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丸・○・円

オキナワマルウンカ
「マル」というと「丸」という字が一般的かなぁとも思います。でも,「マル」といわれて思い浮かべる図形は平面的な「円」のような気がします。「丸」いものを「マル」と呼ばないのは,わたしだけでしょうか…。この虫の名前を見て,そんなことを考えました。

写真の昆虫はオキナワマルウンカ。半球状のテントウムシのような体型が特徴です。このときは,葉の上でじっとしていましたが,この姿でピョンピョンと飛び跳ねるのだそうです。そんな姿も見てみたいものです。

2005/05/19 渡名喜村渡名喜林道

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一文字は4つの点

オキナワイチモンジハムシ 今年は野外に出るとハムシ類によく出会います。小さくても,ツヤツヤしていて群れているからでしょうか。カラフルな色合いも目を引く要素だと思います。

写真は,大きな実を抱えて一休みしているオキナワイチモンジハムシ。このデザインのどこが「一文字」なのだろうと思うのですが,やっぱり黒斑が横一列に並んでいることなのでしょう。よく見ると,中央下にもう一つの黒斑があり,斑点は全部で5つあることがわかります。


2005/05/19 渡名喜村大本田園地(ミシルジ)

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アメリカによる占領の影響

シロアゴガエル
というと,外国の話のようですが,もちろんそうではありません。沖縄では33年前まで続いたアメリカの占領によって,生物相にも様々な影響が見られるのです。

写真のカエルは,シロアゴガエル。子どもたちが見つけて持ってきてくれたものです。東南アジア原産だそうですが,最初に本島中部で発見されたことなどから,米軍による移入が疑われているそうです。そんなカエルが,一日一回の船便しかないこの渡名喜島で見つかるとは。スクミリンゴガイといい,移入種から見ると,ここ渡名喜島も確かに日本の一部,沖縄の一部であることがわかります。
2005/05/19 渡名喜村

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第三の燕

アマツバメ
夕暮れ時に野外へ出るようになってから,新しい光景に出会えるようになりました。この日気付いたものもその1つ。日没間際の山の上は,ツバメたちの乱舞が見られるのです。これまで,渡名喜島では,留鳥として一年中見られるリュウキュウツバメと夏鳥として渡ってくるツバメがいることがわかっていました。

ところが,ツバメたちをよく見ていると,どうも別な種類がいるようなのです。何しろ素早く飛んで,急反転とかするので,じっと見るだけでも大変です。何とか撮影しようと,置きピンでカメラを振り回し,何とか撮れたカットをまとめてみました。

リュウキュウツバメツバメに比べると,からだがひと回り大きくて,その分だけ翼が鎌形に見えること,腹側も黒いこと,そして何よりも腰が白いことがわかります。この鳥は,アマツバメ。ツバメとは科が違うのですが,空中生活に適応しているところは共通ですね。ツバメとは違って海岸の岩場などで営巣するようですから,集落の中にいたのでは気付かないのかもしれません。
2005/05/19 渡名喜村大本田展望台

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赤い頭は 酒のせい!?

アカガシラサギ
5月になって日没が遅くなってきたので,仕事を終えてから撮影に出かけるようになりました。そうして見つけたのがこの鳥です。数日前からタレーマ周辺で体は白いのにアタマが黒い不思議なサギを見かけていたのです。体型はゴイサギのようでもあるし,でも体色が違うし。しっかりと観察したかったのですが,警戒心が強くて,いつも飛び立った後の姿しか見られなかったのです。

そんな中で,ようやく撮影できたのがこの一枚。林道へと続く農道でようやく地上を歩いてる姿を見られました。かなりの距離から望遠で撮影したものをレタッチしています。それでも,先端が黒い黄色の嘴,橙黄色の足,黒い背中に白い腹がよくわかります。頭から胸にかけては白い斑模様です。

