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もちろん羊歯ではありません。

ハイキンゴジカ
島尻毛の草原は,リュウキュウチク(?)の枯れ葉と蔓性植物がカーペットのようになって厚く地面を覆っています。その中に小さな黄色い花が咲いていました。気付いたときは匍匐性のキクの仲間かと思ったのですが,よく見ると花のつくりが全くちがいます。帰ってから調べてみると,アオイの仲間。そういえば,オクラなんかにソックリです。和名はハイキンゴジカ。このように片仮名で書かれてしまうと,どんな意味の言葉か分かりませんね。這うように生育する金(黄)色のゴジカということで,ハイ+キン+ゴジカかなぁと思うのですが,「ゴジカ(コジカ)」って何でしょう?
一方,学名はSida insularisというそうです。属名のSidaは羊歯と同じ発音ですが,こちらの語源も気になります。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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草陰にひっそりと

ナンバンギセル 島尻毛は島の南側,断崖絶壁の上にあります。しかも大本田-大岳とヲモ岳をつなぐ鞍部に当たり,風の通り道になるようで,目立った木本がありません。一面の草原(リュウキュウチク?)になっています。その草陰にひっそりと咲く花を見つけました。特徴的な形から,すぐにナンバンギセルだとわかりました。写真ではよく見えないのですが,花弁や顎片に薄赤紫色の繊細な模様があって,想像以上に美しい花でした。
ところで,ナンバンギセルはショウキズイセンと同じように花茎のみで葉が見られません。これはナンバンギセルが寄生植物で,宿主の根から直接栄養分をもらうために,そもそも葉をつけないためです。一方,ショウキズイセンはヒガンバナと同じく,花の時期が終わってから葉が出てくるそうです。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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同名異物

ショウキズイセン ショウキズイセンってどんな花ですか? と尋ねると,「ヒガンバナですよ。」という答え。黄色い花と聞いていたので???だったのですが,「内地のは赤いのに渡名喜のは黄色いんですよ」と言われて気付きました。沖縄で暮らしてみると,こちらで呼ばれている物事が県外で育ったわたしの知る物とは違っている,ということが度々あります。たぶん今度もそれだろうと思いつつ,実際に見てみると,ショウキズイセンはヒガンバナよりもおしべが短い(花びらが大きい)感じがします。ネットで検索してみると,やはり別種のようです。けれども自然雑種ができるようですから,かなり近い種なのかもしれません。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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秋に満開 ショウキズイセン

ショウキズイセン
山の上の草原でショウキズイセンが満開を迎えているから見に行かないか,というお誘い。ハブが恐くて,なかなか一人では山に行けずにいたので,大喜びで連れて行ってもらいました。現場は島尻毛と呼ばれる風衝地。南海岸の絶壁の上でした。ちょうど鞍部になっていて風が吹き抜けるからか,木らしい木が生えていません。ソテツが目立つ原野に黄色い花が咲き乱れていました。けれども,昨日から沖縄近海に居座っている台風21号のために,すでに散ってしまったかもしれません。
2004/09/25 渡名喜村島尻毛(シマジリモウ)

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幼さが残る顔だけど

若いツバメ
アカハラダカを見送って集落に下りてくると,ツバメも渡ってきていることに気付きました。雨が落ちてきているからか,草むらの上を低く飛び交っています。それもツバメにしては低速飛行で,そのため尾羽が開いて特徴的な白斑がよく見えます。そこを撮影したかったのですが,ひらりひらりと,まさにツバメ返しで飛んでいるところは追いきれません。隣りの畑に降りて一休みしている群れがあったので,車の中から望遠で狙ってみました。たまたまこちらを向いていた一羽は,額の赤褐色部と胸の黒帯が不完全で,きっと今年生まれた若鳥なのでしょう。たっぷり栄養と休息をとり,島を飛び立って欲しいと思います。
2004/09/23 渡名喜村ミジハレー(集落南の畑)

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鷹の渡り

アカハラダカ
今日は秋分。日の出を撮影しようと林道を登り展望台へ。残念ながら曇りがちでステキな日の出は撮影できませんでした。その代わりに,思いがけないものをいろいろと見ることができました。その一つがこの写真。ふと気が付くと島の上空にものすごい数の鳥が舞っています。くるくる旋回して,高く高く昇っていきます。話に聞いていた「鷹柱」のようです。白露の頃にやってくるというアカハラダカです。初めて見たわたしには,空を埋め尽くすように感じられましたが,きっと以前はもっとたくさん飛来していたのでしょうね。しばらくしてから西側の慶良間列島,久場島の方へ飛んで行きました。
2004/09/23 渡名喜村大本田展望台から

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棒ではないけれど…,当たった!

