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見開いたように見えるけど

ホソハリカメムシの交尾 3度目の掲載となるホソハリカメムシ。今回は交尾中です。驚いて目を見開いているように見えるのですが,もちろん複眼ですから,瞳があるわけではありません。光の具合か,元々こんな模様があるのかは不明です。タイワンウマオイオサヨコバイの複眼にも同じような模様がありました。昆虫の体も,よく見ると不思議なことがありますね。

春の青空にほんのり色付いてきたマルバアカザの穂。カメムシの背面と側面を同時に写せて,ピントもまぁまぁ合っています。わたしにしては上出来の一枚になりました。


2006/03/04 渡名喜村西底原

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識別困難

マルシラホシカメムシ
困難とはいえ,まだ,辛うじて野外でも区別ができる方かもしれません。

というのも,写真のマルシラホシカメムシ。同属のシラホシカメムシと,姿形がとてもよく似ているのです。しかも,生活のようすもよく似ていて,どちらもイネ科草本(いわゆる雑草)を好むのだそうです。近縁の種で食物も共通となると,生殖隔離ということでしょうか。繁殖の時期が違うとか,交尾の方法に違いがあるとか。これらカメムシの生活史をよく知らないので,確たることはわからないのですが。

ちなみに,識別点は,こちらのマルシラホシカメムシの方が,体型が丸いこと,小楯板が大きくて体の末端まで届いていることが挙げられます。この個体はオキナワスズメウリの葉にとまっていました。

2006/03/08 渡名喜村集落内の藪

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週刊ココログガイド で 紹介されました

何と「週刊ココログガイド」に取り上げていただきました。

改めまして,ご挨拶させていただきます。
SeaStar's Photolog 管理人の海星です。ほぼ毎日更新で身近な自然誌を紹介しています。現在は沖縄県の離島,渡名喜島を中心に取り上げています。決して「虫」中心ということではなく,地質や天文,人々の暮らしも扱っています。天然記念物のように注目されることはないけれど,この島を特徴づける自然を紹介できたらなぁと考えています。

紹介していただいたおかげで,前日比2倍のアクセスがありました。どうもありがとうございます。そして,これからもよろしくお願いします。

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なんだか だらしない姿

クメジママドボタル
渡名喜島の玄関口,渡名喜港ターミナルのお向かいは村役場になります。その横を通る道で,例によって怪しく撮影。フツーの人が見たら,側溝の蓋に向かってしゃがみ込み,カメラを近付けているのですからね。

実は,クメジママドボタルの撮影をしていたのです。どうもこの虫,昼間に活動するようで,人通りのある道でよく見かけます。柔らかくて弱々しい体なんですが,鞘翅を半開きにしているうえに,腹部が収まりきれなくてはみ出しているところなど,どうにもだらしのない印象です。

さて,道行く人に尋ねられ,ホタルがいることを伝える指さして教えると,皆驚きます。「クメジマ-」という名前をいうと,久米島から飛んできたのかと聞き返されてしまいました。幼虫だって,集落内でよく観察されるのですが,身近に住んでいても,身近な昆虫ではないのですね。

2006/03/24 渡名喜村集落内

昨日から降ったり止んだりの雨だったのですが,ようやく晴れ間が覗いてきました。蒸し暑いくらいなのですが,集落のあちらこちらでクメジママドボタルが飛んでいる(なかには踏みつぶされているものも)姿を見かけます。終齢幼虫を見かける時期から考えても,年1回羽化なのでしょう。渡名喜でホタルを見るには春休み,ということですね。

2006/03/27 追記

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更に一皮

ナナホシテントウの羽化
日が長くなったとはいえ,もう暗くなり始めた午後6時過ぎ。いつも通る道沿いの畑で,いつものように何かいないかと立ち止まってみました。すると,1週間ほど前に一斉に蛹になったナナホシテントウが,これまた一斉に羽化していたのです。まさに脱皮したばかりで,羽の色が薄く,蛹の抜け殻の側でジッとしている個体を何匹も見つけました。こんな時間に羽化するとは,意外な発見です。セミなどからの類推で,てっきり明け方にするものだと思いこんでいましたから。

2006/03/17 渡名喜村西底原

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人間の手では触れられない

ゴマフリドクガ
ふと覗いた植え升の中,黄色い蛾がとまっていました。毛むくじゃらの体がおもしろく思えたので,そこを強調するような角度で撮影してみました。後から図鑑で調べてみると,どうやらドクガの仲間のようです。悪戯して手を出さなくてよかった,と安心しました。

いつもお世話になっている【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】によると,ゴマフリドクガのようです。ややゴマが少ないようにも見えるので,疑問符付きの同定ですが。

図鑑の記述によると,総てのドクガ科成虫が毒を持っているということではないようなのですが,この種は「刺す」と,そのものズバリの表現で書かれていました。本当によかった,と一安心です。

