今の姿を保ち続ける

こちらも地味な楕円形の貝。ヨメガカサと同属のトラフザラ(オオベッコウガサ)です。この貝,どちらが頭かというと,殻の中心が寄っている方(左下)です。つまり,写真のようすは,ずっと進んできた笠貝が,二枚貝の集団にぶつかり立ち往生しているところなのです。
ところで,左上の部分には二枚貝が全く見られません。これは,笠貝類などのグレイザーが岩の表面を削り取って食べているためなのだそうです。プランクトンの時期を終えた二枚貝の幼生が岩の表面に付着したとしても,グレイザーが微細藻類を食べるときに一緒に削り取られてしまうのです。一方,二枚貝の集団の中には笠貝類が入ってこられないために,次々と新しい二枚貝が定着できるのだそうです。結局,笠貝類は自分が食べることで,食べるためのエサを確保し続けられることになるのです。
うまくできた話ですが,実際には,笠貝が捕食者に襲われたり,二枚貝の集団が剥がれ落ちたりして,いろいろと変化が起きているようです。そこら辺が群集動態のおもしろいところです。
2004/12/25 渡名喜村クタラー(シュガー浜北側の岩礁)
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