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2番目にカラフル

キンクロハジロ
とはいうものの,地味な配色のこのカモはキンクロハジロの雄。名前をよく見ると,「金黒羽白」と3色入っているのですよ。名前だけでは2番目にカラフルだと聞いたことがあるのです。では,1番は…。これはまだ見たことがないのですが,ヤイロチョウ「八色鳥」というのがいるそうです。こちらは名の通り派手な体色になっているようです。
ところで,キンクロハジロの「金」って,どこから来たのでしょう? 他にも「キンクロ」とつくカモがいますが,いずれも地味な配色ですし…。
2004/12/29 沖縄市こどもの国

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頭に載せたら大変です。

カツオノカンムリ
この青みがかった半透明の物体,プラスチックのような質感なのですが,これも生き物なのです。カツオノカンムリという管水母の仲間。ギンカクラゲやカツオノエボシと同じように,外洋で浮遊生活を送っているようです。そして,群体をつくっているのも共通です。これ1つで一匹ではなくて,形と機能を分担したたくさんの個体が集まって生活しているというのです。おそらく,青の濃くなっている部分が栄養体,つまり刺胞で獲物を獲って消化吸収する役割りをもっている部分だろうと考えられます。

こんなのが打ち上げられていると,危なくてサンダルに素足では浜を歩けませんね。間違っても,こんなコトをしてはいけません。この方は大丈夫だったのでしょうか。
2004/12/23 渡名喜村シュガー浜

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パンダな…

アダン といっても,大熊猫ではありません。この植物,学名を Pandanus odoratissimus というのです。パイナップル,Ananas comosus によく似ていますが,属どころか科も違う,タコノキ科のアダンです。沖縄に来た頃には,「リュウキュウパイナップルという固有種だよ。」と教えられて,半ば信じてしまいました。熟すと赤く色付いて,いい香りがするのです。いかにも美味しそうなのですが,食用にはなりません。時期になると,落ちた果実にオカヤドカリ類やヤシガニが集まっているのを見かけます。
そして,パンダナマイマイ,Bradybaena circulus の語源にもなっている植物でもありす。

2004/12/26 渡名喜村ユブク(南西海岸)

学名の誤記を訂正 (2005/03/01)

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肩が張ってる

コマドボラ
ややオーバーハング気味の岩陰で隠れるようにしていたのはコマドボラ。けれども乗っかっているヘリトリアオリの殻は黒いので,自分の白い殻がとっても目立ってしまっています。コマドボラを含むレイシダマシモドキの仲間は,どれもよく似ていて,わたしの苦手分野になっています。とても野外では同定できません。これも写真を元に,殻色と肩の張り具合そして生息場所から同定したもの。正しいかどうかは,ちょっと自信がありません。

さらには,手元の図鑑で学名も違っているのです。常用している「生態/検索図鑑 沖縄の海の貝・陸の貝」では,Cronia cariosa なのですが,「貝の図鑑 採集と標本の作り方」では,Muricodrupa fenestrata となっているのです。いずれにしてもレイシダマシモドキと同属とされているのですが,種小名まで違うのですから混乱してしまいます。
2004/12/25 渡名喜村クタラー(シュガー浜北側の岩礁)

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馴染みのない「煙管」

ニセノミギゼル

小雨の降る夕暮れ時,畑の脇でしゃがみこんでいる姿は,やっぱりアヤシイのでしょう。通り過ぎる人々は怪訝そうな顔で,そっと視線を送ってきます。こちらからは,きちんと挨拶するのですが,そのまま行ってしまう人,「何してるんですか」と話し掛けてくれる人,様々です。

しばらく続いた暖かい雨に,陸貝たちも活発に活動していたので,ここぞとばかりに激写していたのです。そうして撮影した一枚がこれ,ニセノミギゼルです。昨年5月に撮影したのと同じ場所ですが,今度は軟体部も見られて,「カタツムリ」らしい姿が撮れました。道行く人も同僚たちも,「これでカタツムリなの」と驚いていました。キセルガイって,一般には知られていないのですね。

それにしても,こんなに細長いことの適応的意義って何なのでしょうか。海産のタケノコガイの仲間は,砂泥底を掻き分けるためとも考えられますが,陸上での利点って何でしょう?
,不思議ですね。
2005/02/17 渡名喜村西底原

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全にして個,個にして全

シマアザミ
2月に入って,そろそろ花の時期を迎えたのがシマアザミ。海岸だけではなく,潮風の当たるようなところなら集落内でも見られます。昨年5月に撮影したときには,花の時期が過ぎていたので,年明けから花開くのを待ち構えていたのです。こうして正面から撮影すると,アザミの花が単純な1つの花ではないことがよくわかります。ヒマワリと同じように周辺から,つまり下から咲いていくのもわかりますね。「頭状花序」というキクの仲間に特徴的な花のつくりです。
2005/02/13 渡名喜村ユブク(南西海岸)