2006/03/03 渡名喜村西底原

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一瞬のチャンス

オキナワコアオハナムグリ
このPhotologに載せている写真には,その陰に膨大な没ショットがあります。「数打ちゃ当たる」方式で撮影しているから,当然といえるのですが,小さな被写体が風に揺れているときなどは,撮影枚数も多くなってしまいます。そうして撮影されたものの中から,選び抜いてレタッチしたものを掲載するようにしています。

ところが,中にはたった1カットしか撮影できないこともあります。この写真もその一つ。モゾモゾと動く姿にレンズを向けて,レリーズしたところで,飛んでいってしまいました。頭部が影になっていたので,少しでもよい角度から撮ろうと,直近でカメラを動かしたのがいけなかったようです。

この虫はオキナワコアオハナムグリ。オオシマアオハナムグリとよく似ていますが,一回り小さくて,体表に光沢が無いことから,すぐに見たことのない種類だとわかりました。前胸部を縁取るように白線があることも特徴のようです。

もう少しゆっくり,じっくりと撮影できればなぁと思います。できれば,手にとって観察もしたかった。次の出会いに期待したいと思います。

2006/03/05 渡名喜村シュガー

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一皮剥けて

ナナホシテントウの蛹
卒業式を終えて,ホッと一息。沖縄本島とは違って,卒業式後の慌ただしさもなく,島ではのんびりと時間が過ぎていきます。そうなれば,やっぱり撮影に。といっても遠出をすることはなく,いつも通る道をゆっくりと歩いてみました。

そうして見つけたのが,この物体。野外でこんな色のものを見かけることはあまりないですね。それも,モゾモゾ動いていて,明らかに動物ですから。

これは,ナナホシテントウの蛹。脱皮(蛹化)したばかりで,まだ体が柔らかいのでしょう。息を吹きかけたりすると前後屈するように動きます。時間が経つと,こちらのように黒く固まってきます。前の日から暖かだったためか,一斉に蛹化したようで,畑のあちらこちらでオレンジ色の蛹を見ることができました。

2006/03/11 渡名喜村西底原

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2倍になってる

オキナワスズメウリ
以前から,ずっと気になっているオキナワスズメウリ。その果実を見てみたいのですが,これがなかなかタイミングが合いません。たくさん生えている藪があるので,前を通る度に気をつけるようにしているのですけれども。

そんな中で見つけたのがこの花。ご覧の通り,花弁も柱頭も普通の花の2倍あります。こんなものにも出会えるから,自然観察は止められません。

2006/02/23 渡名喜村集落内の藪

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●○そろい踏み

フトスジアマガイとキバアマガイ 穏やかな陽気に誘われて,シュガーの浜へ撮影に出掛けました。折角なので,防波堤を越えて護岸の方に出てみました。ここにはお気に入りのフトスジアマガイが住んでいるのです。ところが,前回撮影したときよりも個体数が減っている感じ。特に,大型個体がいなくなっているようです。季節的なことなのかもしれませんが,ちょっと心配です。

写真はキバアマガイと並んでいるところを撮ってみました。殻だけでなく,軟体部まで白黒違っていることがわかるでしょうか。


よく似た形で同じような生活をしている近縁の種類ですが,キバアマガイは様々な環境で見られるのに対し,フトスジアマガイの方は波当りの強い岩礁でしか見ることができません。この場所は,そんな2種を一度に比べることができる,都合のよいフィールドです。
2006/03/05 渡名喜村シュガー

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コンディション グリーン

ミナミアオカメムシ
沖縄でこのタイトルとなると,全然違った内容を期待して検索ページからくる方も出てしまうかもしれませんね。でも,今日の一枚は前面緑一色。春の長閑な陽気と合わせて,このタイトルです。

緑の葉の上で交尾している,全身緑の昆虫は,ミナミアオカメムシ。イネの害虫だそうですが,島では祭祀用の極めて小規模な田んぼを除いて稲作は行なわれていません。マメ科植物にも付くそうですから,そんなところで生活しているのかもしれませんね。

2006/02/22 渡名喜村集落内の藪

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ふるさと遠く離れても

シナガワハギ
渡名喜島には高校がありません。このため,義務教育を終えた子どもたちは,多くの場合親元を離れて新しい暮らしを始めることになります。文字通り,期待と不安に胸をふくらませといった気持ちでいることでしょう。

さて,この花はシナガワハギ。東京の品川から広がったための命名でしょうか。元々はユーラシア大陸原産の帰化植物だそうです。今では,いろんな土地の様々な環境でたくましく生活しています。

今日は渡名喜小中学校の卒業式。穏やかな日差しの中,4名の生徒を送り出しました。

2006/03/11 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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付くところを間違えてる!?

