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海岸だって 花盛り

イソフサギ
岩礁海岸の最も海側の岩。そんな波しぶきを直接浴びるようなところだけで見られる植物がイソフサギです。名前の通り磯を塞ぐように,小さな肉厚の葉がびっしりと並んでいる姿をよく見かけていました。ところが,今回は,その中にたくさんの赤い点があったのです。季節が季節だけに,てっきり実がついているのだろうと思い撮影。室内に戻ってモニタ上で確認してみると,なんとこれが花(蕾)。これからが花の季節のようです。考えてみれば,陽射しの弱い冬場に繁殖するほうが合理的かもしれませんね。
2004/12/25 渡名喜村クタラー(北西海岸)

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山裾だって 花盛り

ノアサガオ
この朝顔はノアサガオ。思いがけず,満開状態の群落に出会いました。しかも時刻は午後4時過ぎ。「朝顔」の一般的なイメージとはずいぶん違う姿ですね。それでも,花は園芸品種のアサガオそのままだし,葉もちょっとサツマイモっぽいけど,こんなアサガオもあったはず。
この場所は入港するフェリーからもよく見える風力発電施設で,低位段丘面にあたります。もっと低い場所になると,グンバイヒルガオネコノシタ?といった海岸性の植物が地面を覆うようになります。これも帯状分布といえるのでしょうか。分布図を作るとおもしろいかも。
2004/12/23 渡名喜村ヘート-ンダ(風力発電施設)

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天敵出現

オキナワマドボタル
白砂の敷かれた集落内の道を歩いていると,ブロック塀のところで何やら黒いものがモゾモゾと動いているのに気付きました。近付いてみると,ホタルの幼虫です。大きさからマドボタル類だろうと考えられます。県内にはたくさんのホタルが生息していますが,幼虫が水中で生活するのは久米島産の1種類のみ。大部分が,写真の幼虫のように陸上で生活し,主にカタツムリを襲って食べているのです。
で,このマドボタルですが,沖縄に分布する基亜種オキナワマドボタルと久米島産亜種のクメジママドボタルのどちらかわかりません。雄成虫の姿をみればハッキリするのですが。というわけで,ここでは種レベルまでの同定で,オキナワマドボタルとしておきます。
2004/12/24 渡名喜村

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毒にも薬にもなる

anagallis_arvensis01 時期がよければびっしりと咲いているのですが,さすがに12月では1輪しか見つけられませんでした。明るい青が印象的なルリハコベ。図鑑によると,「肺病、胆石、肝臓病の民間薬として利用される。」とあります。一方で,毒草としても知られていて,ある自然観察ハンドブックでは,「草全体の汁液」「嘔吐・皮ふがかぶれる」とあります。『良薬口に苦し』ということなんでしょうか。「程度の問題」ということもあるでしょうし。いずれにしろ,小さな子どもが誤まって摘んだりすることがないように気をつけたいものです。
2004/12/22 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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冬の虫が入るところ

ハナアブの一種
例によって,ネタ探しにグラウンドへ。この日は穏やかに晴れていたからか,昆虫がよく活動していました。花の撮影を始めたら,偶然ハナアブがやってきて,見事に写野に入ってくれました。で,これまた例によって「数打ちゃ当たる」方式でたくさんシャッターを切った中の1枚です。腹部の紋様が特徴的ですが,種名はよくわかりません。オキナワアシブトハナアブMesmbrius okinawaensisに近いかもしれないハナアブの一種 Syrphidae sp.としておきます。
2004/12/22 渡名喜村立渡名喜中学校グラウンド

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冬山は 花の盛り

ツワブキ そろそろ年賀状の準備をしようと,家族でスナップ撮影をしに林道へ。久しぶりに山に登ってみると,何と,野草が満開状態。ホソバワダンとツワブキの花で,法面を始めとして,あちこちが黄色く染まっているようです。日が差すと,チョウも飛び回って,すっかり春の気配です。けれどもこれからが寒さの本番。トゥンジービーサ(冬至の冷え込み)は無かったけど,ウゥワリビーサにムーチービーサが待ち構えていますから。
2004/12/23 渡名喜村渡名喜林道