二重の虹
やっぱりカメラを離さないでいると,シャッターチャンスを捉えることができるものです。夕方の東の空に見事な虹(それも副虹付き!)が出ていました。すかさずシャッターを切りまくったのですが,何と,バッテリー切れ。備えあれば…とはいきませんでしたが,何枚かのいい虹が写せたと思います。
2004/09/22 渡名喜村

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夕日に映える 白い崖

粟国島・筆ん崎
渡名喜島は,慶良間,久米,粟国の島々が作る三角形のほぼ中央に位置しています。このため,これらの島々が すぐそこに見えています。もうすぐ日没というとき,島の北西海岸から薄紅色に輝く粟国島の崖が見えました。粟国は渡名喜と違って平坦な島であること,南西端の筆ん崎は切り立った崖になっていることが,渡名喜島からもよくわかります。この崖は,デイサイト質の凝灰岩からなっているのだそうで,露頭の写真を見ると見事なまでに真っ白です。その様子が,この距離からでもよくわかるように思います。
2004/09/19 渡名喜村シュガー浜より粟国島を望む

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ヒゲ と しっぽ が決め手です。

アマミナナフシ頭部と腹部
図鑑によると,沖縄島周辺では数種類のナナフシが分布しているようです。その識別点はというと,触角の長さと腹部末端の形なのです。まず,体型と羽が無いことからコブナナフシ類,トビナナフシ類は除外できます。そしてよく似たエダナナフシ類との識別点が触角の長さ。写真の個体は前脚腿節を越えないことでエダナナフシ類と区別して,アマミナナフシと同定できます。さらに,オス腹端の把握部の形状で,いくつかある地方型の中でもケラマ型であることがわかります。ケラマ型の中でも,やや反り返っているところは,久米島産より渡嘉敷島産に似ているように思えます。このように詳しく書けるのは,図鑑ではなくてナナフシに特化した本に従がったからです。
岡田正哉「ナナフシのすべて」トンボ出版,1999
かなりマニアックな内容ですが,とても助かっています。
2004/09/16 渡名喜村

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ここでは効き目がない

アマミナナフシ 農機具小屋の扉に,一匹のナナフシがとまっていました。金属光沢がある材質の上では,茶褐色のからだがよく目立ってしまいます。隠蔽型擬態で知られるナナフシですが,ここでは全く効果ナシです。渡名喜島に来てから,何度かナナフシを目にする機会があったのですが,これまで撮影できていませんでした。ようやく写せた一枚です。アマミナナフシのようですが,同定の根拠は,次の機会に。
2004/09/16 渡名喜村

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二人は なかよし

シラホシカメムシ 明るいうちから野外へ出ることが増えたからか,それとも,畑に囲まれたような環境だからか,渡名喜へ来てからカメムシ類が目に付きます。写真のシラホシカメムシも,エノコログサ(?)に2匹が寄り添うようにしていました。よく似た種にマルシラホシカメムシというのがいるのですが,それよりは小楯板が小さいこと,小楯板基部の白色紋が小さいことで,こちらに同定しました。いずれもイネ科草本によく着く種だそうです。
2004/09/13 渡名喜村

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夕日を浴びて

ホソハリカメムシ エノコログサ(?)の穂の上で,夕日を浴びて輝いているカメムシがいました。写真ではわかりにくいのですが,『前胸背の側角』と呼ばれる黒い針状の突起があります。それで和名はホソハリカメムシ。放置された畑のあちこちで,このカメムシを見かけました。図鑑では群れで見られるとありますが,群れているというよりも,たくさんいるという感じでした。
2004/09/13 渡名喜村

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連れ去り事案

アシナガキアリ
以前にも紹介したアシナガキアリ。ほんとうに働き者で,雨上がりにはそこかしこで見られます。この日も運動場のすみでヤスデが運ばれていくところを見つけました。自分のからだの何倍もあるヤスデを引っ張る姿には,感心させられます。けれども,スケールを考えると当たり前のことで,小さなアリの生活をヒトに当て嵌めるほうが間違いなんですよねぇ。それにしても,ずっとコンクリートが続く側溝沿い。アリのサイズで考えると永遠に続くようにも思えます。
2004/09/13 渡名喜村

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じっと見つめてる

ムナビロカマキリ
カメラを持って草むらをウロウロしていると,足元からの熱い視線を感じました。カマキリがじっとこちらを見つめています。こちらが動くと,それに合わせて頭を動かして追ってきます。そのためか,複眼に映った黒い点が瞳のようにも見えます。このカマキリ,前脚基部内側のオレンジ色紋によって,ムナビロカマキリと同定しました。図鑑などでは,Tenodera sp.(near aridiforia) となっています。1996年に出版されているのですが,その後学名は付けられているのでしょうか。
2004/09/13 渡名喜村

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黒くて大きな

オキナワクマバチ 久しぶりの晴天に,ようやく撮影に出かけました。7月にトウモロコシを収穫したまま放置してあった農場へ行くと,野草が繁茂して,昆虫たちの楽園になっていました。しばらく見ていると,何やら黒い塊りが飛び回っています。大きなからだでセンダングサの花にとまるので,まるで懸垂しているように見えます。あたりを見回すと,3匹飛び交っていました。近くに巣があるのかもしれません。いわゆるクマンバチですが,色と体型,大きさをよく表わした名前ですね。標準和名はオキナワクマバチというそうです。
2004/09/13 渡名喜村