この鳥は,アカガシラサギ。渡りの途中で渡名喜島に立ち寄ったもののようです。頭から胸にかけての斑模様は冬羽から夏羽へ換羽の途中のためのようです。やがて赤褐色になり,名前の通り「赤頭」となるのでしょう。で,学名は,Ardeola bacchusBacchusといえば酒と酒宴の神ですね。
2005/05/19 渡名喜村マテーシガニク(林道東側始点)

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咲き残りの白い花

ホウロクイチゴの花
1個だけでは足りないと,ホウロクイチゴを求めて再び山へ。前日よりも範囲を広げて歩き回ること2時間。ハブに出会いはしないかと,ドキドキしながら茂みに近付き探し回りました。結局見つかったのは5個。一斉に実を付けるというのではないのかもしれません。というのも,写真のように,未だに花を付けている株もあったのです。

大きな葉の陰で,直径3cmはあろうかという花が,下向きになって咲いていました。これだけたくさんのめしべがないと,あのような果実はできないのですね。
2005/05/19 渡名喜村大本田園地(ミシルジ)

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機は熟した

ホウロクイチゴの実
気付かぬうちに花を咲かせ,真っ赤に色付いていたのが,このホウロクイチゴ。一つひとつの粒がとても大きくて,それが集まっているのですから,とても立派です。さっそく味見すると,爽やかな甘酸っぱさ。で,たくさん集めようとしたのですが,これがなかなか見つからない。図鑑の記述によれば,花は前年の枝につくようです。この場所は重機が入って造成されたばかり。このためか,若い枝(おそらく今年伸びたもの)が多いのです。来年は豊作かもしれません。
2005/05/18 渡名喜村渡名喜林道大本田園地

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機が熟すのを待つ

ノボタン
梅雨を迎えた渡名喜島は,花の季節でもあります。林道から山へ入っていくと,たくさんの花が咲いています。その中でも目立つのが写真の花。薄紫の大きな花が集まって咲いています。この花は,ノボタン。おしべ・めしべの並び方や葉脈も特徴的です。

そして,何よりも…熟した実は食べられるのです!

僅かに甘味があるということですから,その時が今からたのしみです。

2005/05/19 渡名喜村渡名喜林道

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限界ギリギリショット

サンコウチョウ
鳥の撮影は難しいです。何しろ,よく動き回るし,こちらが気付くより早く,被写体の方がわたしに気付いて飛び立ってしまう。ですから,手持ちの機材で鳥を撮影するには準備と運が必要です。

この一枚は,そうした運に恵まれたもの。林道の中でも木に囲まれて薄暗くなっているところがあるのですが,そこで車を止めて鳥のさえずりを聞いていたところ,近くの枝に声の主が出てきてくれたのです。それでも,曇天の夕方と条件は最悪。距離もあるのでフラッシュも届きません。ほとんど真っ黒のデータからレタッチで何とか見られるようにしてみました。

目の周りと嘴のコバルト色が印象的なこの鳥は,サンコウチョウ(三光鳥)。さえずりを「月,日,星,ホイホイホイ」と聞きなしての命名だとか。沖縄の山に夏の訪れを感じさせてくれます。写真の個体は背中が赤褐色になっていること,尾が短いことからメスだと考えられます。渡名喜の山でも子育てを始めているのかもしれません。
2005/05/18 渡名喜村渡名喜林道南西側

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ファンジィ・サークル

キノコの一種,環状列菌
ウーチュガーで撮影と採集を終えて,山から下りてくると,見慣れたはずの芝生に,ふと目が留まりました。何とキノコが列を作って生えているのです。それも,円形に!