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たまたま 通りかかっただけ

イソヒヨドリ
県内ではごく普通に見られる都市野鳥のイソヒヨドリですが,いざ撮影しようとすると,なかなかいいカットが得られません。ところが,グラウンドを歩いているときに,たまたますぐ近くに舞い降りてくれたのです。1カットだけ撮影したら,また飛んでいってしまいました。ちょっと手ブレ気味なのですが,これだけ近くで撮影できるチャンスは滅多にないと思います。
姿,色彩だけでなく鳴き声もすばらしい野鳥です。以前住んでいた東京では,ぜんぜん見られなくて,名前の通り海の近く(それも外房!)まで行かないと見られない,珍しい鳥というイメージでした。県内ではスズメ,キジバトといったレベルの鳥ですね。
2004/12/22 渡名喜村立渡名喜中学校グラウンド

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菫の花咲く頃

リュウキュウコスミレ …になったようです。暖かい(暑い)日が続く沖縄県地方ですが,ここ2~3日は雨がちで肌寒い日が続きました。今日は穏やかに晴れ上がり,久しぶりにグラウンドを歩いてみたのです。するとあちこちに紫の小さな花が。っと,菫色というのですね。閉鎖花とは違って,やはり趣きを感じます。
2004/12/21 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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探しても 見つからない

これは何?
「いくら」とか「どんなに」とまでは言えませんが,手元にある図鑑をいろいろ調べても,やっぱり同定できないものが出てくるものです。写真の植物は,林縁部では,あちらこちらに生えいて,小さな白い花を咲かせていました。後で調べやすいように,花の拡大撮影だけでなく,葉や葉のつき方もわかるような写真をとっておきました。けれども,図鑑に載っている写真と比べても,どうもハッキリしないのです。具志川市野外レクセンターでもたくさん見られたので,普通種だと思います。植物に詳しい人なら簡単に調べられるのでしょうね。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場の裏山

どうやら,ツルソバPersicaria chinensらしいです。渡名喜で実をつけた株が見つかり,図鑑で絵合わせできました。(2004/12/27 追記)

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落ち葉の“中”に埋もれてる

オカチョウジガイ
カタツムリの世界を知るようになってからしばらく経つと,「普通の」種類では飽き足りなくなってくるのがマニアの心。わたしの場合は微小種への憧れが芽生えてきたのでした。アツブタガイなどの1cmクラスからゴマガイやゴマオカタニシなどの5mm以下のクラスへ。残るはスナガイ・ケシガイです。
で,野外に出ると落ち葉を掻き分け何かいないかと探すようになってしまいました。写真のオカチョウジガイはそうして見つけたカタツムリです。残念ながら死殻でしたが,いつか生きている姿を撮影してみたいものです。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場の裏山

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花咲くマント

ネコノシタ?
渡名喜村はトンボロの上に集落が形成されたためか,至る所で海岸植物が繁茂しています。グラウンドも周りも例外ではなく,写真のように厚いマント群落に覆われています。この植物,ネコノシタ(Wedelia prostrata)に近いものだと思うのですが,きちんと同定できませんでした。この群落もとっても勢いがあって,ブロック塀を乗り越えるようにして敷地の中に溢れてきています。でも考えようによっては,特別な管理も必要なく,年中緑にあふれ,花を咲かせてくれるのですから,施設の植栽に向いているとも言えそうです。
2004/11/25 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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よく見れば けっこうキレイ

芝生の花 接写する被写体を探していると,思わぬものに気付くことがあります。この写真はグラウンドで見つけた芝生の花。芝生だって花を咲かせるってことを頭ではわかっていても,実際に見るとずいぶんと驚かされました。葯が紫色をしていて,文字通り「色気」があるんだなぁと。イネ科植物の花のイメージが覆されました。
2004/11/25 渡名喜村立渡名喜中学校グラウンド

