの一枚です。


この虫はウスチャバネヒメカゲロウ。クサカゲロウ科に近縁なヒメカゲロウ科というのがあるんですね。翅の中に黒褐色の階段状になった翅脈があるのが特徴のようです。こんなに弱々しい体つきですが,昆虫類を食べる捕食者なんだそうです。見かけによらないというか,何というか。

2006/04/18 渡名喜村集落内

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たとえ翼は破れても

シラホシトリバ
今年はちょっと時期が早いように感じますが,集落内のナワシロイチゴがもう実を付けています。まだ花も残っているので,仄かに甘い果実を味わいながら,訪花昆虫を撮影していました。

すると,小さなオレンジ色の虫が,あちらこちらで漂うように飛んでいます。ずいぶん華奢な体つきだなぁ,などと思いながら,レンズを向けてみますが,これがなかなかジッとしてくれない。止まったかと思うと,すぐに飛び立ってしまうのです。そうして,ようやく撮影できたのがこの一枚。

ちょっとブレているためか,細部がハッキリとしませんが,とても複雑に,たくさんの突起が出ています。翅も破れたような隙間があります。すぐにトリバガの仲間だとわかったのですが,そこから先は時間がかかりました。

この虫はシラホシトリバ。よく似たものにキンバネチビトリバがありますが,後翅が前翅の半分程度しかないことと,止まっているときの後脚の位置などから,こちらに同定しました。ノブドウなどを食害するそうです。島では何を食べているのでしょうか。

2006/04/03 渡名喜村西底原

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怪しいのは脛の色

シオヤアブ
以前「アオメアブ」として紹介した虫ですが,どうも怪しくなってきました。図鑑をよく読むと,体色が褐色なのが特徴らしいのです。確かに,ネット上の写真もそうなっています。更に決め手は交尾の姿勢。腹端を付き合わせて反対向きになって行なっています。

ところが,この種はご覧の通り背中に乗って行なう方法です。それで,図鑑に載っている中では,シオヤアブがもっとも適当かと考えられます。けれども,写真の個体は,どちらもフ(足付)節,脛節,腿節が総て黒く,シオヤアブの記載とは異なっています。おまけに,ネット上の写真ではシオヤアブの交尾姿勢はアオメアブと同じになっています。

結局,よくわからない,というのが現状です。それで,図鑑に従って「シオヤアブ」と同定してしまいます。いいのかな?

以前「シオヤアブの一種」として紹介した石垣島産の個体では脛節が赤褐色なんですけれど。

2006/04/05 渡名喜村西底原

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親子関係は 不確かだけど

ミシシッピーアカミミガメ
家族サービスで訪れた動物園。のんびり園内を散歩しながらも,実は被写体を探しているのが悲しいところ。この一枚も,そうして見つけたもので,家族を放り出してシャッターを切っていました。

以前も紹介したミシシッピーアカミミガメですが,背中に乗っている小さい方のポーズがおもしろくて。まぁ,それだけなんです。

ここは,前回のような池ではなくて,どう見ても展示施設。パッと見て十数個体いたこのカメたちは飼育されているのでしょうか。それとも隔離されているのかな。

2006/04/08 沖縄市こどもの国

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移動禁止令

アリモドキゾウムシ 朝の出がけにふと宿舎の壁を見ると,ハエにしては細長い姿。顔を寄せて,よく見てみると,何と,話には聞いていた,アリモドキゾウムシ。サツマイモ類の大害虫ということもあって,その駆除・防除が大きな問題になっているようです。沖縄県内では,平成14年に久米島が防除地域に指定されています。

渡名喜の畑でも,サツマイモはたくさん植えられています。海岸などではヒルガオ類が大繁茂。この虫の根絶は大変な事業でしょうが,県にはウリミバエ根絶という輝かしい前例があります。県民みんなで協力したいですね。


2006/04/13 渡名喜村集落内

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みんなと同じ 無花果タイプ

オオイタビの果嚢
まさに灯台下暗し。宿舎の目の前で,ずっと見たかったものがたくさん見つかりました。この大きな実は,オオイタビの果嚢。前回は大きな岩にへばりついた姿を紹介しました。それから,ずっと気にかけていたのです。けれども,見かける株は,どれも似たような「へばりつき」タイプ。まさか,こんな姿で実をつけているとは考えもしませんでした。

この株は,屋敷林のフクギを利用して,人の背丈以上に立ち上がり,周囲に枝を伸ばしています。葉の大きさも,へばりついている部分とは全く違い,数倍あります。パッと見たとき,イチジクに見えたのですが,葉の形が違うし,こんな所にイヌビワかと不思議に思ったのです。よくよく見てみると,これがオオイタビでした。全体的に大柄なガジュマルといった感じです。熟すと紫色を帯びるそうですから,ますますイチジクのようになるのでしょうね。