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渡名喜島にもピラミッド

ホルンフェルスのピラミッド
こんな所にピラミッドか!? と思ったりはしませんが,見事にピラミッド型に侵食された岩がありました。

資料によると,この周辺はホルンフェルスとなっています。ホルンフェルスは,「砂岩や泥岩などの堆積岩が,熱による変成を受けてできる」とされています。平行に見られる割れ目は,元の岩石の層理なのかもしれません。また,中央の灰色の部分には角礫状の岩石がたくさん含まれていました。これは,タレーマの巨岩と共通しています。

いずれにしても,かつて,この場所で火山関連活動が行なわれた証拠といえるでしょう。
2004/12/25 渡名喜村クタラー(シュガー浜北側の岩礁)

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この花は「左利き」

クサトベラ
明るくツヤのある緑色の葉に,白い花びらがよく映える,この植物はクサトベラ。海岸林で最も海側に見られます。5枚の花びらは下半分に集まっていて,まるで,上半分は切り落とされてしまったようにも見えます。この形を左手を広げた様に見立てて,属名 Scaevola が名付けられたのだそうです。花は左右対称ですから,どうして左なのか,よくわかりませんが。
2004/12/26 渡名喜村ユブク(南西海岸)

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背が低いのは「ハワイ型」

ギンネム
動物とは違って,植物には「変種」とか「品種」という分類単位があります。「亜種」とは違うようなのですが,よく理解できていません。写真の植物には「型」があるというのですから,混乱は深まるばかりです。

この植物はギンネム。熱帯アメリカ原産の移入種ですが,樹高15mに達する「ペルー型」と5m程の「ハワイ型」があるそうです。ヒトでいう「人種」のようなものなのでしょうか。
2004/12/26 渡名喜村ユブク(南西海岸)

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へばりついて生きる

オオイタビ
葉の表面の妙な凹凸が印象的なこの植物は,オオイタビ。アコウやガジュマルと同じ Ficus 属に分類されています。この属の特徴は,いわゆる「絞め殺し植物」という生活の仕方です。ところが,このオオイタビは植物だけでなく(というか,専ら)岩やブロック塀に付いているのをよく見かけます。この写真の場所でも,島尻毛の尾根筋のカルストをつくっている結晶質石灰岩にへばりついていました。図鑑には,葉に比べてずいぶん大きな果実の写真が載っています。ぜひ実物を見てみたいものです。
2004/12/26 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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助けたくても,何もしてあげられない…

ナナホシテントウ
この日は旧正月,学校は午前中授業で給食もありません。けれども,わたしたちは午後も勤務。というわけで,食事をとるために自宅へ戻る途中で見つけたのが写真のナナホシテントウ。

この場所は,先日紹介したように,たくさんの蛹が見られるのですが,そろそろ羽化の時期を迎えたようで,何匹か歩き回っている姿を見かけました。そのうちの1匹がどうも変なのです。

よくみると,鞘翅が潰れて変形しているためにきちんと閉じることができません。腹部や頭部もゆがんでいるようです。羽化の際に何かが触れたか,転落してしまったのでしょうか。痛々しいのですが,何もしてあげられません。徘徊性のクモアシナガキアリのエサになってしまうのでしょうか。
2005/02/09 渡名喜村西底原

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匂いは伝えられない

モクビャッコウ
「緑」とはいえない色の葉をもつこの植物は,モクビャッコウ。あちこちに植栽されているのを見かけます。自生地は,こんな岩礁だったんですね。灰白色になっているのは,葉の表面に短い毛が密生しているからだそうです。この株は花の時期を過ぎてしまっていて,確かめられなかったのですが,花には悪臭があるそうです。今度は,それを確かめないといけません。
2004/12/25 渡名喜村トゥングゥジー(アンジェーラ東側の岩礁)

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ここは空家?

トタテグモの巣
島尻毛の尾根筋をたどる古い農道で小さな穴を見つけました。きれいに縁取りがされていて,蓋のようなものもついています。

この穴は,おそらくトナキトタテグモ,Latouchia swinhoei tonaki の巣。トタテグモの仲間は扉のついた巣穴を作るのですが,この巣はご覧のように扉が開け放たれていることから,もう主はいなくなっているのだろうと考えられます。トナキトタテグモは,2001年に記載されたばかりの新亜種で,渡名喜島固有のようですから,ぜひ,その姿を見てみたいものです。
2004/12/26 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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暖かさに誘われた?