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簡単には 近寄らせない

ジョウビタキ
腰から後ろの橙色と翼の白斑がたいへん目立つこの鳥はジョウビタキです。11月になって目立ってきた冬鳥です。毎日,ほぼ同じ場所で同じ色彩のものが見られます。もしも同じ個体だとすると,行動範囲はかなり狭いのかもしれません。図鑑には,「少し開けた所に単独でいて」とあります。この個体は,頭が灰白色ではないことからメスだと考えられます。せわしなく飛び回る上に,警戒心も強くて,なかなかいい角度から撮影させてもらえませんでした。
2004/12/08 渡名喜村立渡名喜小中学校

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浅黄って浅葱のこと!?

リュウキュウアサギマダラ 光の加減でしょうか,それともデジカメの性質なのでしょうか。和名の由来にもなっている微妙な水色がうまく表現できていないですね。琉球列島産の浅黄色の斑蝶というわけでリュウキュウアサギマダラ。林の中でもひときわ目を引く明るい色彩がお気に入りの蝶です。オオゴマダラよりも小さくて,飛ぶ姿にも適度なスピード感があるところもいいです。幼虫はツルモウリンカを食べるそうで,海岸でよく見られるのもそのためかもしれません。
それにしても,「あさぎ」と入力して変換すると,「浅黄」って出るんですが,黄色系には見えないなぁと思っていたんです。よくよく調べてから変換候補を探すと,「浅葱」がありました。浅い葱の色なら納得です。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場の裏山

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こちらは 狩りの真っ最中

ハクセキレイ
長い尾羽を上下に振りながら,頭を突き出すようにして歩く姿が愛らしいセキレイの仲間。日本では,黄色っぽいキセキレイの仲間と,このようなハクセキレイの仲間に大別されます。ハクセキレイは多くの亜種に分けられるそうですが,この個体がどれに当たるのかは,ハッキリしませんでした。この日は2羽で訪れていたのですが,番なのでしょうか? 写真のように首を傾げたり,ちょっとだけ飛び上がったりしています。おそらく芝生の中にいる小さな昆虫を捕らえてるのだろうと考えられます。逆光気味なのがちょっと残念な1枚です。
2004/12/09 渡名喜村立渡名喜小中学校グラウンド

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ただいま警戒中

シロハラ
小さな小さな渡名喜島ですが,秋の終わりからたくさんの渡り鳥がやってきました。未だにいるということは,このまま島で冬を越すのでしょうか? それにしても,これらの鳥は警戒心が強くて,なかなか撮影することができません。写真は,この時期になると沖縄各地でごく普通に見られるシロハラです。飛び立つと,外側尾羽の白斑がたいへん目立ちます。島にもたくさん来ているので何とか撮影したいと思っていたのですが,カメラを向ければ,すぐ逃げられる,の繰り返しでした。この日は低い塀越しに,何とか横から撮影することができました。けれどもしっかりと気付かれているようで,こちらをじっと見つめて,いつでも飛び立てるような姿勢でいます。鳥の撮影は,本当に難しいです。
2004/12/08 渡名喜村立渡名喜小中学校

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後ろは お掃除中

オビキンバエ
人によっては,この写真もグロ画像になるかもしれませんね。RSSリーダーなどでご覧の方はご注意ください。オビキンバエの近接拡大写真です。
赤くて大きな複眼と,からだの金緑色のコントラストに,クラクラッときて,思わず拡大撮影してしまったのです。帰ってから図鑑で調べてみると,動物の死骸やフンに寄ってくるようですから,まさに不衛生の権化。幼虫は便池,動物の死体,人畜のフンなどに発生し,伝染病も媒介するようです。1匹だけならキレイに見えるのになぁ。短い触角が白いことや,中肢が葉からはみ出しているところなど,けっこうおもしろい写真だとも思えるのですが,やっぱりグロはグロなんでしょうね。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場の裏山

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アサとヒルの境目は?

