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雨,そして風に耐えて 花開く

テリハノイバラ
島尻毛へと登っていく山道は,昔の人々が畑仕事に通った道です。畑作が盛んだった1960年代から40年が経ち,一部は匍匐性の草本・木本によってマット状に覆われています。そんな足元に白い花が一輪咲いていました。強い風のためか,それとも,もう花の時期を過ぎているからか,花びらが裂けて痛々しい感じがします。手に取ろうとすると,茎には棘がいっぱい。和名はテリハノイバラ,そして学名では,Rosa wichuraiana。バラそのものだったんですね。来年は満開の時期を見たいと思います。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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すわ 一大事!...!?

自衛隊の大型ヘリ
「ヘリコプターが降りてるよ」との知らせに,大慌てでカメラを引っさげ,現場のヘリポートへ。迷彩を施した双発大型ヘリが停まっています。8月の事件(といっても普天間の件ではありません)が思い出されます。

ところが・・・

機体には赤い丸印。な~んだ自衛隊機じゃん。がっかりすることはないのですが,拍子抜けした感じは否めません。急患搬送かもしれないと思い直して,近付いてみると,すごくのんびりとした雰囲気です。写真撮影を申し出ると,快く承諾してもらえました。今回は役場へのあいさつで飛来したそうです。島は二日続いた欠航でいろいろ不便を被っているのですが,ヘリなら那覇まで20分ほど。空路のある隣りの粟国や座間味がうらやましく思えました。
2004/10/27 渡名喜村ヘリポート

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ねばついた赤いたね

トベラの実
島尻毛を登る山道(?)は渡名喜林道から入ります。しばらく登りが続くのですが,その斜面はやや風が弱いのか低木林となっています。その中ほどで赤い実をつけた木に気付きました。緑に囲まれた山道(?)では,ちょっと目立つ色彩です。すぐに手を伸ばして,触ってしまってから後悔しました。何ともいえない粘り気があるのです。こんなにねばついていると,鳥も食べにくいだろうし,くっつけて運んでもらうような大きな動物はいないし,一体どうやって種子を広げているのでしょう。
ところで,和名のトベラは魔除けに枝葉を扉につけていたことに由来するそうです。そして学名はP.tobira。どうせならtoberaにすればよかったのに,と思ってしまいます。
2004/10/09 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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フサフサしっぽがポイントかな!?

ワタヘリクロノメイガ
センダングサの草むらは,たくさんの小さな蛾が飛び回っています。ほとんどが地味な薄茶のシロオビノメイガです。そんな中で1頭だけ白っぽくてよく目立つものがいました。レンズを向けると,腹端に房のように毛がついていて,それを上下左右に振っているのです。まるでチアリーディングのポンポンみたいです。図鑑では「尾端の毛塊」と表現されています。こちらのほうが目立つと思うのですが,和名は翅に注目してワタヘリクロノメイガ。「ワタを食害する縁が黒い翅の螟蛾」ということのようです。冬瓜や糸瓜も食べるようですから,集落近くの畑では,もっとたくさんいるのかも知れません。
2004/10/09 渡名喜村大本田渡名喜園地

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わたしも白帯

シロオビノメイガ
県内の空き地には,どこでも見られるセンダングサの仲間。渡名喜島でも至る所にはびこっています。そのセンダングサの草むらを,たくさんの小さな蛾が飛び回っていました。こちらの動きを察知して,なかなかじっとしてくれません。そのためか,単純な薄茶の色彩に見えていました。けれども腰を落ち着けてシャッターを切ると,結構繊細な模様がありました。互い違いになった白帯が目立つシロオビノメイガです。たくさんいたのは,食草がイヌビユなどで,利用しやすいこともあるようです。イヌビユといったら,除草した花壇にどこからともなく侵入して,どんどん種子をつけて大繁殖する困った野草です。このほかホウレンソウも食害する困った虫のようです。
2004/10/09 渡名喜村大本田渡名喜園地

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みんなで集まり クルクルクル

オキナワオオミズスマシ
溜め池は想像していたよりも生き物の姿に乏しかったのですが,そんな中で目立っていたのが,このミズスマシ。オキナワオオミズスマシという日本最大のミズスマシだそうです。ずいぶん写真のサイズが小さくなっていますが,何しろ素早く動き回って,デジカメのAFが追いきれません。ピントを固定して(置きピンですね)何枚もシャッターを切って,何とか写った個体です。動いているときは判らなかったのですが,結構複眼が突き出ています。
2004/09/23 渡名喜村アーカル(集落南東の溜め池)

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渡名喜島の自然誌 ウェブページ作成しました。

これまでに このblogで書いてきたことを中心に,ウェブページを始めました。内容は,まだ1つだけ。この夏にハマッたシド崎の地学。このblogでは,接触交代鉱床スカルン鉱物,ダブルノッチとして取り上げました。以下のリンクからどうぞ。

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ひっくり返って 足上げて

オキナワマツモムシ
渡名喜島には農業用水の溜め池が4ヶ所あります。野鳥を目当てに行ってみたのですが,想像していた以上に深くて,池というよりダムのようでした。その隅の深い褐色の水の中でちょこちょこと動く姿を見つけました。腹側を上にして,オールのような後肢を動かしているのはマツモムシです。魚などの姿はぜんぜん見えなかったのに,たくさんのマツモムシがいました。一体何を食べているのか不思議です。写真の個体ではハッキリしませんが,複眼が赤褐色であること,腹部が黒いこと,そして体長からオキナワマツモムシだと考えられます。
2004/09/23 渡名喜村アーカル(集落南東の溜め池)

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控え目なのが日本風!?