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ちょっと不恰好だけど…

タイワンカブト
県内でカブトムシといえば,やっぱりこのタイワンカブト。移入種なのですが(移入種だから?),よく見かけるカブトムシです。カブトムシよりも脚が短いようで,その分ずんぐりとした体型に見えます。写真の個体も昼間の路上でもがいていました。子どもにも簡単に捕まえられる,手軽なおもちゃかもしれません。個人的には鞘翅の表面に微細な彫刻線のあるところが気に入っています。
2004/07/21 渡名喜村

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本当に小さいんです。

ヤマトシジミ 身近で見られる蝶の中では,最も小さい種類になると思われるヤマトシジミです。写真の個体は翅の裏側の斑紋がハッキリとしていることから高温(夏)型と考えられます。っていうか,7月に見られたんだから夏型ですよね。食草がカタバミであることも,身近でよく見られる要因になっているんでしょう。ちょこまかと飛び回って,なかなかアップで撮ることができませんでした。
2004/07/25 渡名喜村 里の展望台

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200年前から ここに居る

天然記念物のフクギ群
ここ何日か話題にしている渡名喜のフクギですが,村指定の天然記念物にもなっています。「渡名喜番所渡名喜小中学校跡のフクギ群」(平成3年3月29日指定)です。写真で見ると,何ということはない立ち木ですが,同所にある説明版によると,『このフクギ群の正確な樹齢は不明であるが、村民の伝誦によれば、少なくとも200年は越えるものと推定される』のだそうです。江戸時代(というか琉球王府時代)からこの場所にあったんですね。自然分布は宮古・八重山(別な図鑑ではフィリピン原産となっている)で,沖縄本島には明治以降に持ち込まれたようなのですが,渡名喜ではそれ以前に持ち込まれたということなのでしょうか。
現在は老人福祉センター前のゲートボール場を見下ろしています。
2004/07/24 渡名喜村老人福祉センター

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霞の中で,お食事中

アカアシハラナガツチバチ
フクギに絡み付き,咲き乱れるリュウキュウボタンヅル。その花にちょっと大型のハチが訪れていました。顔や翅を見るとアシナガバチの仲間のようにも見えます。けれども妙に腹部が大きくて,毛深いのです。図鑑で調べてみると,アカアシハラナガツチバチのようです。ツチバチ類は,コガネムシの幼虫に外部寄生するそうですから,島でたくさん見られるリュウキュウツヤハナムグリなどが宿主なのでしょうか。
2004/07/24 渡名喜村

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フクギの梢に霞がかかる

リュウキュウボタンヅル 渡名喜の集落はフクギの屋敷林が見事なのですが,そのフクギに絡み付いて,白い花を咲かせているのがこのツル植物。たくさん咲いているところは,まるでフクギの梢に霞がかかったようになっています。学名を見ると Clematis とあります。カラフルな花を想像してしまいますが,和名ではセンニンソウ属となるんですね。県内には同属の種が数種類分布するようです。
2004/07/24 渡名喜村

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頭隠して…,食事中!?

リュウキュウツヤハナムグリ
陽射しの強い,真夏の昼間。集落の中でコガネムシが飛び交っています。キラキラと緑色に輝くこの虫を,子どもたちはカナブンと呼んでいました。島には,緑色のコガネムシが2種類いるようですが,写真は大きいほうの種です。図鑑で調べてみると,県内に分布する緑色のコガネムシは数種類いるようで,しっかりとした同定はできないのですが,おそらくリュウキュウツヤハナムグリだと思います。ガジュマルの果実(花)に頭部を突っ込んで,じっとしていました。
2004/07/24 渡名喜村老人福祉センター

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子持ちの姿

ハチジョウカグマ 家族サービスで,子どもを連れて(連れられて?)歩いていると,道端にも仲間の姿。日当たりよい斜面に大型のシダの葉が広がっていたのですが,その葉の表面にたくさんの不定芽が付いています。調べてみると,ハチジョウカグマという,県内では広く見られる種のようです。別名タイワンコモチシダ。胞子葉の表面にたくさん付く不定芽を子どもになぞらえて,「子持ち」としたのでしょうね。コモチシダ属のコモチシダの変種なのだそうですが,そうすると,標準和名の「ハチジョウ」とは一体何なのでしょう? さらに,「カグマ」って何? 謎に満ちた名前です。
2004/08/20 沖縄市こどもの国

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移入種天国

ミシシッピーアカミミガメ
沖縄こどもの国の池では,本来県内(というか国内)には分布していなかった動物が,我が物顔で繁殖・増殖しています。写真はおなじみミシシッピーアカミミガメ。またの名をミドリガメ,ですよね。何匹ものカメが,のんびりと泳いでいました。中には,投げ入れた魚のエサに向かってくるものもいたのですが,素早いテラピアには敵いませんでした。ちょうど,沖縄美ら海水族館で行なわれていた「沖縄の外来種展」を見てきた後だったので,印象的な光景でした。
2004/08/20 沖縄市こどもの国

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