2006/04/06 渡名喜村集落内の屋敷林

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早くも 夏の装い

カイツブリ
久し振りの鳥ネタは,沖縄こどもの国のカイツブリ。この日は間近で潜水を繰り返す姿を見せてくれました。よく見ると,水中の脚も写っています。カイツブリの特徴である脚の位置が判ると思います。首の上部が光を受けて赤褐色の部分がよく目立っています。これは夏羽の特徴。もう暫くすると雛鳥が見られるかもしれませんね。

2006/04/08 沖縄市沖縄こどもの国

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星といいつつ 地にも見える

キボシツツハムシ 気をつけていれば,いろいろな生き物に出会える渡名喜島の集落です。その中でも,何ヶ所かの藪は要チェック。今日は,オキナワスズメウリの茂みの前を通ったので,時間をかけて探してみました。

そこで見つけたのが,この虫,キボシツツハムシです。。数日前に眺めていた図鑑のページで,おもしろい模様だなぁとじっくり見ていたので,見つけたときは驚いてしまいました。色彩と斑紋には個体差があるようですが,この個体は,全体にコントラストが低め。それでも,和名の由来になった黄色い斑点が見事です。


けれども,これだけ黄色の部分の面積が大きいと,黄色い星の紋様にも,茶褐色の網状紋様にも,どちらにも見えてしまいますね。

2006/04/11 渡名喜村集落内の藪

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三裂した後 弾け飛ぶ

リュウキュウコスミレの果実 渡名喜の集落の中で,たくさん見られるリュウキュウコスミレ。この時期にはたくさんの果実が見られます。花には5枚の花びらがあるように見えるのですが,果実の方は,ご覧の通り。3つに裂けて3軸放射相称です。ちょっと不思議な気もしますが,上弁・側弁が本来1枚だったりすると,ちょうど3軸になります。改めて花を見ていて,そんなことを考えました。

さて,この果実。乾燥してくると,莢が閉じるようにして種子を弾き飛ばします。自動散布という種子散布型だそうです。まだ,自然に飛び散るところを観察したことがないのですが,さぞかし壮観だろうなぁと想像しています。


2006/04/05 渡名喜村集落内の藪

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行方不明になる直前

ヨツモンタマノミハムシ
どうも3mm位のところに壁があるらしく,これより小さいと,とたんに写りが悪くなってしまいます。もちろん,これは,わたしの技術の問題なのですが。

この一枚も,決していい状態ではないのですが,たまたま図鑑に載っている写真と特徴が一致して,同定できたので使ってみました。

この虫は,ヨツモンタマノミハムシ。光沢のある赤褐色の体に,四つの大きな黒斑。パッと見た時はテントウムシの仲間かと思ったのですが,シャッターを押す間に落ちるようにしていなくなってしまいました。じっくりと観察する暇もありません。図鑑には,「接写しようとするとピィーンと跳びはね,行方不明になるカメラマン泣かせの虫」とあります。個体数が多くないそうですから,もう見る機会はないかもしれません。それでも,リュウキュウボタンヅルの藪では,気をつけて探したいと考えています。

2006/04/04 渡名喜村集落内の藪

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プロテクターは糞と皮

コガタカメノコハムシ幼虫
穴だらけになった葉っぱを裏返してみると,お目当ての虫が見つかりました。枝分かれした棘で全身を覆った上に,怪しげなプロテクターを載せたようなこの姿。これは,コガタカメノコハムシの幼虫です。ちょっとつついて脅かしてやると,黒いプロテクターを持ち上げます。威嚇,のつもりなんでしょうが,何ともユーモラスに見えます。この黒い物体,脱皮した古い皮と糞の塊なんだとか。見事なリユースといえますね。

2006/04/03 渡名喜村集落内の藪

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味はともかく いい香り

マルバチシャノキ
毎日通る道すがらにある小さな藪。これまでにも,色々な生き物を観察してきました。フクギを主体に蔓性の植物か絡みあって,実にいい感じなのです。

その中の大きな葉を持つ植物が気になっていました。これまで,花に気付かずにいたので,種名が判らず終いだったのです。この春,ようやく花を見ることができて,見当がつきました。これは,マルバチシャノキ。チシャというのはレタスのことですね。チシャノキというのがあって,この若葉がレタスのような味がするのだそうです。マルバチシャノキの葉を囓ったことはありませんが,花を引き寄せてみると,ほのかな香りがありました。すぐ近くでトベラが咲いているので,こちらの香りには気付きそうもありません。