イワダレソウ
渡名喜島の集落はトンボロ地形に立地しているためか,本来砂浜など海岸に生息する植物が思わぬところで見つかります。写真のイワダレソウもグラウンドの芝生の中で見かけたもの。独特の花の形で気になっていたのですが,本州でも見られる種だったようです。それどころか,ネットで検索してみると地中海にも同名の(ですから同種の)植物が分布しているようです。ところが,その花の形がずいぶん違うのです。こちらのバレアレス諸島産の花は,とっても大柄で派手。とても同種とは思えません。元のページがスペイン語らしくて詳細がわからないのですけれど。
2004/09/24 渡名喜村

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モーレツ!

「超大型」の台風23号,一日がかりで沖縄本島周辺を通り過ぎていきました。幸いわたしの部屋がある宿舎は停電など無く,無事に過ごすことができました。でも,当然一歩も外に出ることはできず,昨日の更新はお休みとなりました。
お隣りの座間味村では道路決壊など大きな被害が出ているようです。本当に,モーレツな台風でした。

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わたしの後をついて来て

キセキレイ
またまた,週末は林道へ。でも,今回の目的はこれまでとはちょっと違います。幸い週末台風とはならなかった24号ですが,立て続けに接近したこれまでの台風のために,県内は野菜不足になっています。となると,船便のみに頼る渡名喜島はなおさらです。そこで,少しでも食卓に緑を!というわけで,ホソバワダンを採りに来たのでした。
その帰り道,車を走らせていると,すぐ前をちょこちょこと歩く小鳥が3羽。車が近付くと飛び立って,ちょっと離れたところでこちらのようすを覗っています。そしてまた,ちょこちょこと歩き出すのです。黄色いお尻と翼の白線が目立つこの鳥はキセキレイ。冬を越すために南に渡ってきたようです。何度飛び立っても車の前に降りてくるので,結局,追い散らすようにして通り過ぎなければなりませんでした。
2004/10/16 渡名喜村渡名喜林道

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照明よりもテレビが先

共同アンテナ
またしても,週末台風の気配。ここ渡名喜島は一昨日から2日続きで欠航です。すでに,学校給食から牛乳が無くなるなど,生活にも影響が出てきています。そして,もしも直撃となった場合,沖縄周辺は台風が貿易風から偏西風に乗り換える転向点に当たるので,丸一日(あるいはそれ以上)暴風が吹き荒れることになるのです。そうなると,心配なのは停電ですが,ある意味でそれ以上に厄介なのが「テレビが止まる」ことです。渡名喜村はNHKと民放の双方を共同受信していて,写真にある たった1つのアンテナにほとんどの世帯のテレビ視聴が依存しているのです。そのために強風で電線が切れるより先にアンテナの向きが変わってしまい,テレビのほうが先に止まってしまうことがあるのです。今度の台風も,大事無く過ぎてくれるとよいのですが。
2004/09/22 渡名喜村

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玉虫色ではないタマムシの色

アオムネスジタマムシ
渡名喜島には昨日のアオウバタマムシのほかにも,別なタマムシが暮らしているようです。写真は集落内の路上で死んでいたアオムネスジタマムシChrysodema manillarum。例によってアシナガキアリが集まっていました。翅も開いていて,死んでから時間がたっているようです。けれども,輝く羽の色はそのまま残っていました。図鑑では「金緑色」と表現されてる,ハッキリとした色です。太陽の光を浴びて飛び回っていたら,さぞかし美しく輝いていただろうと思います。
2004/09/22 渡名喜村

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真っ直ぐ 前から

アオウバタマムシ
野外で昆虫の写真を撮っているとき,なかなかこの角度からは撮影できないものです。この被写体,アオウバタマムシは,コンクリートの床の上でじっとしていてくれたので,カメラを思いっきり近づけて拡大撮影することができました。基亜種のウバタマムシChalcophora japonica とちがって,
文字通り玉虫色に輝くところがキレイなのですが,正面からはわかりませんね。でも,フ節と爪の関係がよく写っているところはお気に入りです。
ところで,アオウバタマムシC.j.oshimanaと同定しましたが,これは文字通り,奄美・沖縄産。久米島には,C.j.kumejimanaというのがいるそうですから,そちらかもしれません。渡名喜は微妙な位置にありますね。
2004/10/09 渡名喜村大本田渡名喜園地