アヤナミカメムシ 最近気になっているのがリュウキュウコスミレの種子。弾けて飛ぶのが面白いと思うのですが,カタバミのように簡単に見ることができずにいます。それで,スミレが咲いていると,思わず足を止めて開いた果実を探してしまうのですが,そんなことをしているときに撮影した一枚です。

この虫は,アヤナミカメムシ。図鑑にはシマフジバカマというキク科植物に付くと書かれていますが,このときはヤエムグラにしがみついていました。近くのキクというと,オニタビラコが生えていましたが,渡名喜でどんな暮らしをしているかは不明です。


2006/03/05 渡名喜村集落内の植え込み

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なかなか外に出てきてくれない

フタスジハリカメムシ
春を迎えて次々と花が咲き,虫たちが活動を始めるようになりました。毎日通る見慣れた景色の中にも,新しい発見があったりします。

この昆虫もその一つ。通りがけに気にしている藪の中で見つけました。けれども,かなり神経質で,なかなか外の方に出てきてくれません。何とか葉の隙間から撮影できた一枚です。和名はフタスジハリカメムシ。左右二つの黄紋には,背中全体が黄色いものから,無紋のものまでいろいろと変異があるようです。ハリツルマサキに付くそうで,よく探せば集落内のあちこちにいるのかもしれません。

2006/02/28 渡名喜村集落内の藪

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春先の金星

タテスジヒメジンガサハムシ
この週末は春らしい穏やかの陽気が続き,野草だけでなく虫たちの活動も本格化してきたようです。あちらこちらで,これまで見かけなかった姿を目にします。

毎日通る畑に植えられたサツマイモの葉に,小さな穴がたくさんあいていました。そぅーっと葉を裏返してみると,いました,いました。日の光を受けてキラキラと輝く緑色。大きさは5mmほどですが,姿形はコガタカメノコハムシにそっくりです。

この昆虫はタテスジヒメジンガサハムシ。図鑑には4月頃に現れると書かれていますが,渡名喜ではもう活発に活動しているようです。写真は交尾しているところでしょうね。ご覧のように,U字型紋の色に2つの型があるようです。けれども,それが雌雄の性差なのかどうかは不明です。サツマイモの他にもハマヒルガオでも見られると書かれています。探せば,島のあちこちで見つかりそうです。

2006/03/05 渡名喜村西底原

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春を告げる香り

トベラ
春の陽気に,野草の花が咲き乱れる渡名喜島ですが,木本だって花を咲かせているのです。しかも,遠くからでもそれとわかる香り付き。

この花はゲッキツ。所用で,いつもとは違う道を通ったら,もう満開になっている株がありました。辺りは濃厚な香りでいっぱい。さんぴん茶のようないい香りです。五感で季節を感じられるって,ありがたいことですね。

図鑑には,『人家の生垣としてよく植栽されたが、最近は余り見かけなくなった。』とあります。それでも,渡名喜の集落ではあちらこちらで見られ,これから暫く花と香りで,わたしたちをたのしませてくれます。

2006/02/22 渡名喜村集落内の屋敷林

と書いておいて何ですが,誤同定に気付いたので訂正しておきます。
この植物はトベラ。葉の付き方がゲッキツとは全く違っています。学名はPittosporum tobira。以前果実と種子を紹介していました。

2006/03/13 追記

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カッコウ違いで 薬効はなし

カッコウアザミ
この日は所用で,再びレクセンターやって来ました。で,用事の合間を使って,撮影に。生憎の雨模様で,あちこち行くことはできなかったのですが,渡名喜島では見かけない生き物と出会うことができました。

写真の花はカッコウアザミ。この株は紫色の花を付けていますが,別の株は純白でした。図鑑によると南米原産の帰化植物。空き地などでよく見られるように書かれています。村史の渡名喜で見られる植物にもリストアップされているのですが,まだ見たことがありません。気をつけて探しているのですが。

ところで,和名の由来はこちらを参照。郭公ではなくてカッ香(草冠に霍)というのですね。

2006/02/25 うるま市具志川野外レクセンター

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葉っぱも花も 見た目だけ

ツルナ
前線の進行が遅れたためか,この日は一日穏やかな天気。午後からは雲も切れて,夏を感じる日差しでした。

で,再び訪れた島尻毛の南海岸。春を迎えて,どんな花が咲いているかとたのしみにしていたのです。ところが,実際は,腰くらいまで伸びた野草で山道が塞がれていて大変なことになっていました。特にシマアザミ。全身に付いた鋭い棘は軍手やジーンズを貫いてきます。ようやく降りた海岸はシマナが咲き乱れていました。

写真の植物は,帰りの登りで見つけたもの。ちょうど,前回ミツバノコマツナギを見た辺りです。

緑の葉に隠れるように付いた黄色い花が印象的です。その葉も,露が付いたようにきらきらと輝いています。まるでビロードのように見えたのですが,その手触りは,ごわごわとして,かなり悪いものでした。この植物はツルナ。黄色い花びらのようなものの正体は萼。花弁は無いのだそうです。また,露のようなものは,表皮細胞が尖ったものだとか。図鑑によると,この葉が食用になるとのことですが,食欲をそそるかどうかはちょっと疑問です。

2006/02/28 渡名喜村サギヌヤーヌシャ(南海岸)

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