モミジヒルガオ
先週に引き続き,所用で渡名喜を出て,今度は具志川市に行ってきました。野外レクセンターのバンガローで宿泊したのですが,森の中のキャンプ場といった雰囲気で,家族で利用するのもいいかな,と思いました。
さて,県内の林では,林道沿いなどの林縁部につる性植物が繁茂して,シートを被せたようになっていることがよく見られます。マント群落というそうです。写真のようなアサガオの仲間も,よくマント群落を作っています。写真の種類は,葉の形から名付けられたのでしょうか,モミジヒルガオというそうです。花の形からはアサガオでも構わないように感じますが,昼になっても花がしぼまないからヒルガオになるのでしょうか?アサガオもヒルガオも同属のようですが,和名をつけるときにどんな基準で選ぶのか,気になるところです。
2004/12/05 具志川市野外レクセンター

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本当は もっと南の

アオタテハモドキ
あちらにこちらにと飛び回って,なかなかいい角度で撮影できなかったのが,こちらのアオタテハモドキ。後翅の輝くような青がとてもキレイで,何とかいいショットをと,追い掛け回したり,じっと待ち構えたり。この一枚は,何とか写せたものなのですが,肝心の後翅にセンダングサの葉が影を落としてしまっていて,今ひとつの出来映えです。
もともと八重山諸島から南の地方で暮らしている種類のようで,沖縄本島地方で見られる個体はこれらの地方から移動してきたものだそうです。キツネノマゴイワダレソウを食草としていて,開けた場所を好むそうですから,競技場の周辺は生活しやすい環境なのでしょうね。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場裏の原っぱ

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目玉の大きさと数の問題

リュウキュウヒメジャノメ
この日,追い掛け回したチョウの中では,比較的落ち着いていてくれて,じっくり撮影することができた個体です。ビロードのような鱗粉に埋もれる翅脈のようすが,よく撮れたなぁと思ったのですが,縮小してシャープネスを上げて圧縮したら,イマイチになってしまいました。
この種に限らず,目玉模様は捕食者に対する目くらまし効果があるそうです。と書いてあった図鑑の写真とは,目玉模様の数が違っています。この個体のほうが少ないのです。特に前翅の先端部に一つしかありません。図鑑の個体(複数)は三つ並んでいます。後翅の先端部も三つ目は痕跡的ですし,大きさも小さいようです。発生期間の長い種のようですから,季節型なのかもしれません。目玉の大きさと数によって,目くらまし効果に差があるのか気になるところです。それから,翅の中央を横切る白線模様も,体側がシャープになっていてアヤシイ雰囲気です。実際よりも翅が小さく感じられますが,どうでしょうか?
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民体育館の裏山

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ゴミと共に暮らす

ミナミノシマゴミグモ もともと海岸を歩くことが多かったためか,「野外へ出る」といっても草むらや山の中といったところは,どうも勝手がわかりません(沖縄ではハブに対する恐怖感もあります)。特に閉口するのが,藪の中に張り巡らされたクモの巣。微小陸貝を求めて足元を注視してうろついていると,頭から顔から全身クモの巣だらけ,何てこともあります。この巣があるということは,人が通っていないということでもあるのですが,気持ち悪いし,絡みついた糸を取るのは大変だし,みなさん どんな対策をしているのでしょうか。
写真のクモは,落ち葉をひっくり返しながら進んでいたときに,気付いたもの。おそらく食べ残しの獲物たちでしょうが,ゴミの中にじっとしていました。帰ってから図鑑で調べると,ミナミノシマゴミグモのメスのようです。ミナミ○○とか,リュウキュウ○○という和名はよくありますが,「ミナミノシマ」とつくのは珍しいと思います。クモのほうは,県内各島で見られる普通種のようですが。
2004/11/28 玉城村(タマグスクソン)富里(フサト)国民陸上競技場の裏山

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