クビキリギリス このところ,南風が吹き込んで気温の高い日が続いています。湿度も高くなって,建物の中が結露したりして,大変になっています。このためかは判りませんが,街灯の下にクビキリギリスが3匹とまっていました。こちらの写真でも,ブロック塀にとまっていますから,結構好きなのかもしれませんね。
2005/02/06 渡名喜村西底原

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大理石を2つに割って

安山岩岩脈
火山活動の影響で変化に富んだ渡名喜島の海岸では,思いがけない光景に出会うことがあります。この場所も,そんなところの一つです。白く輝く岩肌が,対岸からもとてもよく目立つ場所でした。近付いてみると,これが大理石(結晶質石灰岩)。その大理石を真っ二つにして,黒い岩脈が貫入していました。黒くなっているのは風化のためのようで,新鮮な表面には,白・暗緑色・紫褐色の結晶が見られました。後から調べてみると,「ウンダバル千枚岩部層中の普通輝石普通角閃石安山岩岩脈」として知られているようです。
2004/12/25 渡名喜村トゥングゥジー(アンジェーラ東側の岩礁)

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プレデターの武器

オオアリクイ
毛むくじゃらの体に大きな爪。一体どんな動物か判るでしょうか。

これはオオアリクイ,Myrmecophaga tridactylaの前足なのです。アリクイは文字通りのアリ(シロアリ)の専食者。この爪で蟻塚の一部を壊して,出てくる蟻を食べるのだそうです。あんまり爪が大きいので,ナックルウォークになっていますね。本当は,舌を出し入れしてエサを取る様子を撮影したかったのです。ちょうど,エサの時間だったので,かなり粘ったのですが,結局鼻先が見えるようには食べてくれませんでした。残念。
2004/12/29 沖縄市こどもの国

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ひと月早く

ナナホシテントウ 出勤途中に出会った光景。収穫の終わった畑にポツンと置かれたホースリール。毎日通っている道だけれど,今日は何故だか気付いてしまったのです。一面に黒い点々が。よくみると,周囲のブロック塀にも同じような黒点があります。

ゲゲッ。ハエか?

近付くと,どうも様子が違います。翅が無い。なんと,ナナホシテントウの蛹でした。今朝羽化したばかりなのか,まだオレンジ色の鞘翅から後翅を広げたままウロウロしている個体もいます。こんなにたくさん成虫になっても,もう作物はありません。どこでエサを取るのでしょうか。ちょっと心配です。


今日,立春を迎えますが,もう虫たちは這い出す準備完了のようです。
2005/02/04 渡名喜村西底原

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本体は砂の中

ハマニガナ
渡名喜島北西部のシュガー浜は,小規模な上に護岸工事もされているのですが,いろいろな砂浜植物が観察できるところです。東の浜(メーガニク浜)では,グンバイヒルガオスナヅルが大繁茂して,かえって観察の妨げになっています。
この植物は,ハマニガナ。葉と花だけを砂の上に出して,ほかの部分は埋もれて生活するという,砂浜に適応した種です。強い陽射しと乾燥を避けるために,実にすばらしい対応です。今度は花を撮影したいものです。
2004/12/25 渡名喜村シュガー浜

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フツーのガチョウフジツボ

エボシガイ
ガチョウはいいとしても,フジツボと続いた時点で,もう普通ではなくなっているような気がします。が,もちろんそういった用法ではありません。ガチョウフジツボの中では普通だと,そんな意味ですね。

これはCommon Goose Barnacleという英語表記を直訳したもの。平たく突き出した殻が嘴に似ていると感じられるのでしょうか。日本語では「エボシガイ(烏帽子貝)」。こちらは,左右に平たくなった様もピッタリです。英語名の通り,フジツボに近い仲間です。よく見ると,先端(フジツボでは中央)の2枚の殻を取り囲むようにしてほかの殻が並んでいます。エボシガイでは4枚しかありませんが,退化的なのかもしれません。
2004/12/23 渡名喜村シュガー浜

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上下逆さまに写っています。

コブシメ?
始めは,岩と思ったんです。でも,よく見ると…。
島をぐるっと一巡りして,海岸にやってきたのは4時近く。一緒に来た子どもたちは強い北風も何のその。打ち上げられたサンゴ片を海へ向かって投げるのに熱中しています。その足元に,半ばサンゴ片に埋もれるようにして,それはいたのです。

巨大なコウイカ。

おそらくコブシメだろうと思われます。まだ眼球などもしっかりしていて,それほど干からびていませんでした。釣り好きな人の話しでは,この時期,夜になると港の中にまで入ってくるようです。不幸にして打ち上げられてしまったのでしょうね。
2004/12/23 渡名喜村シュガー浜

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