花の拡大も入れてみましたが,少し時期が遅かったらしく,雄しべが枯れてしまっています。集落内を歩くときは気をつけて,新しい花を探してみます。

2006/04/04 渡名喜村集落内の藪

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空の青を写し取り

ルリエンマムシ 春の木漏れ日の中を,低く飛んでいく小さな虫。ツチカメムシにしては黒くないなぁ,などと思いながら後を追いました。砂地に降りたので,早速レンズを向けてみて,その輝きに驚かされました。

昼時で,真上からの日差しを眩しいくらいに反射してキラキラと光っているのです。ツチカメムシよりちょっと大きめ(背中が盛り上がっている)で,頭部の形はコガネムシの仲間のようです。しきりに歩き回って,物陰に隠れようとしていました。帰ってから図鑑で調べてみると,この虫はエンマムシ科のルリエンマムシ。何と,「腐肉や糞に来てウジを食べる」とあります。糞虫というのは聞いたことがありましたが,こんな食性の動物もいるのですね。


このカットでは,前肢に鋤状の広がりがあることや鞘翅の彫刻のようすもわかります。そして,タイトルにも付けた通り,青い空と白い雲まで写り込んでいます。すごく魅力的だったのですが,なぜかその時は触らずに来ました。後から食性を知って,ちょっと安心しました。

2006/04/03 渡名喜村集落内の藪

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ギッシリ・バラバラ


マルバアカザの花穂 カメムシの写真を撮ってから,気になっていたマルバアカザの花。ふと気が付くと,小さな,可愛らしい花を咲かせていました。といっても,実際には寄る年波のせいで,こんなに小さいものはよく見えないのです。撮影した後で,モニタの上で確かめているのです。

で,この花ですが,図鑑には「薄緑,密花」と書かれています。密花とはよく言ったもので,本当に隙間無く,ぎっしりと詰まっています。花弁と雌しべが無いようにも見えるのですが,今回撮影した角度からは,よくわかりませんでした。こういったことも,植物に詳しい方たちには自明のことなのかもしれませんが。


不思議なのは,このような穂になっているものは,上からとか下からとか,咲いていく順番があると思うのですが,この場合はそういった順序性が見られないことです。ひとつの穂の何箇所かでバラバラに咲いているのですが,これで普通なんでしょうね。

2006/04/02 渡名喜村西底原

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葉っぱじゃないよ

色々と事情があって,集落内を通るコースが変わりました。というか,これまでよりも長くなったのです。そのためもあってか,これまでとは違った生き物を見るようになりました。って,こんな小さな集落でも,限られたところしか見ていなかったことに気付かされました。
ウスエグリバ で,この一枚。始めは雨で落ち葉が張り付いているのかとも思ったのですが,正面から見ると,厚みがあるし,そもそも脚が生えている。すぐに,蛾それもアケビコノハ辺りだろうと思って撮影してきたのです。ところが,図鑑を見てみると,アケビコノハにしては前翅の前縁が直線的過ぎるような気がしてきました。後縁にも縁取り(それにしても葉脈によく似ている!!)があります。そこで,改めて絵合わせしてみて,ようやく種名がわかりました。この蛾はウスエグリバミナミエグリバのようにも見えるのですが,「エグリ」の部分がズレているように見えるので,こちらに同定しました。分布に久米島が挙げられていることも,それらしく思えます。
2006/04/03 渡名喜村集落内

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ライトアップされた村道1号線

ライトアップされた村道1号線
先月,2006年3月から渡名喜の夜道もぐっと安心になりました。といっても,これまでだって,取り立てて不安なことがあったということではないのですが。

渡名喜村の集落はその総てが伝統的建造物群保存地区に選定されています。これに関連して,家屋の建て替え工事が進んでいます。その一環なのかもしれません(未確認)が,集落内のあちらこちらにライトが設置されたのです。街灯というにはあまりに低く,足元を明るくしているといえば聞こえはいいものの,上方への散乱を全く考慮に入れない設計になっています。その上,どうやら一晩中煌々と周囲を照らしているのです。「光害」ということを考えると,とても重要な問題を孕んでいるように思えます。

2006/04/01 渡名喜村集落内

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亀というより,やっぱり陣笠

コガタカメノコハムシ
暖かくなってきて,いつも見慣れた草むらに食痕が目立ってきました。この日見つけたのは,コガタカメノコハムシ。前回は背面から撮影した写真を紹介しました。横(左側)から見るとこんなプロフィールになっているんですね。和名は「亀の子」となっていますが,時代劇でお馴染みの陣笠にそっくりな形です。近縁な種類では,そのまんま「ジンガサハムシ」と呼ばれているものもあります。ここら辺は,命名者のセンスの問題ですね。

2006/03/08 渡名喜村集落内の藪

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