キノコそのものは,芝生でよく見る種類です。想像するに…たまたまネコの排泄した場所がちょっとした凹地で,雨によって洗い出された栄養分が水溜りの中に広がった。その後,水溜りは蒸発して消えたが,水溜りの縁に沿って菌糸が繁茂し胞子体をつくった…。

それにしても,おもしろい光景でした。

2005/05/15 渡名喜村ヘート-ンダ(風力発電施設)

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良くも悪くも(?)日本の一部

スクミリンゴガイ
この写真を撮った日は沖縄が沖縄県に戻って33年目の日。「本土復帰記念日」なんて呼ばれています。

この生き物は,スクミリンゴガイ。水田の有害動物とて有名になってしまったジャンボタニシです。九州沖縄農業研究センタータニシの歴史によると,今から30年程前に食用として南米から輸入されたものだそうです。そんな移入動物が,この渡名喜島の小さな小さな田んぼでも見られるとは。

今年は2年に一度のシマノーシという祭りが行なわれます。これに向けてお供えする酒(お神酒といっていいのかどうか不明)を作るために,田んぼの手入れがされ,既に田植えも終わっていました。このため,今まで気付かなかったリンゴガイを見つけることができました。
2005/05/15 渡名喜村ウーチュガー

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カンニンガムでした。

カニンガムモクマオウの雌花 遂に見つけた!モクマオウの雌花。といっても,そんなに苦労することもなく,一本ずつ丁寧に見ていけば,すぐに見つけられるような目立つ花でした。この「葉」のようすからマツなどの仲間のようにも思えますが,この緑色の部分は,実は枝で,真の葉は各節にある鱗片状のものなのだそうです。つまりマツとは縁遠いのです。花もずいぶん違いますしね。これで被子植物なのだそうです。
で,このとき,ルーペなど持ち出して観察したところ明らかになったのですが,この種は「カニンガムモクマオウ」です。雌雄異株であること,葉状枝の溝が無毛であることから,こちらに同定しました。県内にはモクマオウ類が8種類分布するそうですが,その見分けは難しそうです。

2005/05/11 渡名喜村タレーマ

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カメと同等

ハママンネングサ
渡名喜島に来て1年が経ち,季節がひと回りしたわけですが,去年は気付かなかった花や鳥,風景を見つけることがしばしばあります。写真の花もその1つ。タレーマの岩塊のあちこちが黄色く色付いていて,不思議に思って近付いてみると,可憐な花がこんもりと咲いていました。多肉質の葉や茎は,いかにも海岸植物といった趣です。その名もハママンネングサ。「浜万年草」という意味なんでしょうね。耐乾性が高くて,なかなか枯れないために付けられたのでしょうか。ベンケイソウ科の植物ですが無性芽はつけないようです。
2005/05/11 渡名喜村タレーマ

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ハムシの季節

ツツサルハムシ
結局3回続けてハムシの交尾となりました。1㎝ほどで光沢のあるからだの昆虫が群れているので,とても目立つのです。今日のハムシはツツサルハムシ。青緑色の金属光沢がとてもキレイです。シマグワの葉を食害するそうで,緑系なのは保護色なんだろうと思いますが,いかんせん この光沢で,すぐ目に付きました。

日が傾いてきて,夕焼けが始まっていたので,赤く色付いた空と撮影者の影が写りこんでいますね。
2005/05/15 渡名喜村ウーチュガー

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往来の真ん中で

ハムシの仲間 今日は朝からどんよりとした空模様。でも,雨が落ちてくる様子ではないので,ウーチュガーへイモリを獲りに行ってきました。雨の翌日で湿度が高いのに気温はそれほど高くない…,まさにハブ日和です。膝まで伸びた草むらを進むと,たくさんの昆虫を見ることができました。

写真の甲虫もその1つ。あちらこちらで群れていて,交尾中のペアもたくさん見られました。ハムシの仲間だと思うのですが,手元の図鑑では調べ切れませんでした。


2005/05/15 渡名喜村ウーチュガー

インターネット・ハムシ図鑑により,クロオビツツハムシ,Physosmaragdina nigrifrons と同定しました。
2005/07/29 追記

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No one will be watching us.

ウリハムシのペア
って,しっかり見られたうえに,撮影されちゃいましたけど。

ピンぼけ&手ブレは曇天の夕方のため。
ウリハムシのペアと通りすがりの毛虫でした。
2005/05/10 渡名喜村西底原

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これって「オウチュウ」?

