「人骨発見!」なんてタイトルにすると人目を引くのかもしれませんが...。
昼前に,そんな知らせがあって,現場に行ってきました。人骨かどうか見てもらいたい,というのです。数万年前のシカ化石は見たことがありますが,人骨は経験がないし,大体事件性があったら大変だから,巡査かドクターを呼んだ方がいいんじゃないか,などと思いながらも野次馬根性丸出しでカメラを持って走っていきました。
現場は海岸近くの砂地。防風防潮林の整備作業中に掘り当てたようです。まず見せられたのが写真の骨。一目で人骨とわかりました。大腿骨に骨盤の骨(寛骨)。中手骨と思しきものや椎骨のようなものもありました。重機で掘られた穴には,地表から2m程のところに腕の骨らしきものが埋まっているのが見られました。
現場周辺には,西底原遺跡B地点と呼ばれる9世紀頃の共同墓地跡があり,8体分の人骨が発見されています。また,ニシグショウ(北の後生)という墓地もあります。ですから,この骨も,古代から近世に何らかの理由で墓に入れられなかったものではないかと思うのですが,何しろ,琉球の葬制・墓制について,全く知識と理解が欠けているので,確かなことはわかりません。
今日は,午後から掘り出して,供養をするということでした。人が暮らしていくということは,こうした弔いの場もあるということですよね。今を生きているわたしたちは,あまり意識していませんが,足元には,そうした過去が埋まっていることを思い起こさせてくれる出来事でした。
2005/12/12 渡名喜村西底原