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白帯だけど

クロバネツリアブ
夕方の埋め立て地で,カメラを持ってウロウロしていると,足元の草むらで飛んでいる虫に気付きました。センダングサのすぐ上で,じっと一点に留まっています。その様子はヘリコプターのホバリングかチョウゲンボウの停空飛翔のようです。そのうち,スーッと移動してとまりました。日没間近だったので,その日の休息場所を探していたのかもしれません。腹部の白線が印象的で,珍しい種類かと思ったのですが,図鑑で調べてみると,クロバネツリアブという普通種でした。和名は羽に注目しているのが不思議に感じられます。
2004/09/19 渡名喜村ヘリポート埋め立て地

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ファースト・コンタクト

ハブ
遂に「最初の接触」を迎えました!
このところハマッテいる,週末の島尻毛行き。車を止めて少し林道を戻っていくと,路上にあったのです。まだ新しい轢死体。たぶんこの日の朝だと思われます。島の人は見かけると念入りに車で轢くようにしているそうですから,そうして退治された個体かもしれません。渡名喜名物のハブ。若い個体だからでしょうか,体色は明るく,黄緑色といってもいいくらい。路上だから目立ちますが,草原などでは全く気付かないでしょうね。その後,さらに小さな個体の轢死体も見つけました。活動が活発になる時期なのでしょう。気をつけたいと思います。
2004/10/09 渡名喜村渡名喜林道

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草葉の陰で モコモコモコ

キノコの一種
芝生というのは,案外栄養豊富になるのかもしれません。縁石近くの土の中から,芝生を押しのけるようにキノコの塊りが盛り上がっていました。いくつもの傘が融合して,何とも表現しがたい形状です。傘の表面が褐色で裏側は黄色なので,単体ならば結構美しいかもしれません。
昨日に続いてキノコを取り上げましたが,種名は不明です。キノコを同定するだけの情報が手元に無いのです。沖縄(南西諸島)向けのいい図鑑が欲しいです。
2004/10/06 渡名喜村

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草葉の陰で ひっそりと

キノコの一種
プランターに朝の潅水をしながら,ふと足元を見ると,かわいいキノコが傘を開いていました。玄関脇の芝生の中でひっそりと,けれどもしっかりと立ち上がっています。もう胞子は飛ばし終えたようで,傘を触っても何も出てきませんでした。それにしても何を栄養源にして,この場所に出てきたのでしょう。
2004/09/21 渡名喜村

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じっと見つめて動かない

シリケンイモリ
早朝の林道で偶然見つけたシリケンイモリ。山(?)のかなり上のほうで,しかも周囲は切り通しになっていて,とても生息環境がないような場所でしたが,道路の真ん中でじっとしていました。近付いても全く動きません。じっくり撮影できました。
ところで,県内で見られるイモリはシリケンイモリCynops pyrrhogasterだと思っていました。ところが,最近記載され直したようで,ネットで検索するとオキナワシリケンイモリCynops ensicauda popeiという名前も出てきます。ここでは,新しい学名に従っておきます。おもしろいのが,これらのイモリから得られたフェロモンの名前。C. pyrrhogasterが「ソデフリン」,C. ensicaudaが「シリフリン」というそうです。命名の由来は,Dr. Grummanの最新情報をご覧ください。
2004/09/23 渡名喜村渡名喜林道

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冬の装い

アマサギ冬羽 ミーニシが吹いてすっかり秋らしくなった渡名喜島です。先週までにツバメの渡りが見られて,今週はサシバがやって来るでしょう。ずっと島にいた鳥たちも,すっかり冬の装いになりました。半年前に気付いたアマサギの群れは,結局そのまま島で夏を越しました。橙黄色の飾り羽はなくなり冬羽に変わっています。相変わらず群れで行動していますが,冬を迎え島を離れるのでしょうか。それとも1年を通じて島で生活するのでしょうか。
2004/09/23 渡名喜村ウーシマール(集落南東の畑)

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小さな訪問者

ツルボとハナアブ 台風21号が過ぎ去って,ショウキズイセンはどうなったかなぁと再び島尻毛へ行ってきました。予想通り,花は終わっていたのですが,実ができているものがありました。本当に結実するのかたのしみです。
さて,写真はツルボ。ユリ科の多年草だそうで,花茎を伸し始めた株もたくさん見られました。そのためか,先週に比べて花が増えたように感じました。ピンクの花が風にゆれるのは,とてもかわいらしく感じられます。
でも,撮影は大変です。カメラがぶれないようにじっと息を凝らし,風が止まる一瞬を待ち続けなくてはならないのです。そうして撮った一枚に,偶然ハナアブの仲間が写っていました。
2004/10/03 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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見た目は違っても

ホソバワダン
林道の法面に黄色い花が咲いています。真ん中の大きな葉をつけた株と,周囲を取り囲んでいる花をつけた部分は,別な植物のようにも見えますが,これで1つの繋がった体なのです。ホソバワダンは「根出葉」と「花茎の中葉」で,ずいぶん形や大きさが違うようです。この株は,花茎の配置がおもしろくて撮った1枚です。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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