0512dicrurus_macrocercus01
梅雨の晴れ間にモクマオウの雌花を探しに出かけました。港近くでウロウロしていると,頭の上から「ギャーギャ-」と騒がしい声が聞こえてきます。オナガのように思えたのですが,県内いるはずもありません。姿を探すと,枯れ木の天辺に黒い鳥が5~6羽とまって騒いでいます。長い尾がやっぱりオナガを思わせます。

帰ってから図鑑で調べてみると,どうも「オウチュウ,Dicrurus macrocerus」らしいのです。春の渡りに見られ,,低地の開けた場所で,木の枯れ枝の先にとまっていて,浅い波状をえがいて飛ぶ,という記述がピッタリ合うのです。

沖縄,鹿児島,対馬で1回ずつの記録があるようです。ネットで検索すると,各地で撮影されているようですが,珍鳥であることは間違いないようです。もしも本当にオウチュウなら貴重な記録なのかもしれません。
2005/05/11 渡名喜村タレーマ

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疾風のようには 走れない…

ミナミハヤテグモ この日は早めに仕事を切り上げて野外へ。アップする写真がもうすぐ無くなりそうだったのです。例によってカメラを片手にウロウロしていると,草むらに放置されたトロ箱を発見。そのなかで休息していたのが写真のクモです。何かに襲われたのか,左の第4歩脚が失われています。細長い体に長い脚,大き目の単眼が並んだ頭胸部など,特徴的な体つきです。図鑑の絵合わせで同定したのはミナミハヤテグモ。その名の通りすばしっこそうですが,この個体は無事生き残っていけるでしょうか。
2005/05/08 渡名喜村タレーマ

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楔葉類によく似てる

0510casuarina_equisetifolia01 ちょっと見ただけでは,ツクシの仲間のように見えるこの植物,実は,とても縁遠いものなのです。写真の植物はトクサバモクマオウ。名前の通り,スギナを含むトクサの仲間によく似ています。でも,これはそれぞれが1本の枝で,先端に雄花が集まっている姿なのだそうです。今度は雌花を探してみたいと思います。 沖縄に移ってから,ツクシ(スギナ)の仲間を見かけないなぁと思っていたら,どうやら県内には分布しないようです。それだけに,このようなものを見ると思い出してしまうのでしょうか。
2005/05/08 渡名喜村タレーマ

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小さなヒゲは女性の徴

0509polyphylla_schoenfeldti02 昨年は5月の終わりになってから気がついたオキナワシロスジコガネ。今年は1ヶ月早く,4月下旬に見つけることができました。昨年のものと同じく,この個体も早朝の路上で死んでいたもの。ところが,触角がずいぶんちがうのです。ガの仲間には,メスが放出する性フェロモンを捉えるために,オスの触角が大きくなっている種があります。このコガネムシでも,同じかなぁと調べてみると…予想通り。小さな触角はメスの特徴でした。この他にも前脛節に特徴があるのですが,この写真では砂がついてよくわかりません。次の機会を待ちたいと思います。
2005/04/28 渡名喜村西底原

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マジ・マジ・マージノポーラ

0508marginopora01
って,ちょっと苦しいか。

写真はマージノポーラ属の有孔虫(Marginopora sp.)で,俗に銭石と呼ばれているものです。有孔虫というのは,殻を持っているアメーバと考えるとわかりやすい(?)と思います。有名なのは「星砂」と呼ばれているもの。県内の海岸では,有孔虫の死殻が打ち上げられていることがよくあります。でも,写真の銭石は薄くグレーに色付いていて,生きていることがわかります。銭石は,その形を活かして,リュウキュウスガモなどの海草の葉に付着していることが多いようです。この場所は海草の群落になっていたのですが,たくさんの生きている銭石が見られました。
2005/04/26 渡名喜村ナゲーラヌシャ(アンジェーラ浜)

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